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各企業は顧客の行動心理を踏まえてどのようにマーケティングしているのか|プロモーション施策まとめ

マーケティングを実施するにあたって、お客様の感情/行動心理を踏まえることはとても重要ですが、どうやってそれを活かすのかなかなか難しいです。各企業はどのように行動心理を踏まえてマーケティングをしているのかそれぞれの行動心理ごとにプロモーション施策をまとめたいと思います。

「あの人が使っているから良いものだろう」:ハロー効果を活用したプロモーション事例

ハロー効果とは、モノやヒトなどのある特徴について思い描いているイメージが、それ以外の関係ない特徴へと影響することによって、ヒトの判断にバイアスをかけてしまう現象を指します。

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プロモーション施策例:有名人である蛯原英里さん、くわばたりえさんを、活用している

ハロー効果は、思い描いているイメージで物事を判断することを言います。「あの人が使っているから。きっと良い商品に違いない」とお客様側に認識させることができます。

後から「そうだと思った」と思わせる:後知恵バイアス

後知恵バイアスとは、物事が起きたあとで「そうだと思った」などと、まるでそのことが予測可能だったと考える心理的傾向のことをいいます。プロセスや戦略そのもの以上に、結果によって印象が左右されているのが、後知恵バイアスがかかっている状態です。

同じものでも表現の方法で相手の印象を変える:フレーミング効果

フレーミング効果とは、同じ中身のものだとしても表現の方法次第では相手の印象を変えることができる効果を指します。

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プロモーション施策例:通常価格2,000円、初回限定500円で販売している通販事業者様の事例です。「1日あたり17円」と表記することで、同じ金額でも手に取りやすい(安く感じる)と思わせることができています。

人はあるフレーム(枠組み)で物事を判断してしまいます。簡単にいうと「思い込み」で物事を判断してしまうことが多いのです。

もったいないから続けてしまう:サンクコスト効果

サンクコスト効果とは、日常的な生活の中で「どうせここまでやったし…」「せっかくだから…」などの理由で物事を考えたり、それらの考えを元に行動してしまうことを指します。

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プロモーション施策例:お試し訴求です。最初は「〇〇日間無料」などとして、商品やサービスに触れてもらいます。そしてある程度無料で商品やサービスを体験してもらった後、有料での使用を促します。

最初は、無料で利用できるから使ってみようと利用を始めますが、無料期間が終わると今の充実した生活がなくなるのも「もったいない」と感じ、継続利用してしまうのです。無料お試しなどで『一度使ってもらう』という施策には、『保有効果』を掛け合わせながらマーケティング施策として活用されています。

何度も同じ商品に触れると好感を持つ:ザイアンス効果

ザイオンス効果とは、はじめのうちは興味がないものでも、何度も触れているうちに好感をもつようになっていく効果のことです。

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プロモーション施策例:Instagramを活用したマーケティングです。図のように健康食品を持った投稿が並んでいます。ユーザー側は、自分の周りで同じ商品を発見する回数が増えるとその商品に好感を持っていく傾向にあります。

セット商品を作って『お得感』を演出する:バンドリング

バンドリングとは、関連する2つ以上の商品やサービスを組み合わせ、ひとつのセットとして提供する販売手法です。

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プロモーション施策例:楽天市場で酒類を販売しているページになります。図のように複数の商品をセット商品として1つにすることでお客様に『お得感』を伝えています。

仮に1本、通常価格2,000円にお酒があるとします。図のようにセット商品ではなく5本購入購入すると商品代金は10,000円になります。

・1本 購入:2,000円
・5本 購入:10,000円

そのため、複数商品を購入するのは「高い」と感じて買いづらいですよね。しかし、5本 5,000円のようなセット商品がある場合は行動心理が変わります。1本ではなく5本 5,000円のセット商品を「お得」と思い込み、買ってしまうわけです。

「良薬は口に苦し」勝手な思い込みを想起させる:プラシーボ効果

プラシーボ効果は「偽薬(本当は薬ではない成分)を投与したにも関わらず、症状が回復したり和らいだりする現象」のことです。

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プロモーション施策例:キレイな身体に繋がる、青汁(健康食品)を販売している企業様の例です。商品コンセプトの考え方にプラシーボ効果が使われています。

以前から、「青汁」は、苦いけど身体に良い飲み物であるという認識があります。ただ、若い方が飲むものではなかった。しかし、上図の商品は『青汁×ダイエット』という訴求軸で、若い方を戦略的ターゲットにした商品として販売し、大成功をおさめました。

『お悩み』訴求で無意識に注意喚起させる:カクテルパーティー効果

カクテルパーティー効果とは、たくさんの人がそれぞれに雑談しているなかでも自分に必要な事柄だけを選択して聞き取ったり、見たりする脳の働きのことです。

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プロモーション施策例:『女性の抜け毛』というピンポイントにターゲットの『お悩み』に訴求している例です。

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プロモーション施策例:こちらも上記と同様、「コレステロール」「中性脂肪」という特定の『お悩み』に特化して商品訴求しています。

権威付け、煽りで興味喚起する:バンドワゴン効果

行列ができていると、通りがった人はが美味しいと判断して、さらに行列が長くなっていくことがあります。「多数の人が支持しているのなら、きっと良いもののはずだ」「人気ナンバーワン!」と書かれた商品が良いものに思えたり、ちまたで流行している商品につい手が伸びてしまったりすることをバンドワゴン効果と言います。

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プロモーション施策例:「満足度94%」「ランキング1位」「メディアへの掲載」などの権威付けなどによってみんなが持っているものを欲しくなる気持ちや、「みんなが選んだものはきっといいに違いない」と惹かれる気持ちを指しています。

人とは違う特別感をマーケティング施策に活かす:スノッブ効果

スノッブ効果は、「人とは違うものがほしい」「みんなが持っていない特別感を求めている」など他社の購入量が減少するほど、購買者個人の購買心理が高まる減少です。

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プロモーション施策例:セブンイレブンのスイーツの写真や動画をSNSで投稿することによってクーポンや特別イベントへの参加などができるプログラムです。特別感、希少性をお客様側に与えて、『ファンの差別化』をすることでロイヤルカスタマー化することができます。

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プロモーション施策例:ジャパネットたかたさんの番組でのオファー。「本日限り特価」としてオファーをかけています。

期間を限定する言葉は、希少性や特別感を与えやすい言葉のひとつです。
セールなども期間を限定することにより、あまり変わらない値段でも普段より特別感を感じやすくなっています。

購入の際の意思決定に影響を与える:アンカリング効果

アンカリング効果とは、最初に提示された数字や条件が基準となって、その後の判断が無意識に左右されてしまうこと。

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プロモーション施策例:BOTANISTの販促からアンカリング効果が学べます。通常価格7,500円で販売しているが、初回特別価格として3,960円でオファーをかけています。ここでは通常価格7,500円がアンカーの役割を果たしていて、47%だから「お得」と感じさせる効果を出しています。

この事例では、価格がアンカーになっていますが「感情」「訴求内容」「効果/効能」などもアンカーになります。

まとめ

顧客の行動心理などを理解すると様々な本を読みました。けど、本に書かれている行動心理学要素は理解したけど、実施にマーケティング施策にどういう形で落とし込むのかなかなか難しかったりすると思っています。そのため今回は、こちらのnoteで行動心理要素を各企業のマーケティング事例を踏まえてまとめてみました。

これからマーケティング施策などを立案する人に参考になればと思います。

今回参考にした本です。


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