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英国ましロードを作るたび第1章~初夏のグラスゴー

1 はじめに

今回から数回にわたり、『英国ましロードを作る旅』と題して、2023年5月24日から5月29日にかけて真しろが行った英国の一人旅について記す。第1章である今回は、24日の夜から25日にかけての体験について書く。この日は夜にロンドンへ向かい、夜行列車でグラスゴーへ向かい、グラスゴーで日帰りツアーに参加してホテルで宿泊する流れだった。いったいどんな旅になったのだろうか……。


2 夜のロンドン、そして夜行列車


旅の行程

夜8時。真しろは、修行場(大学)のあるエセックスの街を飛び出し、いつもロンドンへ向かう経路で、バスと電車を使い、ロンドンへ移動した。夜のロンドンはそれなりに人通りも多く、独特の賑わいに包まれていた。

ユーストン駅


本日乗車する夜行列車が発着する駅は、ロンドンの北の玄関口、ユーステン駅だ。ここから、Caledonian Sleeperという夜行列車に乗車する。ウェブサイトはこちら。


https://www.sleeper.scot/


この夜行列車は、ロンドンを23時45分に出発し、スコットランドの首都であるエディンバラに6時50分、スコットランド第1の都市、グラスゴーへ8時45分に到着する。イングランドとスコットランドを結ぶ列車は、4時間でロンドンとエディンバラを結ぶ列車もあるが、今回は英国の夜行列車はどんなものかと気になったので、ゆっくり走るこちらの列車を利用することにした。サムネールの画像は、発着ホームで撮影したものだ。


客室にはいくつかのグレードがあるようだが、お金もないし予約も埋まっていたので、1番安いシートを事前に予約していた。スタッフに案内されていざ車内に行ってみると、真しろの席は……本当にただの座席で、いわゆる寝台列車のように、ベッドになっていたり、寝転んだりできる感じではなかった。大丈夫なのだろうかと不安にもなったが、これも経験。楽しんでいくことにする。ちなみに、自分の座った座席の1つ上のグレードになると、突然値段が跳ね上がり、個室タイプの場所が確保できるらしい。


車内には電源も付いていて、Wi-Fiもある。また、足を少し伸ばせるスペースもある。予想よりもかなりたくさんのお客さんが乗っていて、時間のせいもあってか、みんなお酒などを飲んで楽しそうに過ごしていた。


電車は気づいたら発車していたというぐらい静かな走行音で、車内放送もなかった。真しろもしばらくはなかなか眠れなかったが、気づけばその静かな車内で眠りに落ちていた。


グラスゴー・セントラル駅

朝8時45分。電車は無事スコットランド第1の都市と言われる、グラスゴーに到着。快適な旅、とは言えなかったが、イングランドで普通に定期運行されている夜行列車に乗れたことは貴重な経験になった。日本では、定期運行されている夜行列車がほとんどなくなってしまったので、どうしても懐かしい気分になる。ちなみに、他にも英国には夜行列車があるらしいので、次の機会に挑戦してみたい。


3 グラスゴーの観光ツアー


この日は、今後の日程の兼ね合いで、グラスゴーに1日滞在する必要があった。そこで、せっかくなら観光ツアーに参加してみようということで、グラスゴー周辺を日帰りで回れるバスツアーに事前に申し込んだ。ちなみに今回はバリアフリーのツアーというわけではないので、行ってみて楽しめない可能性や、支援が行き届いていない可能性もありえる覚悟で参加した。ツアーはこちらのサイトから予約した。


https://www.viator.com/ja-JP/tours/Glasgow/Loch-Lomond-The-Trossachs-National-Park-and-Stirling-Castle-from-Glasgow/d740-6898P13


駅の外に出ると、案外日差しが強いのに驚く。実は3月にエディンバラに旅行に行ったのだが、そのときはとても寒かったので、5月下旬ともなるとこんなにも過ごしやすくなるのかと驚いた。駅からタクシーで集合場所に移動し、なんとか無事にバスに乗った。バスガイドさんは気さくな方で、たくさん話しかけてくれたので一安心だ。そして、安心したせいなのか、最初の目的地までの記憶がない。その間、バスガイドさんがずっと解説をしてくれていた、らしい。参加者はほとんどが英国在住の方々だと思われる。


最初の目的地は、グラスゴーの中心地から40分ほど車で行った、ローモンド湖という湖だ。この湖は、スコットランドのハイランド地方と呼ばれる地域にもつながっている美しい湖だ。真しろたちはここでクルージングを楽しむことに。ちなみに、ツアーの代金とは別で、15ポンドのお支払い。


