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LTVシミュレーションの概念

このLTVに関する試算は事業の特性によっては単一ではないと思いますが、非常にシンプルにLTV=顧客1人あたりの事業売上を算出するための概念を
いつものように図示しました。
顧客が商品やサービスを購入する場合に、いくつかのジャンルが存在して、
図示した以外のものもあると思いますが、考え方しては基幹の商売に対して顧客の購入回数×客単価からLTVを割り出すというものです。
付帯サービスや他ブランドなどの購入については、1人の顧客をデータで追うことが可能であれば、精緻なLTVが算出できます。

もう一つの考え方としての顧客獲得コスト

例えば、ある事業における顧客のLTV(もしくは年間客単価)が10万円だと
して、商品1回あたり1万円×10回が年単価とします。
その際の商品購入に関わる獲得コストがいくらであれば事業として黒字として判断すれば良いのか?という重要な判断があるかと思います。当たり前ですが、

利益=売上ーコスト

このコストを分解することで、LTVの本質的な重要性が見えてくるかと思います。

① 顧客獲得に掛かるコスト:宣伝費や販促費など
② 出店手数料:アマゾンや楽天の場合の利用料
商品原価:自社製造か外注かによっても異なります
物流・倉庫費/配送費:1個あたりに換算した場合の諸々の費用
決済手数料:カードやAmazon Payなどのキャッシュレスに掛かる手数料
⑥ その他:人件費やシステム手数料など

ここではLTVが年間での売上と規定しているので、①~⑥のコストも同様に
年間に掛かる費用を年間の販売個数で割ると…だいたいは、ここで3分クッキングの様にショートカットするのが、セオリーですが、私はあえてここで、答えまでのプロセスを計算式を入れてシェア致します(というのを、価値提供として "皆で研鑽" をポリシーに考える様になりました)

実際にどういう計算で赤黒を見極めるか?

① 顧客獲得に掛かるコスト:1人当たり 約2万かかったとします
② 出店手数料:月5万(年間60万)
③ 商品原価:自社開発で1個生産あたり約1,000円
④ 物流・倉庫費/配送費:1個 約200円の物流費、600円の配送費だとします
⑤ 決済手数料:1回あたり売上の3.5%だとします
⑥ その他:人件費やシステム費を売上の10%だとします

上記の数値は、何となく (ここでの議論でそこを精緻にあえてしていません) の数字です。それを前提に、これからをご覧ください。

上記①~⑥の内で、②が個当たりにならないので、便宜上、事業全体で月に1,000個売れるとして、②を個当たり50,000÷1,000=50円とします。

そうすると、①~⑥を年間コストにしてみると以下の通りとなります。

① 顧客獲得に掛かるコスト:20,000円(獲得コストは1回だけなので)
② 出店手数料:50円/月×12=600円
③ 商品原価:1,000円/個×10個=10,000円
④ 物流・倉庫費/配送費:200円/個+600円/個=800円×10回=8,000円
⑤ 決済手数料:10,000円/回×10回×3.5%=3,500円
⑥ その他:10,000円/回×10回×10%=10,000円

①~⑥の合計=52,100円

利益 47,900円/人=100,000円/人-52,100円/人となり営業利益率が47%という驚異的な数字が出ます(冒頭、適当な数字ですと言ったのはこのためです)

広告販促費がLTVの20%であることの意味

今回のようなシミュレーショにおいて、2つの重要な観点があります。それは、広告販促費がLTVの20%に収まっている事。その他のコストもLTVに対して約30%程度であることです。

それは、LTVを考えることで、新規獲得における広告販促費に充当できる割合が高くできますが、現実はそう簡単ではありませんので、相応の費用を投じることになります。一方で、新規に掛けられるのであれば、本来であればLTVを伸ばすための "顧客還元" です。
わたしは、CRM=教育ということを提唱して参りました。この教育というのは、顧客の初期段階において、正しい導きとそのアクションによって顧客が満足に足る行動を自らが促すための概念です。
さて、長く事業への売上貢献をしてくれた顧客に対しては、今度は "還元" という循環が必要であると認識します。

還元とは、感謝の気持ち+他よりも優遇する何か

テレビショッピングで聞き馴染みの「還元」という言葉。還元祭っていうことで、特定商品のそのタイミングで割引アップを提唱しますが、ここで謳う還元とは異なります。これは、セールにすぎません。

長くなりましたので、次号では優遇とはシークレットであり、他には分からない「3ダケ」理論とそれが、なぜくすぐるのかをまとめていきたいと思います。本日は、これまで以上に長いコラムでした。最後までお付き合い頂きありがとうございます。

なお、今後、「皆で研鑽マーケター大学」の立上げをしようと思っています。マーケターの定義は、職種ではありません。年齢も出自も問いません。ご興味を持って頂きましたら告知致しますので、良かったらフォローして頂けましたら幸いです。




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