私が誰であるか、遺伝子ではなく、自分自身で証明しました -2023年5月9日(火)
・久しぶりに、ガタカを見返した。
・初めてちゃんと見たのが10年くらい前で、そっから1シーンだけ見返したり、見返してる間に寝てしまったりしていたので、しっかり見るのは2回目。
・以下あらすじ。
・ガタカの世界観の基本に遺伝子検査がある。
・遺伝子によって「完全」と「不完全」な人間に分けられる。
・遺伝子上の欠陥を持つ者たちが「不完全」であるとみなされ、様々な差別を受ける一方、遺伝子が「完全」な者たちは特権を享受する社会が描かれている。
・この世界観は、現代社会の階層や差別を過剰に拡大したもので、現実との関連性を感じさせる。
・主人公のヴィンセントは、「不完全」な遺伝子を持つので、幼少期から周囲に蔑まれ、夢に向かって進むことが難しい状況に置かれている。
・しかし彼は夢を諦めることなく、骨延長手術をしたり、遺伝子が「完全」な人になりすましたりと、様々な努力をする。(努力の範疇を超えている気もするが。)
・そして、彼は夢を叶える。
・遺伝子によって決められた運命を、自らの選択で切り開くという物語で、勇気と希望を与えてくれるだけでなく、自分の運命を自らの手で切り開くことの大切さを教えてくれる。
・またガタカでは、遺伝子操作技術の利点とデメリットが緻密に描かれている。
・遺伝子操作によって、病気や障害の予防、能力の向上が可能となり、人類がより健康で優れた生活を送ることができる一方で、技術が人間の価値観や倫理観を歪め、社会の格差や差別を助長する可能性が示唆されている。
・ガタカは1997年の映画だが、2023年の現代では、遺伝子操作技術の発展に伴い、生命倫理に関する議論がますます白熱していて、先見性を感じさせる。
・素晴らしい映画で、社会格差が広がったり、階層構造が閉鎖的なうちは、たびたび取り上げられる気がする。
・一方で、これは集団を描いた作品ではなく、個人の物語であることも認識しないといけない。
・集団が作る世界観を描きつつも、個人にフォーカスを当てている。
・その個人が世界を変えるわけではなく、あくまでも自身の夢を叶えるという物語だ。
・これを見て、努力すれば夢は叶うんだ!と思ってしまうと災難だ。
・さらに、他人にまで、努力すれば夢は叶うよ!なんて言いだすと災害だ。
・あくまでこれはヴィンセントという一人の人間を描いた物語で、普遍的な教訓を与えるような物語ではない。
・自身が何らかの分野で外れ値になろうと頑張っているときに、勇気や希望を与えてくれる映画だ。
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