バスを降りて参加者のご夫婦に声をかけてみると、快く一緒に回ってくれることになった。ちなみにこの方々はこの日のツアーの間、ずっと一緒に行動してくれた。


クルージングは大きなボートに乗って、湖を1時間近くかけて1周した。その間、クルージングのほうのガイドさんが、湖の構造や周辺の観光地について解説してくれた。


クルージングを楽しむ真しろ

そのあとはまたバスに揺られ、お土産屋さんなどが並ぶ商店街のような場所でランチをいただくことに。商店街の脇にはのどかな田園風景が広がり、大きな羊がたくさんいた。真しろたちもサンドイッチを買ってテラス席でそれを食べた。すると側で、鶏がお昼にもかかわらず大きな声で泣いた。暖かい日差しの下、落ち着く村の風景に心が洗われた。ここで僭越ながら1句。


「この国は、初夏もチキンも寝坊気味」


ランチのあとはいくつかの場所で写真を撮ったり散歩をしたりした。そして、午後ゆっくり滞在したのは、グラスゴー周辺の有名な観光地の1つ、スターリング城だ。この城は、スコットランドの歴史の中でも大変重要なお城のようで、歴史的な展示物が多く、建物も非常に美しい。真しろも、参加者のご夫婦と一緒に、ガイドツアーに参加したり、伝統的な楽器を見せていただいたり、古い建物を歩いたりした。オーディオガイドも借りることができた。


立ち寄った村で動物と記念撮影

2時間ほどスターリング城に滞在していたら、時刻はもうすぐ17時。そろそろ帰路に着く時間だ。45分ほどかけて、集合場所だったグラスゴー中心のバス停へ戻ってきた。ホテルまでどうやって行こうかと考えていたら、ちょうど、一緒に回ってくださったご夫婦の宿泊先が、自分たちの宿泊先の目と鼻の先だったらしく、ホテルまで送っていただいた。この方々は、この日、一緒に回ってくださっただけでなく、お城や湖の景色も説明してくださったので、本当にありがたかった。チェスターという街に住んでいらっしゃるようなので、いずれお礼のためにもうかがいたい。


スターリング城の前にて


このツアーは、バリアフリーというわけではなかったが、自分なりに楽しむこともできたし、一緒に回ってくださる方が見つかったおかげで、安心して参加することもできた。今後も、一人旅のときはこのような日帰りツアーをうまく利用して、充実した旅をデザインしていきたい。


4 夕食と長い夜


ホテルにチェックインすると、スタッフの方が部屋まで案内してくださった。これで一安心、かと思ったけれど、もう1つやらねばならないことがある。それは夕食探しだ。


まず周辺のお店をGoogleマップで検索して、よさそうなお店を探してみる。真しろはスコットランド料理をできれば食べたかったので、そのようなお店を探したのだが、しっくり来るところが見つからなかった。ホテルは街の中心地から近いので、こだわらなければたくさん飲食店はあった。


そこで、ホテルの人に聞いてみたところ、近くのお店を調べてくださったので、行ってみることに。一人でグラスゴーの夕暮れの街へ繰り出した。


グラスゴーは案外道が狭く、歩いているといろいろな物にぶつかった。特に、この時期はパブのテラス席などもオープンしているので、そこに突っ込みそうになることもあった。また、信号の辺りには一応点字ブロックが付いていたのでそれは安心だった。


Googleマップのナビ機能を使いながら適当に歩いてみたが、なかなかマイル数が減らない。そこで、道ばたの人に、ヒッチハイクをするように訪ね歩く。そうすると、案外いくつも道路を渡る必要があるらしく、ホテルのすぐ側のお店というわけではなかった。


ともあれなんとかお店に辿り着いた。今回は、貝の焼き物と白身魚の焼き物、ジャムの入ったプリン、スコティッシュビール、ウィスキーを注文。スコットランドはウィスキーが有名なのは知っていたが、お魚も大変おいしく充実したディナーになった。一人のディナーは寂しいかと思ったが、案外しっかり食べ物の味を楽しめるので悪くない。


一人ディナー!スコッチウィスキー最高!

お店からホテルへ帰るときもなかなか辿り着けなかったので、また道ばたの人に尋ねながらなんとかホテルに帰り着いた。ちなみにスコットランドの日の入りは21時過ぎだったので、まだ少し明るかったようで、かなりの人が歩いていた。ホテルに戻ってからいくつか作業が残っていたので、早く眠りたかったのだが、結局落ち着いたのは日付が変わってからになってしまった。


5 おわりに


この日は、一人旅のパートは少なく、日中はツアーがメインだった。とはいえ、不安要素もいくつかあったし、そもそも無事に宿にたどり着けただけでもかなり安心した。また、早速たくさんの方々にお世話になり、一人で旅をしているわけではないのだということを実感させられる。いよいよ明日とあさっては完全な一人旅になるし、かなりの移動距離なので、ますます気を引き締めて、そして楽しんでいく必要がありそうだ。


それでは今日はこの辺で。Have a nice day!

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