#9.「よくやった」と自分を褒めてやれる人間になれ [2020/07/01]
小話
七月になりましたねぇ。福岡では涼しい風が吹いておりましてとても過ごしやすい気温の中、窓から四角に切り取られた景色を横目にカタカタとキーボードをたたいております。みなさんはいかがお過ごしでしょうかね、コロナの外出自粛も少しずつ柔らかなものになって来ましたがどこかいかれましたか?夏の思い出までコロナ禍に負けませんよう、良い夏を過ごせますことを願っております。
私以前は塾で講師をしていたのですが、その頃悩める受験生からいろんな相談を寄せられました。受験生の抱える悩みとはとても大きなもので彼ら彼女らにとっては今後の人生を左右するようなものです。抱えるに余った悩みのカケラを私に吐露することで多少なりとも心にゆとりが持てることもあったのでしょうか。そうであったのならよいな、と思います。
今日はその悩みの中でも記憶に残っているものがあります。
「どこまで頑張ればよいのか分からない。やればやるほどに焦り、不安で仕方がない。」
当時の私はあまり頑張らずにいける大学へと進んだものですから大した回答はできなかったように思います。
「大丈夫毎日やれば結果は必ずでるから。」
などと嘯いて、親身になってやることが出来なかったかもしれない。
それを今となって思い出したのは今私がその受験生と同じ悩みを抱える立場となったからなんですね。毎日それなりに時間をかけて勉強をしているがやれるだけのことをやっているのか分からない。まだまだやらなければいけないことがあるのではないかと思い悩む。あれもこれもと考えるうちに一つのことに集中できなくなって余計に勉強が捗らない。不安や焦りが積もり積もって夜も眠れない。うーん、深刻ですよね。
これだけの辛い思いを打ち明けようとしてくれた彼女に真剣に答えてあげられなかったことが悔やまれます。
そんな悩める受験生は毎年現れます。受験生に限らずなにか勉強をしている方には同様の悩みを抱えている方は少なからずいることでしょう。
私も同じ立場になって初めて真剣に悩んで、簡単な解決法を考えました。今回は「頑張っても頑張っても焦りや不安がぬぐえない時どうすればよいのか」について話していきます。きっとこれは、人生全てに通用する考え方となると思います。
時間がない方はまとめだけ見てね!
不安や焦りが生まれるのはゴールが見えないから
みなさん今回のコロナ感染、不安でしたよね。私も不安でした。毎日テレビで公表される感染者数は日に日に増加して、少し収まったかと思えば私の住む地域は第二波を引き起こし収束する気配がありませんでした。
コロナに対して不安を感じたのは、コロナが完全に収束するのがいつなのか分からないからですよね。ワクチンが完成すれば、感染者数の経緯が目減りしていけば、コロナ対策成功国のモデルが分かればコロナは収束へ向かい不安はぬぐえます。そう、終わりが見えないから不安は生まれてしまうんです。では、終わりを作ってやればいい。
勉強に話を戻しますね。あなたのゴールはどこでしょうか。受験生でしたら大学合格、資格等の勉強をしている方は資格取得がゴールでしょう。一度自分のゴールがなんなのかを明確にしてみてください。頭で考えるよりも紙などに文字として書いた方が意識は強まりますよ。
次に、そのゴールを達成するために具体的になにが求められるのかを考えてみましょう。大学合格でしたら受験年の合格最低点を超えること、資格でしたら基準点数や基準割合以上の得点をすることですね。あなたの場合はなんでしょう、出来るだけ具体的に書いてみて下さいね。
次にやることは少し大変ですが一緒にやってみましょう。
その具体的な達成ラインを超えるのに最低限必要な求められる能力を考えてみて下さい。抽象的な説明だと少しわかりづらいですね。例を挙げます。
大学受験の場合
目標:大学合格
目標達成には:合格最低点を超える
求められる能力:例年の合格最低点を超えるだけの点数を志望大学の模試で出せる
資格勉強の場合
目標:資格取得
目標達成には:試験合格水準を超える
求められる能力:取得したい資格の模試で水準を越えられる
文字にしてみるとどうでしょう。実際はそんなに難しいことではないですよね?しかし、勉強が苦手な方には求められる能力を把握していない方が多いです。それが「どれだけ頑張ればよいのか分からない」原因となって勉強が捗らなくなってしまうことが良くあります。
そんな「頑張りすぎてしまう」あるいは、「頑張っても頑張っても自分を認めてあげられない」あなたに、今からとても大事なことを2つ伝えます。
一つは、 「あなたには限界があるということ」
もう一つは、「時間は無限ではないということ」
あなたには限界があるということ
この言葉をそのまま鵜呑みにされると馬鹿にしているように感じるかもしれません。ちがいますよ。ここでいう限界とは「あなた」だけでなく「人間」そのものの限界のことです。人間は無限の可能性を秘めていますし、それはあなたも同じです、無限の可能性を秘めていてなんにだってなれます。私は才能という言葉が嫌いです。努力を否定する言葉として度々使われるからです。あなたは無限の可能性を秘めているんです、努力すればなんにだってなれます。すごくないですか?努力をするほど目の前に無限の道が開けるんです。私のワクワクがあなたにも届いていると良いのですが……。
話を戻しますが、そんな無限の可能性を秘めたあなたにも限界があるのです。体力の限界。記憶力の限界。人生の限界。
あなたは人間だからこそこれらの限界があるのです。
あなたはずっと勉強し続ければ当然疲れます。
ロボットではありませんから。これが体力の限界。
あなたはなんでもかんでも覚えておくことは出来ません。
古今東西ありとあらゆる書物を詰め込んだ書庫ではありませんから。これが記憶力の限界。
あなたはいつか死にます。
不老不死の薬がAmazonでタイムセールされている時代ではありませんから。これが人生の限界。
これらの人間としての限界をしっかり把握したうえで勉強することが大事なのです。よいですか?
