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夢占い

私が運転する車の前を、コミュニティバスが走っている。バスは急に右へ左へ揺れ始め、徐々にふれ幅が大きくなっていった。大きく蛇行したバスが横転した。
すべてのガラスが割れて、私は急ブレーキを踏み、車から降りて、バスの乗客の様子を見て救急車を呼んだ。

目が覚めた。

私は自宅の布団の中にいた。

記憶に残る夢を見たときは、枕元のスマホで夢占いを検索することにしている。見えない何かが私へのメッセージを送ってくれていると感じるからだ。

『夢占い バス 事故』 検索

夢に出てくるバスは、悪い意味を持つようで、バス事故は人間関係のトラブルに巻き込まれることを暗示していると出た。

嫌な結果を見たときは、検索したことを後悔する。その日の午後から次の日にかけて、大きなイベントを控えていて、とても不安になってきた。しかし、唯一の救いは、私がバスに乗っていなかったという点で、バスは規則正しい運行経路と時刻表なので、日頃の日常を表している。私はバス事故を外から見ていたので、自分の日常を表しているわけではないと無理やり解釈して、イベント準備に出掛けた。

準備は順調に進み、1日を終えた。やっぱり私の日常を壊すものではなかったと安堵し、疲れて自宅に戻ると、電気温水器が故障していた……。

人間関係ではないが、悪い暗示はこの事だったか。疲れた体を湯船に沈めることが出来なくなり、実家を頼り、風呂をいただくことになった。

風呂から上がり、悪い暗示もこんなものですんだのでまぁいいか。でも、夢占いも満更じゃないなと思い、冷蔵庫から牛乳を出し飲んでいると、母が話しかけてきた。

「今朝、A君が亡くなったんだよ」

A君とは、幼い頃数回会ったことがある親戚で、確かまだ40歳くらいじゃなかっただろうか。死因は自殺だった。引きこもりでもなく、家で伏せているわけではなく、何が原因なのか誰にもわからないとのことだった。

夢の暗示に恐ろしくなった。

霊や超常現象は信じるほうではないが、今日だけは、波長か波動か微粒子の動きか、何かが人の感覚に働きかけていると実感した。


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