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英国ましロードを作る旅第4章~マンチェスターでの思い出
1 はじめに
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『英国ましロードを作るたび』、第4章へようこそ。早いもので、今回が第4章にして最終章だ。
今回は、知人と過ごしたマンチェスターでの思い出と帰路について記す。今までのスリル満点な一人旅とは違った雰囲気だが、楽しいことをたくさんした時間となった。
2 マンチェスター大学を探検
5月28日。今日はスロースタートなのをいいことに、気づいたら9時半頃まで爆睡。朝ご飯を食べ損ねてしまった。しかしそのおかげで、溜まっていた疲れを回復させることができた。
正午。知人とホテル前で待ち合わせをして、最初に向かったのはホテルから車で数分のところにあるマンチェスター大学。ここでランチを食べ、少し大学を探検することになった。日曜日であったものの、大学の中にはかなりたくさんの人がいた。卒業シーズンで写真を撮っている学生さんが多いようだ。
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さらに、この大学の中には博物館がある。この博物館は、この春リニューアルされたばかりなのもあってか、これまたお客さんがたくさんいた。真しろたちも少し博物館の中に入ってみた。
博物館にはいくつか目玉となる展示物があるが、特に恐竜の展示が有名のようだ。恐竜の展示はさわることができなかったが、近くにあるアンモナイトは触ることができた。その他、日本に関する展示物も少し置かれていた。また博物館にはショップもあり、ちょっとしたお土産も購入できる。
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自分の修行場である大学には博物館はないし、日曜日は常に静かなので、英国も大学によって全然雰囲気が違うようだ。ただ、レンガ造りの建物が多いのは共通点かもしれない。
3 知人のお家でゲームを楽しむ
15時。車で大学を離れ、知人のお家へ移動した。この日はとても暖かかったので、庭に出て休憩することに。そして、ここで真しろは、2つのゲームで遊びながら、知人のご家族と交流することにした。
3.1 チェスで遊ぼう
まず最初に遊んだのは、渡英したら絶対やってみたかったチェスだ。真しろのように色が見えない視覚障害者の場合、どんなボードゲームでもそうだが、コマの色を判別できない。また、大抵枠をさわって確認できないボードが多く、コマを正しく置くことができない。ボードゲームを使って友達を作ろうにも、プレーができないならその土俵にも立たせてもらえないのだ。そこで今回、枠がさわって分るようになっていて、色もさわって判別できるチェスを知人に購入していただき、一緒に遊んでみることにした。購入したチェスのウェブサイトはこちら。
https://www.chessbaron.co.uk/product/E2035/
ChessBaron
今回使用したチェスボードの場合、黒いコマは先端にとげが付いていて白は付いていない。また、枠は4角形で、穴が空いているので、そこにコマを指すことができる。そして、これは一般的なチェスのコマでもそうだが、キング、クイーン、ジャック、ルーク、ナイト、ビショップ、ポーンで形が違うので、あとはそれぞれのコマの動きを覚えればプレーできる。
今回真しろは、少しチェスのプレー経験のある知人に助言をもらいながら、早速プレーしてみることにした。つまり知人は、敵である真しろにルールを説明しながら勝負してくれたのだ。今回のチェスは、勝負が目的ではなく、真しろが初めてのチェスを楽しんで、ルールを理解することなのだということで遊ぶのだ。
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それぞれのコマの動きについては割愛するが、1つずつ教えていただきながら、試合を進めていく。最初のうちはコマを動かすことに精一杯だったが、自分の周りのコマがどうなっているかや、キングをうまく守るにはどうすればいいかを考えることも、少しずつできるようになってきた。もしコマの位置や自分の作戦が分らなくなったら口に出してみると整理がしやすくなる。大事なのは、犠牲を少なくすることよりも、将来的に見て、良い手がなんなのかを考えることであり、多少の犠牲はしかたがない。逆算すること、そして目的から手段を考えることの大切さを改めて考えさせられた。
約1時間後。真しろにとって初めてのチェスの試合が終了した。結果は……白いコマを使っていた真しろの勝利!
