戻らなくていいんだよ
バタバタしていたら、コーヒーがぬるくなってしまった。
よく自分でも言うのだけど「バタバタしていて」って不思議な言い回しだ。すごく抽象的で、何か言っているようでちっとも具体的なことを言っていない言葉だと思う。でも「バタバタしててすみません」に対して「バタバタしてたんですね」って受け止めることができると嬉しい。これが「やさしさ」なのかもしれないと思う。
自分自身は言葉の裏を探ろうとしすぎてしまうこともあるし、逆に言葉の通りに受け取りすぎてしまうこともある。でも「バタバタする」はそのまま使いやすい。理由は単純で、「バタバタ」という音やイメージをかわいいなと思うから。「わかりやすい、わかりにくい」って、案外そんなもんだろうなあ、なんてぬるくなったコーヒーをすする。この文章を書いていったらきっとまた没頭するので、次にコーヒーを飲むときは冷えてしまっているだろうけれど。
文章は滞りを引っ張ってくれる
昨日、こんなnoteを書いた。
午前中にリリースしてから、午後は何枚も絵を描いた。その中からいくつかインスタに上げたりもした。すごくいいリズムだ。このまま作っていきたい。それと同時に、自分にとって文章は「自分の滞りを引っ張ってくれるもの」なのかもしれないと思った。
午前中に「何ができるかな」とわくわくしながら文章を書き、しばしの達成感とともに絵を描く。思えば今まで絵が不調だったときはいつも文章が支えて引っ張ってくれたように思う。文章が書けなくなるときは、ほぼ何もできなかった。いつも言葉を使いながら自分の気持ちを確かめて、そうして確信が得られたら絵を描いているような気がする。これも今の感覚に過ぎなくて、今後また変わっていくこともあるだろう。描き上がった絵を見てから自分の状態がわかることも、もちろんある。重要なのはやり方じゃない。どんなやり方でもいいから「そこに行く」ということだ。
今のこの気持ちも、文字に落とし込んで残しておく。そうするといつかの自分の足がかりになるはずだ。今書いている文章が拙くても間違っていても構わない。大事なのは書くことで、残しておくこと。そして、伝わるかどうかを試すこと。伝わらなかったら「伝わらなかった」というデータを得て、実行する前の自分よりずっと可能性が増えている。
「期待しない」の練習
わたしは外国語で交流しているとき、ほとんど躊躇わないし、失敗しても落ち込まない。「できなくて当たり前」「わからなくて当たり前」という土台の上でやっているから、とにかく話してみる聞いてみるに没頭し、フィードバックをもらえたらそれを吸収して使えるように練習する。それだけだと思っている。状況によって、相手によって、条件自体は無限にあるから、伝わらなかったとしても自分の外国語スキル不足だけが原因じゃないこともある。
ふと、自分の仕事や、コミュニケーションもこんなふうにやったらいいのかもしれない、と思う。
期待をもたない、自分や誰かに期待をしない。最近どこに行っても聞く言葉で、むしろその言葉を使う人の数だけ意味が生まれているんじゃないかと思うこともある。そんな中でもし自分自身について「期待しない」が機能しているとしたら、それは外国語を使ったコミュニケーションの中にあると思った。つまり、普段の生活でそれだけ自分に期待をして、プレッシャーをかけて、自分を厳しく批判しているということなのだ。
自分に厳しく、できていないことを見つけ、改善していかなければいけないとずっと思ってきた。そこまで取り組んできたから得られたこともすごくたくさんある。でも体や心が動かなくなるまで疲れてしまった。死にたさに囚われた時期も長かった。だから、もうこの「うまくいかなかったこと」は捨てようと思う。
楽観的な思考は身につけられるスキル
「楽観的な思考は後天的に身につけられる能力」みたいな言葉をどこかで見た。ずっと覚えて、頭の中で繰り返しリフレインさせていたことがある。
「楽観的」という言葉は、文脈によってはネガティブな意味合いになることもあって、受け入れ難かった。楽観的であることは無責任で、考えが足りなくて、よくないことなのだと思っていた。でも、自分の悲観的なものの考え方だけでやってきて、これでよかったのだろうか?と自分に問うと、楽観的な方に歩み寄らないといけないと思った。
2020年に書いたこのnoteを、今でも自分のベースとして読み返すことがある。振り払えない苦悩や死にたさ。毎日、視界が真っ暗でとても狭かった。でも、今でもそちら側にまた戻ってしまいそうになる。だけど、文章にしてこうして残しておいたから、戻らなくていい、と自分に語りかける。ここにこうやって刻んであるのだから、あなたは今行きたい方に進んでいいんだよと。つらさを吐き出さないと飲み込まれてしまうからただ書いていた文章、書いていてよかった。今日も書けた。明日も書きたい。明後日もきっと書きたい。大作にならなかったとしても、書くこと自体が満足なのだ。
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