無敵になれる時
帰省から戻ったわたしはどこか無敵だ。
家族やご先祖様からパワーをもらったような気がするからだ。スピの話ではない。
帰省前のわたしは大体何かに悩んでいる。
マンションの隣人の騒音問題とか、嫌な仕事のこととか、人間関係のモヤモヤとか。
だから帰省前はどこか憂鬱で乗り気でないことが多い。
帰省すると忙しくなる。
祖父母の家に挨拶に行ったり、お墓参りに行ったり、地元の友人に会ったりとわたしにのんびりしてる暇は無い。
実家で過ごす朝は早い。朝は8時前には起きて規則正しく三食いただく。午前と午後で挨拶回りのスケジュールが組まれ、一日中実家でダラダラ過ごすことはまずない。
そもそも実家には大体3〜4泊程度しか滞在しないので、スケジュールがカツカツになりやすいのだ。
多分この「家族として、親族としての忙しさ」がスッキリするポイントの一つなのだと思う。
要はわたしは暇が故に悩みの中でぐるぐるしがちなのだ。
実際問題、暇かと言われると暇なのかもしれない。仕事で忙しい気持ちがあってもしょーもないことで悩む時間が発生するくらいには暇なのかもしれない。
しょーもないことを考える暇もないくらい活動していると、現実は変わらないけど悩みの占有量は小さくなるのかもしれない。
わたしはマンションの騒音激ヤバ隣人に会いたくないので、ドアスコープからくまなく外側を確認してから外出したり、ドアや鍵の開閉音、声、足音にかなり敏感になっている。
これが結構つらい。
まともな人が隣人ならやらなくていい手間だし、隣に犯罪者が住んでいるような恐怖の感覚があるからだ。
これが帰省から戻ると感覚がかわる。
騒音激ヤバ隣人に対して「怖い」「辛い」という気持ちが減り、「ぶちのめしてやる」という気持ちに変わる。強気になる。
なんなんだろう、この180度異なる感覚は。
帰省前がか弱い女だとしたら帰省後はドウェイン・ジョンソンになる。
マンション内でのエンカウントを避けていたのに、心はドウェイン・ジョンソンなので何も怖くない。
仕事においても「やりたくないな」という気持ちが「もはや倒産しろ」という気持ちに変わる。
人間関係のモヤモヤは「どうしよう」から「どうでもいい」に変わる。
わたしの悩みは実はかなりしょぼいのかもしれない。
ただ、本当に悩み込んで病んでしまうようなレベルであれば警察に注意してもらったり、弁護士と相談して訴えてしまえばよい。騒音激ヤバ隣人については。
仕事や人間関係についての病みは家族や医療に頼ればよい。
頼れる先は自分が想像する以上にたくさんあるのだ。
一人で抱え込んでいるのが間違いなのかもしれない。
とりあえず、騒音激ヤバ隣人は早く引っ越せ。
わたしの方が先住民だし、わたしはこのマンションが気に入っている。不相応なお前にこの環境を譲る気はないし、これまでのことは許すつもりがない。お前の破滅に期待している。
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