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【人とうまくやる方法】人間関係を破壊する3つの要因~その2~

前回のつづきです。)
この記事は私の対人関係スキルを構築した本「ピープル・スキル人と”うまくやる”3つの技術」から一部をピックアップした内容です。

前回は、1つめの要因「判断する」を紹介しました。(パターンは以下の4つです。)

①批判
相手の意見に賛成か反対か、または良し悪しを決めないこと。
②タイプラベル付け
あなたは(私は)こういう人、○○なタイプだから、と決めないこと。対人関係が成長する(もっと仲良く)ってこと忘れないでね。
③分析
探偵のように発言の裏や、隠された動機なんてものを探さないこと。
④称賛
褒め言葉は気を付けて。あなたが支配的な人間に映ってしまうかも。

それでは2つめの要因です。

第2の要因 解決策をつたえる

とりわけ当事者の一方か双方が何かの必要に迫られているか、問題を抱えているときに起こりやすいコミュニケーション方法。
解決策を伝えた結果、かえって問題が悪化したり、新たな問題が生じたりするケースもよくある。ただし、相手に解決策を教えるなと言っているわけではなく、それが障害となって相手の成長を妨げるおそれがあるということだ。

解決策をつたえるバリエーションは以下の5パターンです。


解決策を伝える① 命令

威圧的に無理やり解決策をつたえるのが命令だ。無理強いされると人はたいてい抵抗し憤慨する。あえて問題をこじらせる妨害にすらなりかねない。また、命令され続けると従順になり、相手の言いなりになる。これはこれでコミュニケーション不全だ。
命令は相手の判断が信用できないということを暗に示すものであり、自尊心を傷つける可能性がある。

例えばこういうこと。
力関係がある状態に起こりやすいですね。
私の実体験を話すと「自分で考えろ」という命令する上司は、部下が考えた意見を受け入れる可能性はほとんどありません
これによって、部下の成長が妨げられ、自発性を失うという新たな問題を発生させることになります。こういった上司は腐るほど存在します。

解決策を伝える② 脅迫

言う通りにしなければひどい目にあうという点を強調するのが脅迫だ。命令と同じく、悪い結果を招く。

私の実体験。
私は挑戦したがりな面もあり、新しい提案を出す人間でした。
そんな中「ダメだよ」と否定する上司もいます。私にとって否定は許容できますが、危険な上司は脅し(脅迫)を使うんですよね。
「別にいいけど、失敗したらお前が責任とれよ?
「やってもいいけど、俺関係ないからな。」といった具合に。
”アナタは今すぐ上司から降りてください”と言いたくなります。

ちなみに、脅しに屈しない私は「いいですよ。全責任私が取ります。」なんて言うと、「ほんとにとれんの?何千万の損害だぞ?お前の給料吹っ飛ぶぞ?」などとさらに脅しを言ってくるんです。
多くの人は脅されると意見を引っ込めます。こういった上司は自分が矢面に立たない分、命令する上司よりタチが悪いと考えています。
脅しを使う上司は、責任はとらないけど、平気で成果を横取りします。
気をつけてください。

解決策を伝える③ 説教

多くの人は見栄を張り、社会的・道徳的・神学的権威の力を借りて自らの考えを裏づけようとします。説教では「~すべきである」「~するのは当然だ」という言葉から「それは正しい行動だ」「~はあまり~しないね」といった言い回しをすることがある。
説教はかえって混乱の原因になる。不安を助長し、反発を引き起こし、正直な自己表現をさまたげ、演技を誘うおそれがあるからだ。

例えば、教師が生徒に説教をして反省文を書かせる。この場合、生徒は反省しているのではなく、反省したフリをしてるんですよね。説教によって生徒が改心することはありません。
説教したくなる気はわからなくもないです…。

解決策を伝える④ 質問・尋問

一定の役割を果たす質問もある。だが、素っ気ないやりとりが示すように、質問は円滑な会話をさまたげる可能性が大きい。
国民の大半が質問中毒にかかっている。相手の質問攻めにしていては会話はうまく進むはずがない。

こんな感じですかね。
「どこに行ってたの?」-「外。」
「何をしてたの?」ー「何も。」
「今日、学校どうだった」-「べつに。」

人間発達研究所のジャック・ラランヌはこう述べています。

日常会話では直接意思を伝える代わりによく質問をするが、これはお粗末な方法だ。質問は不完全かつ不明瞭で、まわりくどく人間味も効果もないメッセージであり、しばしば相手の防衛反応や抵抗を招く。情報だけを求めて質問するケースはめったにない。質問はある目的を遠回しに達成する方法、相手を思いのままに操る方法なのだ。

