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あの頃に戻りたいと思うのは、いつだって何かを失った時。

そう感じる時がたまにある。

例えば、古い写真を見返している時。

あの時は楽しかった。

あの時自分が違う決断をしていたら。

そう思うと、心が痛い。

大体そうなるのは、夜中なんだ。
変な時間に寝てしまって、明日も仕事なのに寝れなくて、無駄に写真のフォルダをひっくり返すように見返してしまう時。

私はセンチになってるのだ。
そんなことせず、スマホの明かりを消して、
すぐさま目を閉じればいいものを。
私は自らセンチになりに行っているのだ。


親友を失った時、物凄く傷ついた。

彼女には彼女の考えがあり、
私には私の考えがあった。

どちらかがどちらかに寛容であれば、
違う未来があったかもしれない。

でも、私たちは親友ではなくなった。

数年後再会はすれど、
それは親友としてではなく、"元"親友の友達…いや、それ以下の友人…知り合い程度のものだった。


パンドラの箱を開けるかのように、
2人で行ったディズニーのアルバムを開けてしまった。

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職場が同じなのに休日を合わせてよく遊んだ。

大人になってから友達が、
いや親友ができるなんてとよくはしゃぎあった。

ディズニーでは何百枚と写真を撮りあって、
翌日の出勤にはまだ2人でディズニーの余韻に浸っていた。

ディズニーにいた楽しさよりも、
その写真を見ながら浸った余韻の方を強く覚えている気がする。

だからこのアルバムは、箱は、開けてはいけなかったんだ。しかも陽の近いこんな真夜中に。


大好きだった親友に、
私はまだ片思いをしてるんだ。

付き合ってきた彼氏の名前も忘れてしまう私なのに、彼女のことは、ずっと未練がましく好きなまま。


あの時は楽しかった。

あの時自分が違う選択をしていたら、
今ももしかしたら彼女は私の親友で、
私は彼女の親友だったかもしれない。

あの時自分が違う選択をしていたら、
こんなセンチな思いをする真夜中は来なかったかもしれない。

あの時…あの時…あの時…

でも、

あの時自分が違う選択をしていたら、
色んなものを捨てて私を守ると言ってくれた、
この責任感の強い優しい人は
私の横には居ないんだ。


今朝駅まで一緒に歩いた。

何か特別なことを喋るわけじゃない。

もう寒いねとか、
それを着る季節になったんだねとか、
そっちは薄着過ぎるでしょとか、

そんな他愛もない話。


職場について掃除機をかけている時、
温かい時間だったなぁって思った。

家から駅までのたった10分くらいの時間を。


あの時自分が違う選択をしていたら、
この幸福感は得られていない。


私は何歳になっても
未練がましく彼女を思うけど、

一緒に歩いて、眠ってくれる夫のことを
大切に想うよ。

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