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【人とうまくやる方法】人間関係を破壊する3つの要因~その3~

前回のつづきです。)
この記事は私の対人関係スキルを構築した本「ピープル・スキル人と”うまくやる”3つの技術」から一部をピックアップした内容です。

前回は、2つめの要因「解決策をつたえる」を紹介しました。(パターンは以下の5つです。)

命令
命令は相手の判断が信用できないということを暗に示すものであり、自尊心を傷つける可能性がある。
脅迫
言う通りにしなければひどい目にあうという脅迫は、命令と同じく悪い結果を招く。
説教
説教は相手に防衛的な態度を助長します。相手は演技によってその場を流すようになり、コミュニケーション不全に陥ります。
質問・尋問
質問を連続で行うと尋問のように受け取られます。主導権が質問する側に偏り一方的なコミュニケーションになりがちです。
忠告
忠告は相手の知性に対する侮辱であり、対等なコミュニケーションを取ることが出来なくなる。

それでは最後3つめの要因です。
第3の要因がもっとも頻繁に起きているコミュニケーション方法と感じます。

では、いってみましょう。


第3の要因 相手の問題を回避する

次で紹介する3つのパターンはどれも会話を本題からそらすという特徴がある。

相手の問題を回避するパターン①:ごまかし

「ごまかし」とは、相手の問題から自分の関心事へと会話の流れを変えるときに使われる方法です。「~と言えば」という言い回しが、はじまりの合図です。会話の大半は脱線の連続と言ってもいいものになる。

本書の会話例がわかりやすかったので引用します。

患者「ホントにつらい手術だった。とてもがまんできるとは思えなかったわ。それはもう…」

女性A「手術といえば、私も1976年に記念病院で胆のう摘出してもらったのよ。そのときのつらさといったら…」

女性B「記念病院なら、孫が腕を骨折したときに入院してたわ。主治医はバイヤー先生」

女性C「バイヤー先生が私と同じ町内に住んでるって知ってた?アルコールの問題で困ってるらしいけど」

女性D「でも、麻薬よりマシよ。高校の校長をしている人の息子なんて、麻薬ですっかり頭がおかしくなってるの…」

あるあるあるあるある!
会話泥棒って言葉が当てはまりますかね。

相手の話を傾聴する気も、スキルもないとき、あるいは自分が話題の中心になろうとするとき、人はよく話題をすり替える。
また、居心地の悪い会話(愛情、怒り、対立、死、病、離婚)といった緊張を強いられるような話題になると、気楽な話題に変えようとする。

あるあるですね。

相手の問題を回避するパターン②:論理的説得

論理が重要な働きをする場面は少なからずあります。しかし、相手がストレスを受けていたり、対立をしている場合には、論理的な解決策は反発を招いてしまいます。そういう時こそ論理的思考が必要になるはずですが、理詰めで説得すれば相手が離反するリスクが高まります

論理的説得の問題点は、感情を無視してしまうことです。事実に重きをおいて、感情面にはふれなくなってしまいます。しかし、お互いの関係がぎくしゃくしている場合は、主な問題は感情にあるのです。

正論で人は動かないってのは、対立は感情で生まれるからなんですよね。

相手の問題を回避するパターン③:元気づけ

「一体元気づけの何が悪いの?」と思いますよね。
これを知ったとき、かなりの衝撃でした。

ハイム・ギノットはこう述べています。

たいていの親は、子どもが「ぼくはバカなんだ」と言っているのを聞くことがあるでしょう。自分の子どもがバカなではないと思っている親は、「おまえは利口なんだよ」と言い聞かせようとします。

子どもが自分自身のことを、バカだとか、醜いとか言い張っているとき、親がどう言おうと、子どもが自分自身に抱いているイメージを性急に変えられるものではありません。

人は、自分はこういう人間だと思い込んでいるとき、はたからその意見を変えさせようとすれば抵抗するだけです。
~~~~
「パパの気持ちはわかるんだけど、ぼくが頭がいいというパパのことばを真に受けるほど、ぼくはバカじゃないよ」

第1の要因「判断する」のタイプ付けと関連してきますね。

いまいち納得できない方にために、もう少し詳しく書いてあります。

元気づけは、一見他人をなぐさめる方法のように思われるが、実はその逆だ。相手に共感するどころか、感情的離脱と言ってもいい。
元気づけが用いられるのは、人の役に立ちたい気持ちはあるものの、感情的な要求には関わりたくないときである。

ぐさぁ・・・

「人の役に立ちたい気持ちはあるものの、感情的な要求には関わりたくないときである」

言われてみると本当にそうですよね。感情面の面倒は見ないスタンスですね。

「私ってかわいくないから」は「そんなことないよ待ち」とよく言われますが、あれは「第1要因:判断する」に該当するので悪手なんですよね。

隠されたもう1つの要因

ここまで人間関係を破壊する3つの要因を知って、
「これ、まんま上司やん!」
「これ、あいつやん!」

「今度やったら教えたろ」
これが隠されたもう1つの破壊要因です。相手のまずさを”指摘”する行為は第1の要因「判断する」に分類されます。
人間関係の修正は相手をやり玉にあげてもダメってことですね。


まとめ

人間関係を破壊する3つの要因のうち、第3の要因「相手の問題を回避する」を紹介しました。以下の3パターンです。

ごまかし:相手の問題から自分の関心事へと会話の流れを変えるときに使われる方法です。会話泥棒や話題のすり替えをすることです。

論理的説得:論理的説得は感情を避けた話になってしまう。対立している場合、主な問題は感情からくるものであり、論理的説得は相手の離脱を招いてしまう。

元気づけ:一見慰めのように思えるが、実は逆。人の役に立ちたい気持ちはあるものの、感情的な要求には関わりたくないときに使われる。

以上で、人間関係を破壊する3つの要因の紹介が終わりました。

コミュニケーションで気をつけることは、
・判断しないこと。
・解決策をつたえないこと。
・問題を回避しないこと。
です。

この3つを守ると、劇的にコミュニケーションが改善されます。

***

とは、言っても覚えていられないし、
身に付いた気がしないって方もいますよね。

そこで、次回はそれぞの要因と関連する口癖を紹介します。

要は、この口癖は人間関係を悪化させますよって話です。
より実践的で、身につけやすいと思います。

それではまた!

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