勉強をすれば疲れます。しっかり休んでください。寝不足の脳はアルコールを摂取した酩酊状態と近いと言われています。酒を飲んで頭が働きますか?
全ての範囲を完全に覚えることはできません。あなたが解けなくて嘆いているその難問は本当に必要ですか?もっと簡単に覚えられて点数を稼げるところはありませんか?
あなたの人生には限りがあります。その勉強は本当にあなたが取り組むべきことですか?他にやりたかったことは?優先順位を正しく判断できていますか?迷いがあると目の前のことに集中は決してできません。
あなたは「あなたの体力、記憶力、人生という制約の中で努力したならば」十分すぎるほどに偉いのです。しかも体力も記憶力も人生もそれほど個体差は大きくありません。記憶力だってちゃんと限界があるのですよ。
同時に考えられる事柄は5~7個と言われています。
それ以上のことは無理に詰め込んでもロケット鉛筆のように溢れてしまいます。たくさんの事を詰め込むよりもいくつかの事柄をなんども復習してしっかり覚えておくことを念頭に入れましょう。
これを踏まえたうえで、もう一度目標と向き合ってみて下さい。
しっかりと向き合えましたか?肩の力が入りすぎてはいませんでしたか?
大丈夫です。あなたがいつも見上げている賢い人たちは元から賢いのではありません。「効率の良い勉強の仕方を知っている人」なのです。
彼らと比較してどうこうではなく、自分が求められる能力を得るための正しい勉強が出来ているかを基準に自分を褒めてあげて下さいね。
人間は頭でっかちですから結構な頻度で思考に頭を支配されます。自分はダメだと思い悩むことは次第にあなたの全てを支配し、心まで落ち込んでしまいます。生きよ、そなたは美しい。
時間には限界があるということ
こちらは人間の限界よりもわかりやすいと思いますのでサクッと行きましょう。
一日は24時間、これはみんな同じですね。ビル・ゲイツだってスティーブ・ジョブズだって同じ24時間です。どれだけのお金持ちでも賢いとされる人でもおんなじだけの量、あとはこれをどれだけ自分の目標達成のために有効に使えるかです。
試験までの日数や締め切りまでの日数もみんな同じです。出だしが遅れても焦ることはありません。必要なだけの努力を続けて、ゴールできればよいのですから。焦って闇雲に勉強をすると必ずどこかで混乱します。難しくて解けないもうだめだ。全然時間が足りない終わりだ。大丈夫です、どれくらいの難易度の問題を解けるようになればいいのかの目安と、どうやって勉強すればその難易度を解けるようになれるか計画を立てましょう。切り捨てられるところを切り捨てましょう。難しすぎる問題は解ければ嬉しいですが、簡単に点の取れる問題がまだ残っているうちに手を出すのは賢明とは言えません。私の分かりづらいこの文章を理解できているあなたならどこを切り捨てるべきなのか判断するのは簡単です。私を切り捨てるのは、寂しいです。
ここまでよいですか?
この前の項目では「人間には限界がある」という話をしました。
「あなた」にも「わたし」にも「コンビニ前でたむろしているあんちゃん」にも限界があります。これを読んでいるあなたはまさかコンビニ前でたむろしながら読んでいるわけではないでしょう。だとしたらこんにちは。熱中症には気をつけて。
そしてこの項目では「時間には限界がある」という話をしました。
これも同様にすべての人に同じだけの限界があります。
だとすれば?みんな同じ条件のもとで戦っていることになりますよね。
そう、不安や焦りを抱えているのはあなただけではないのですよ。
でもあなたは不安や焦りが生まれる原因をもう知っていますよね。
はい、目標がしっかりと見えていないからです。
目標が分かったら何をすればいいのかも分かっていますよね。
達成条件を具体的に定めて、条件クリアに求められる能力を知る。
まだちょっとわかりづらいですかね?
簡単に言いましょう。
「試験合格のために必要な基準を知り、試験当日までにそこにたどり着けるような一日の勉強量を考え、それをクリアできれば自分を褒めてやる」
一番大事なのは、焦らず、着実に勉強を進めて、そして一日の勉強を達成出来たら迷いなく自分を褒めてやることです。自分を認めてやれる人間のほうが好感をもてますし、なによりも不安が消えます。
一日頑張ったら必要なのは不安を感じることではなく寝ること!!!これ本当に大事です!!!ネロ!!!!!
まとめ
質問
「どれだけ勉強しても頑張りが足りない気がして不安だし、焦ります」
答え
「人間の限界を知って、その制約の中で目標と目標達成までの日々の計画を立てて下さい。それを一日クリア出来る度にしっかり自分を褒めてあげて下さい。そして不安がらずに寝て。ちゃんと寝て。」
長くなりましたがこれに尽きます。
自分で「ここまでやれば頑張った」という基準をつくってください。
それをクリアできたらめちゃくちゃ褒めていいです。私も褒めます。えらい!!!
そしたらおもいっきり寝て下さい。そうしないと明日頑張れませんから。
寝て、休んで、また「頑張った」って言えるようにしてください。
誰かと毎日の目標を共有してもいいです。褒められてください。
自分はダメな奴だ、なんて思わないでください。
私に報告してくれたらめちゃくちゃ褒めてあげますよ。
めっちゃ長かったですね。笑
文字数なんと4700字overです。レポートか?
読んでくださった方、少しでも興味もってくださった方ありがとうございます。
ちなみに爪は今朝切りました。
私の地方ではほんとは「爪をつむ」っていうんですがこれって方言なのか?
それでは!
かゆ うま
日記はここで途切れている。