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漢字の大切さを語るイタリア人

こんにちは、日伊通訳マッシ(@massi3112

イタリアにない漢字文化を初めて大学で勉強し始めた時にカルチャーショックを受けた。ひらがなとカタカナは覚えれば使えるようになるけど、漢字は勉強すればするほど分からないことが出てくる。
漢字というのは書き順、読み方、意味を考えると勉強の大変さは3倍以上になる。日本人は幼い頃から勉強するから身に付けやすいし慣れも早い。勉強のやり方も染みつく。僕の場合は高校卒業して大学1年生の時から勉強し始めて脳みそが大人になった状態からのスタート。あれからもうすぐ20年が経って漢字の深さを自然に分かってきた。

漢字の一番面倒な部分は「書き順」。必要なのかどうか?結果的に書ければ問題ないでしょ?と思われがちだけど実はルールを守るという練習が出来る。さらに「止め・はね・はらい」という細かい部分から漢字を上手に使いこなせるようになり書きやすくなる。とにかく書き順を覚えることで漢字が語るストーリーも分かってくる。そうすると覚えやすくなって楽しさも増える。
漢字の素晴らしいところは、「習字」で小学生から習う当たり前のことを極めると芸術という違う形になるところ。「書道」は中々ない漢字文化の一つだ。

外国人としていつも驚くのは、会話中に出てくる言葉のバリエーション。分かりやすく言うと会話の途中から入ったら、言葉は発音を聞いただけでは意味がたくさんあり過ぎて分からない。例えば以下の言葉は前後の文脈なしで聞くと、なんの意味を言いたいか分かるだろうか?

「せいり」
正理、生理、性理、政理、勢利、整理

書き言葉として一部だけ見ればわかるけど、話し言葉としては全ての会話の内容を聞いてからではないと想像がつかない場合がある。

現代の問題はとして、手で書く機会が減ってると感じるから非常に勿体無い。漢字を覚える最大の近道は書くこと。ニュアンスや使い方も上手くなる。やっていくうちに自分なりのいい使い方も覚えてきて効率が上がるし努力するクセが身に付く。言語の習得と漢字の習得はある意味似てるんじゃないかなと。

Massi




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