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勝敗の鍵になったのは、コマの中で1番自由に動けるクイーンの存在。そのクイーンをうまく使って、黒いコマを使っていた知人のキングを倒すことができた。初めてのチェスで、ルールを理解することで精一杯になったが、勝ち負けに関係なく楽しむことができた。日曜日の午後、暖かい日差しとそよ風の中で、紅茶を飲みながらチェスをするという最高のシチュエーションで遊べたことは、勝利できたことよりも大きな思い出だ。
3.2 『ファイナルファンタジー1』で遊ぼう
チェスの試合が終わり、室内へ移動すると、知人のお子さんがテレビゲームで遊んでいた。「FFかドラクエで遊びたいな」とつぶやいてみると、『ファイナルファンタジー1』のリメイク版で一緒に遊ぶことになった。真しろは昔からファイナルファンタジーシリーズの音楽が大好きで、RPGも好きなゲームのジャンルだったのでずっと興味があったのだ。とはいえ、真しろが普段プレーしているオーディオゲームに比べてサウンドが少なく、フルボイスでもないため、ゲーム中の音や声を楽しんだり、情報を理解したりすることはできない。そこで今回も、知人に声でガイドしてもらいながら、プロローグのシーンまでをプレーしてみた。
まず最初にキャラメークをする必要があるのだが、ここも1人ではほとんどできなかった。パソコンとつなげて音声読み上げソフトのスキャン機能を使えばある程度できるのかもしれないが、名前の入力画面や職業の入力画面の選択は、特に音が流れるわけではなかったので、知人に読み上げてもらって選択した。
次に、街を移動するときも、歩いている音がしないので、どれぐらい進んだのか把握することができなかった。街から出たかどうかなどは、音楽が切り替わるので理解できた。
そして、武器やアイテムを買うときも、実際に買い物が完了するときは音が流れるが、それ以外は選択している音が流れないので、うまく買えているか自分で判断することは難しい。
ただ、ゴブリンと戦ったりクエストに挑んだりしているときは、思ったより効果音が多く、音を楽しむことができた。
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そして、知人らのガイドなどのおかげで、なんとかオープニングまでたどり着くことができた。プロローグに流れるメインテーマが大好きだったので、このときばかりは感動してしまった。1人でファイナルファンタジーをプレーするには、いろいろとテクニックが必要だが、このようにみんなでやり方を試行錯誤しながらゲームを楽しむのも1つのプレー方法である。そしてそのおかげでお互いのことを知ったり、新たな発見ができたりすることも魅力だ。また1つ、かけがえのないゲーム体験をすることができた。クエストで得られた経験値よりもずっと大きな物かもしれない。その日は知人のお家でご飯をご馳走になり、夜遅くにホテルへ戻った。
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4 帰路
5月29日。この日も比較的スロースタートだったので、かなり遅くまでゆっくりしてしまった。とはいえ今日はチェックアウトをして、いよいよ帰路に就くことになっている。長かった英国ましロードも終わりを迎えるときが近いのだ。
知人が駅まで送ってくれるということで、ホテル前で待ち合わせをして、土曜日に降り立ったマンチェスターピカデリー駅へ。この駅は、イングランド北部の玄関口のイメージで、真しろが通ってきたチェスター、リバプールに加え、湖水地方やリーズ、シェフィールドにも行くことができるようだ。
軽食のサンドイッチとコーヒーを買って、チケットも手配していよいよマンチェスターとも、そして知人たちともお別れ。たくさんマンチェスターで楽しい思い出を作れたのも知人たちのおかげなので、大切に持って帰りたい。
マンチェスターからロンドンへは約2時間。この電車は特別面白いことなどはなかったが、車内販売が付いていたり、放送が聞きやすかったり、イメージとして、東北新幹線で仙台から東京に帰っているような気分だった。
ロンドンからは地下鉄などをを使い、いつも乗っている電車で修行場へ向かう。ロンドンから修行場のあるコルチェスターの街まで向かう電車に、日本で普段使っている電車とほぼ同じ感覚で乗れている時点で、感覚が狂ってしまっていると言ってよい。そんなこんなで16時頃に、無事に英国ましロードは完結した。英国ましロードの完結を祝福するように、この日も太陽がさんさんと輝いていた。
経験とお土産と反省と思い出でいっぱいの荷物を部屋に下ろした時、例によって旅ロスと疲れが体の全身を襲った。この瞬間は旅の中でも1番苦手な瞬間だが、同時に1番嬉しい瞬間でもある。日本ではよく体験していたが、英国でも体験できるとは……。
5 おわりに
思い立って突然始めた英国一人旅。たくさんのトラブルもあったけれど、たくさんの人に支えられ、たくさんの人に見守られ、たくさんの思い出を手に入れて、一人ではない一人旅を成功させることができた。まだまだ初心者として反省点の残る旅ではあるが、今回の旅は今後の旅行の大きな自信につながるものとなった。
さて、これで旅の本編については終わりとなるが、次回は後書きとして、旅の反省点や準備段階に気をつけたことなどをまとめたい。
それでは今日はこの辺で。Have a nice day!
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