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けだるき一日生きるだけ

サンキュハザード


短いものならば「トマト」「新聞紙」という単語や「うなぎなう」という短文。

長いものならば「世の中ね顔かお金かなのよ」「内科では薬のリスクはでかいな」「アニマルマニア」「関係ないケンカ」「ママが私にしたワガママ」「けだるき一日生きるだけ」「稲妻はまず無い」「禁煙だんだん延期」などというフレーズを聞いたことがあるだろうか。


これらは全て回分と呼ばれるものだ。名前の通り、頭から読んでも、後ろから読んでも同じとなる。

トマトや新聞紙程度ならば、簡単に見つけられそうな気もするが、長いものになると、一日中、いや年中考えなければ浮かんではこないだろう。長くなればなるほど意味を通すのが難しくなる。



日本語の回文が多くあるのは、ヨーロッパ言語等と比べて、語順に自由度があるからだ。

日本語は主語を明示しないことや、てにをはの存在により、主語や目的語がどこにあっても成り立つという特性がある。つまり、主語や目的語がどこに配置されても意味はあまり変わらない。よって、回文が比較的作りやすい。


他の言語、例えば、英語にも回文はあり、Palindrome(パリンドローム)と言われる。しかし、あまり回文には向いていない言語だ。

英語の回文を考える時に日本語と違う点が主に3つある。

1 母音と子音の結びつきは解体される
2 単語の境目は無視して組み直される
3 カンマやセミコロンは無視して組み直される(文章では使用される)


例文としては以下のようなものがある。

Panda had a nap(パンダが居眠りしてた)
Borrow or rob?(借りようかそれとも盗んじゃおうか)
No lemon, No melon(レモンなくしてメロンなし)
Was it a rat I saw?(私が見たのはネズミでしょうか?)
Rats live on no evil star.(ネズミは邪悪ではない星に住む)



英語は日本語のように規則的に母音が配置されておらず、アルファベット単位での回文になってしまう。例えばhappyを逆にするとyppahとなるが、yの次にppが並ぶ事はまずない。このような不都合が英語では多発してしまうので長い回文は作りにくい。

単語ごとに区切られる綺麗な回文としてはFall leaves as soon as leaves fall.(葉っぱが落ちると秋が終わる)くらいしかないらしい。



話は日本語に戻るが、回文の作り方はいくつかある。基本は言葉を反転させて意味が通じるモノを多く挙げてから繋げる方法だ。「ガケ→ケガ 」「クルマ→丸く」など。

他のテクニックでは言葉の分解だ。「会いたい」→「あ、痛い」としたり、反転させた言葉を付けてそのダブった言葉を消して作る方法があり、「ニワトリリトワニ 」を「ニワトリ永遠に」とする方法などがある。


このように言葉遊びは奥が深くておもしろい。様々な言語に触れることで、母語や他の言語の特徴を知ることもできる。言葉遊びで勉強ができるなら一石二鳥だ。


目指せ、回分マスター。


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