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流れよ我が納豆菌と3Dプリンターは言った

以前、3Dプリンターを使って納豆を発酵させた。
納豆菌を知るためだったが、どうもまだ納豆菌と分かりあえた気がしない。
そこで次は納豆菌をプリントしてみた。


納豆菌は240℃の灼熱に耐えられるのか?

沸騰したお湯に藁を付けて雑菌を殺し、納豆の発酵に用いるというのが一般的な納豆製法の一つだ。つまり、100℃の熱には耐えることができる。


では、3Dプリンターの印刷温度240℃に耐えられるのだろうか。
試してみた。


①準備

・市販の納豆から数粒を選び出し水に溶かす
・できた「納豆水」を3Dプリンターのフィラメント(造形に使う樹脂)に塗布する

コンポ 1_00000
フィラメント(PETG)

これを240℃で溶かしてプリントする。

コンポ 2_00000
なんだろうこれ…

納豆のネバネバを溶かした水を塗布する。
この作業が最も意味不明だった。


②プリント

・適当な器をモデリングしてプリントする。
このとき納豆菌の付着したフィラメントは240℃の熱で一度溶かされる

コンポ 1a_00000
プリント結果

てのひらに乗るサイズだが15mのフィラメントを消費する。
つまり、15mも納豆菌を塗布した。
私はいったい何者なのだろうか、
何をしているのだろうか。


③発酵させる

・作った器に煮豆をつめる
・3Dプリンタのヒートベッドに乗せて40℃で24時間放置する

コンポ 1b_00000
24時間後、取り出してみると…

以前作った時は24時間もたてば部屋に納豆の香りが充満し始めていた。
しかし、今回は匂いがしない。


やはり240℃には耐えられなかったか…。
そう思って断熱材をどけて顔を近づけてみた。


コンポ 1c_00000
ねばー

発酵している!
箸でぐるぐるかき混ぜると糸を引いた


④食べる

ぐるぐるとかきまぜて匂いを嗅いでみる。納豆だ!

でも、なんだか市販納豆より匂いが強いというか、嫌な感じの匂いがする。

口に入れるとその匂いがワッと広がる。確かに納豆だ。でも風味が悪い。
初めて食べる納豆がこの納豆だったら、納豆嫌いになりそうだ。

食べた後には、達成感と嫌な納豆の匂い、そして魔法の納豆製造機となった器が残った。


まとめ

納豆菌にも種類があるらしい。もしかすると、香りの良い納豆菌は240℃の熱に耐えられず死滅してしまったのかもしれない。

あるいは、納豆菌以外の「何か」も発酵していたのかもしれない。

何はともあれ、納豆菌は240℃の熱に耐え、3Dプリンターでプリント可能であることが判明した。
納豆菌はかなり熱に強い。きっと地球が人類の生息に適さなくなって、あらゆる生物が絶滅する未来でも、納豆菌ならやっていけるだろう。



心配だったが、翌日腹を壊すことはなかった。

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