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3Dプリンタ(のヒーター)で納豆をMakeする

何かを理解しようとするときに最も良い方法は、実際に作ってみること/やってみることだと思っている。

軽くググってみたが3Dプリンタで納豆を作ったという話は見つけられなかったので、ここに記録しておく。

きっかけ
ノンフィクション作家の高野秀行氏の謎の納豆シリーズ(と勝手に呼んでいる)を読んだ。

南の産まれなこともあり、私は納豆にそれほど思い入れもなかった。
しかし、謎の納豆シリーズで解き明かされる納豆文化の世界観は知的好奇心をばりばり刺激した。

本を読んだだけで知った気になるのではなく、実際に自分で作ってみるべきではないか。
それに一応モノづくりを仕事にしているので、やっぱり実際に作ったやつが一番偉いよな、という感覚もありトライしてみることにした。

作ってみる

準備するもの
・積層型の3Dプリンタ(ヒートベッドがついてるもの)
・煮豆(イオンで売ってた)
・市販の納豆(納豆菌採取用)
・部屋が納豆臭くなる覚悟

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3Dプリンタ(Ender-5 Pro)

今回使ったのは3Dプリンタのヒートベッドの部分。
一定の温度を保つ機能があるので納豆作りには最適である。
本来は溶かした樹脂を冷えないようにしながら積み上げていくためのもの。

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煮豆

できれば煮る所から作りたかったが、これしか売ってなかった。
よく考えたら生の大豆ってスーパーで見たことない気がする。

①準備
まず、買ってきた煮豆を適当な皿に小分けする。
市販の納豆は1パックだいたい40グラム程なので、今回は100グラムの煮豆を2つの皿に分けた。

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それっぽい

ここに市販の納豆から納豆菌を採ってきて混ぜ込む。

試しに片方は市販納豆一粒を混ぜ込んだもの、もう片方は市販納豆のネバネバを水に溶いてまんべんなく振りかけてみたが、どちらも成功した。

②発酵
ヒートベッドに皿を乗せ、保温のためにタオルをたくさんかぶせる。
納豆菌はだいたい40℃くらいで発酵するらしい。
冬だったのでヒートベッドの設定はちょっと高めの44℃にしてみた。

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納豆発酵機となった私の3Dプリンタ

1.5日程度経過したところで一粒食べてみたが、若干硬さというか「豆感」が強い気がしたので、そこからさらに一日発行させた。

③完成!
発酵させて2.5日程度たった。

仕事から帰って部屋に入ると、うっすらと納豆のにおいがする。
発酵の証拠だ。
彼氏彼女を部屋に招くときは注意した方がよさそうだが、幸い私には関係ない。

満を持して煮豆たちを取り出し、箸でグルグルと混ぜてみる。
箸を上げるとすっと糸を引いた。

コンポ 1_00000
ねばー

なんだか見た目が市販の納豆よりテカテカしている。
煮豆を皿に移すときにもっと水気を取った方が良かったかもしれない。
それとも発酵の具合によるものだろうか。

たれもかけずそのまま食べてみる。
確かに納豆だった。
まだ暖かいからか納豆の香りが少しだけ強いようにも感じる。

コンポ 2_00000
怪しげな自作納豆を前に緊張する市販納豆(左)

冷蔵庫で冷やして食べてみたところ市販納豆と全く遜色ない味だった。

まとめ

3Dプリンタ(のヒーター)を使うと簡単に納豆を自作することができた。
簡単すぎて、納豆への理解が進んだ気もしないがおいしかったので良しとする。

今回は納豆菌を市販納豆からとってきたが、納豆菌の正式名は枯草菌だ。
その名の通り、その辺の葉っぱなんかにもいるらしく、納豆作りのきっかけとなった高野秀行氏も葉っぱから納豆を作ることに成功している。
次は納豆菌を見つけ出すところからやって見るべきかもしれない。

以上、3Dプリンタ(のヒーター)を使うと納豆が簡単に作れるよ、という話でした。皆さんもぜひ作ってみてください。



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