かなり辛口に書いてありますね。
私はこれを知ってから質問は連続3回までと決めています。

課長と仕事内容を詰めた話です。
『課長、A件について教えていただけますか?(1回)
「なんだ?
『A件をまとめるにあたって、重要な点ってありますか?(2回)
「先方が価格を比べたいって言ってたから、価格はのせておいてほしいな。
『価格が重要なんですね。先方と打ち合わせというのはいつなんでしょうか?(3回)
「今週末の金曜日だな。
『金曜日ですね、では金曜日の朝一にお渡しします(提案)
「いや、前日にもらえるか?
『承知しました。それでは木曜日の17時でよろしいでしょうか?(1回)
「それで頼む。
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『金曜日の朝一でよろしいでしょうか?』と聞きたくなりますが、提案の形で言い切っています。

質問を連続すると一方的になるので、たびたび提案を入れると、テンポがよくなりますし、双方でコミュニケーションを取っていると感じられます。
逆に提案しすぎても、おなじように一方的な会話になるので、ときどき提案で言い切ると良いと思います。

解決策を伝える⑤ 忠告

忠告における最悪の場合には「強迫観念」のようになって人に干渉せずにはいられなくなる。
「建設的な忠告」なんてめったにないし、他人にもそう教えてきた。自分もなるべく人に助言する機会を減らしてきたにもかかわらず、気がつくとヘタな助言をしているのである。どちらというと忠告したくなるタイプなので、大事な人に相談を持ちかけられると、どうしてもその誘惑に負けてしまうのだ。

忠告のどこが悪いのかというと、忠告はそもそも相手の知性に対する侮辱であると言えます。その人には自らの問題を理解し処理する能力が足りないのではないか、という不信感を暗に示すことになるからです。

ノーマン・ケーガンは言います。

「実質的には、『私ならそんな問題を解決するのは朝飯前だ。それくらいのことで大騒ぎするなんて、お前はバカだ』とほのめかしているも同然である」

ほとんどの場合、忠告する側が問題を全体的に把握していないという点もよくなく、人が悩みを打ち明けてもそれは「氷山の一角」にすぎない。

外交官ダグ・ハマーショルドは自らを省みて、こう書いています。

「どういう問題かもわからずに答えを出すのはかんたんだった」

例えば、仕事をやめたいと打ち明けられても、背景までは把握しておらず、表面的なことでしか理解できない。なので、ほとんどの忠告は的を得ていなく相手からしてみると「わかっていない」とコミュニケーションは断絶されるだろう。しかし、忠告をしたくなる誘惑はつきまとい、相手が大切な人であればあるほどその誘惑はより強いものになる。

難しいですが、大切な人であればあるほど、耳を傾けましょう。

まとめ

対人関係を破壊する3つの要因のうち、第2の要因「解決をつたえる」を紹介しました。

①命令
命令は相手の判断が信用できないということを暗に示すものであり、自尊心を傷つける可能性がある。
②脅迫
言う通りにしなければひどい目にあうという脅迫は、命令と同じく悪い結果を招く。
③説教
説教は相手に防衛的な態度を助長します。相手は演技によってその場を流すようになり、コミュニケーション不全に陥ります。
④質問・尋問
質問を連続で行うと尋問のように受け取られます。主導権が質問する側に偏り一方的なコミュニケーションになりがちです。
⑤忠告:
忠告は相手の知性に対する侮辱であり、対等なコミュニケーションを取ることが出来なくなる。

どうでしたでしょうか?
「解決策をいわない」ってのは女性と会話するときの注意事項でよく言われます。とくに男性は解決型のコミュニケーションを取りやすいので、気をつけたいところです。

第2の要因を通してみると、上下関係や力関係ができてしまうことが問題にあがっています。「健全なコミュニケーションは対等な関係でなければならない」そんなメッセージを受け取りました。

第1の要因「判断しない」を実行すると、私は質問ばかりにするようになりました。しかし、第2の掟で「質問」も悪手であると言われてしまいます…
この時期の私は、”一体何をどうやって話せばいいんだ・・・”と憤慨していた記憶があります笑

そろそろ自分のコミュニケーション方法が全否定されてるような気になってきましたでしょうか?

次がラスト、第3の要因です。
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