ないものなだり(留学を通して感じた日本の良さ)

わたしは今年でオーストラリアの大学に留学に来て3年目を迎えたが、オーストラリアに来て気づいたことがある。
それは、自分にとって
"日本が1番良い国" だという事。

これについてはこっちにきて3ヶ月程でとっくに気づいてしまっていたが、最初はただホームシックとカルチャーショックのせいだと思っていた。

しかしながら、渡豪3年目を迎えた現在でも、未だにこの気持ちは変わらない。

確かに近年、日本の生活に嫌気が差して、オーストラリアなどへの移住や出稼ぎに来る人が増えているのは事実で、オーストラリアにも、もちろんたくさんの魅力があるのは知っている。

例えば、自然の多さ、人との距離の近さ、平均の給料が日本より高い、仕事への良い意味での適当さ(プライベートの時間優先)

具体的には、
オーストラリアでは祝日になると地域にもよるが、ほとんどの街であらゆるお店がとにかく休みになる。
スーパーであろうとコンビニであろうとだ。

それぐらい従業者の休みを大切にしているのだ、
というよりも「別に1日ぐらい休んでも困らないでしょ?」
というようなマインドの方が強い気がする。

また、平日であっても大体の店は17時に閉まる。

しかもカフェに至っては、基本的に15時には閉まる。
おそらく誰も夕方から夜にかけてカフェインを取る必要がないのだと思う。(皆定時帰りだから)

また、わたしは現在オーストラリアの大学に通っており、その一年前diplomaで勉強していた時の話だが、

ある日学校に行くと、ある教科の担当の先生が2週間家族で海外旅行に行くので休みだと知らされた。

わたしたちはちょうどその教科の課題前で沢山質問を抱えていて、その先生に授業の際に質問をするつもりでいた。

しかし、その先生は来ず、代理の先生が私たちの教室に入ってきた。

仕方がないので、その先生に課題について質問をすると「私はその教科の本当の担当ではないから、分からない」と、一点張りされた。

そして、ダメ元で本当の担任に質問をメールで送ると「今は旅行中なので返信出来ません。」と自動応答メッセージの返信が数秒後に返ってきた。

流石にこれは皆で「おい!」と
ツッコミを入れてしまったのを覚えている。

しかし、日本だったらどうだろうか、わたしは高校まで全て、日本の公立の学校に通っていたが、「今日は〇〇先生が旅行で休みです。」なんて文言を一回も聞いたことがない。

むしろ風邪でだった一日休んだ担任の先生が翌日になってとても申し訳なさそうに教室に入ってきた事を鮮明に覚えている。

ここまでの話を聞くとオーストラリアの方が良い国だと思うが、
それは事実でオーストラリアは自由で日本のほとんどのサラリーマンのように仕事に縛られてプライベートの時間が取れないなんてことはまずあり得ない。

ではなぜ私はこんな素晴らしいオーストラリアに来て日本が1番最高な国だと思ったのかというと。

一つ目に食べ物の美味しさ。
オーストラリアの食べ物は高い上に、特に美味しくもない、一方日本は安くて美味しい。

二つ目は友達や家族が日本にいること。

二つ目で勘がいい方はお気づきだろうが、私にとって日本は故郷であり、それはこの先どの国に行ってもその事実は変わることはない。

というのもわたしが日本に居る時早くこんな国から脱出して、早くオーストラリアに行きたいとウズウズしていた。

しかし、いざオーストラリアに来てから
ふとした瞬間に地元のスーパーや公園など当時はその景色が当たり前すぎて何にも思い入れの無い物ばかりが走馬灯のようにわたしの前に現れる。

そしてその景色と共に友達や家族との思い出が蘇る。

最初はホームシックだからかなと思っていたが、オーストラリアに来て3年目になろうとしている今日までこの現象はわたしを定期的に襲ってくる、そして無意識に涙まで出てしまうぐらいわたしを苦しめていた。

そしてとうとう自分の本当の気持ちに気づいてしまった、
「わたしは日本に帰りたい」のだと。

側からオーストラリアと日本を比べたら、オーストラリアの方が(給料も良く、自然も沢山、人との距離が近い)住みやすいと思う人の方が多いと思うが、
わたしにとって住みやすい国とは自分の生まれ故郷であり、昔から自分を知っている友達、そして家族がいる所だという事を知った。

だからわたしは近年よくある住みやすい国や街ランキングなんてものは好みじゃない。

だって住みやすいかどうかを測る指標なんて人それぞれで良いのではないか?

だから私にとっての贅沢はまさに
"人間にとって最大の贅沢とは、人間関係における贅沢のことである"
に尽きる。

だから日本に帰ってわたしは早くオーストラリアでできた思い出を仲間たちに話したい、
そして皆が今何気なく家族や友達と過ごせているこの時間がどれだけ有限で幸せなことかを伝えたい。

そして、自分が将来家族を持った時にもそれを伝えたい。

そしてこれからも日本が好きだと自分が思い続けられるように、
そしてやっぱりオーストラリアの方が良かったなんて日本に帰って思ったりしないように
これからどう生きていくべきかを考えている、今日この頃である。






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