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名もなきデータに眠る可能性の話(後編)

いつもお読みくださりありがとうございます。
高速検索技術の会社、フォルシア株式会社でデータクレンジングを担当しております。上杉と申します。

今回は先週10月27日に投稿した記事「名もなきデータに眠る可能性の話(前編)」の続編をお送りします。

前回記事をまだお読みでない方は下記からご一読下さい。

後編の今回は、データの利活用に向けた具体的な作業手順についてお伝えします。

データの利活用とは

本題の手順のご紹介に入る前に、そもそもデータの利活用とはどんなものかについてお話します。

「データの利活用」=あるデータを参照して分析し、ビジネスの成功のために活用すること。と思われがちですが、実はそれは厳密にはデータの利活用とは言えません。

データの利活用のポイントは、ズバリ”継続性”にあります。データは常に推移して値は形を変えていきます。1つのデータはそれを断片的に切り取ったものに過ぎないのです。ビジネスという流動性の高い環境においてはその変化の推移を捉えて傾向を掴み、PDCAサイクルを回すことが求められます。それらを実践するところまでが本当の「データの利活用」と言えます。

大切なこと

上記で話した重要ポイント”継続性”に着目した際に大切になることは下記の3点です。

①毎回なるべく同じ条件で検証すること
②毎回必ず同じフォーマットで検証すること
③検証するための観点(項目)はできるだけ明確にし、絞ること

③は少し意外に思われた方もいらっしゃるかもしれません。進んだIT企業やできるコンサルタントは多くの項目の相関性から分析してプレゼンしているイメージが強いからだと思います。なぜなら、その方が多角的な視点から分析されている気がして説得力が増すからです。

ですが、ここの記事でみなさんが求めているのはもっともらしそうな説得力ではなく、実際に事業にデータを利活用する方法と想定し、③を書かせて頂きました。(①と②はどんな場面でも基本となります。)

これら3つの”大切なこと”を念頭におきながら、いよいよデータの利活用を進めていきましょう。

作業手順について

データを利活用するための作業手順をご紹介します。

<作業手順>
1.検証する観点とその仮説を考える
2.データフォーマットを統一する
3.値の変化や遷移を視覚化する
4.仮説が実証されるか別の気付きがあるまで1.~3.を繰り返し行う           

1.検証する観点とその仮説を考える
目標を達成するための方法を見つけるために、目の前のデータ達を見渡して何を検証しようかと考えてみて下さい。と言っても、経験がないとあまりピンとくるものが無いことがほとんどですので、参考に利活用価値が高いデータ項目の例をあげたいと思います。

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【ご参考】利活用の価値が高いデータ(項目)の例
・顧客の属性(年代・性別・家族構成・地域・収入レベル等)
・自社製品・サービスの購入履歴
・製品・セミナー・サービス等に対する満足度(アンケート結果等)
・Web上での行動履歴(ページ読了率・離脱率・回遊時間等)
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そして大切なのは、ここで仮説まで立てることです。決して仮説に沿った結果が出ることを期待して仮説を立てるわけではありません。次の2.のフェーズで活かせる”データが抱える課題点”を見つけるためにはこの仮説を立てる作業が必要なのです。最終的に思い描いた仮説と違う結果になったとしても、それは新たな気づきを得られたことになるので全く問題ありません。(「データが抱える課題点」が思い当たらない方はぜひ前編の最終章をお読み下さい。)

2.データフォーマットを統一する
1.で得た”データが抱える課題点”は多種多様なものだと思います。例えば「女性かつ収入レベルが年収◯◯円以上の属性の顧客の動きを見たいが、年齢層が上がると該当者が増えすぎる。年齢はアンケートでしか集計していないので別のデータに記録されている」「ある顧客の製品の購入状況を把握したいのに、製品によって表記の単位が違っており、ml(ミリリットル)表記とl(リットル)表記では推移が比較できない」

このような課題に気づくことはとても重要です。なぜならエクセルでは関数を使うことができ、課題にさえ気づくことができれば他のデータから値を引用したり、表記ズレを修正して表示することが可能だからです。

ですが、ここで重要になるのは最初にお話した”継続性”を意識することです。1つのデータを参照するだけであれば手作業で全ての単位を揃えれば問題ないのですが、継続的に同じ条件でデータを見るにはデータのフォーマットを何度でも簡単に統一できる仕組みづくりが重要なのです。エクセル関数を用いるもよし、マクロやRPAが書けるのであればそれもよしです。とにかく仕組みづくりをすることが大切です。

※弊社サービスの「Masstery」では一発変換で理想のフォーマットにデータ整備が可能なサービスです。お客様にご用意頂くのはエクセルファイル(データ)だけですので、誰でも手軽にご利用が可能です。もしマクロやRPAに苦手意識のある方は、Massteryのお試しもぜひご検討下さい。

3.値の変化や遷移を視覚化する 
この第3のフェーズが一番難しいと思われている方もいらっしゃいますが、実は1.でデータの課題を発見し、2.でしっかりとフォーマット統一ができていれば変化を視覚化することはとても簡単です。エクセルには誰でも使えるグラフ生成機能がいっぱいです。視覚化したいデータの列を選択して、「挿入」タブから「おすすめグラフ」を選んで頂くだけでも視覚化の方法のアイディアは十分に得られます。

図1

4.仮説が実証されるか別の気付きがあるまで1.~3.を繰り返し行う 
1.~3.を繰り返し行うと自分が立てた仮説が合っていたのか、そうとは言えないのかが多角的な視点で見極められます。中には、全く別の視点で自社や自社製品の弱み・強みを見いだせることもあるかもしれません。その場合は1.~3.を繰り返して、今度はその観点で検証することに特化したフォーマットに作り変えて検証することをおすすめします。

もし2.でMassteryを活用して頂ければ、現在登録されている変換条件がひと目で分かるので、どの条件を変更すればより新たな観点に特化したフォーマットにできるのかが一目瞭然です。また、1.~3.を繰り返す際に、毎回データを抽出しなくても変換後のプレビューを表示できることも作業量の圧縮に繋がります。

Massteryの簡単な使い方はこちらでご紹介させて下さい。


最後に

今回は、前半・後半の2回に分けてデータの利活用についてお話させて頂きました。Massteryの良さもお伝えしたく、いくつかの特徴もご紹介しましたが、まずはエクセルを使って1.~3.の作業を繰り返すことから試してみて下さい。必ずや、既にあなたが持っている”名もなきデータ”にビジネスを活性化させるヒントが眠っていることに気がつけるはずです。

私達がご提供している製品「Masstery(マスタリー)」は、
多くの人手が必要だったデータ整備を自動化する画期的なデータクレンジングツールです。フォーマットの統一、カテゴリーの自動分類、独自の変換、差分情報の取得等、データ整備に必要なあらゆる機能をご提供しています。
Masstery 公式サイト:https://mstr.forcia.com/(データクレンジング) 
フォルシア株式会社 企業サイト:https://www.forcia.com/ (高速検索)
【展示会への出展のお知らせ】
2021年11月10日(水)~11月13日(土)の4日間、16thメッセナゴヤ2021展示会にMassteryが出展予定です!実際の操作イメージを掴んで頂ける動画を投影し、詳細な製品説明をMasstery部のメンバーからさせて頂きます。ご興味を持って下さった方はぜひこの機会にお立ち寄り下さい。※11/1(月)~11/19(金)は場所に制約されることなくアクセスできるオンライン展示会にも出展中です。お気軽にご連絡下さい。

よろしければ、こちらの記事もぜひお読み下さい。


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