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サッカーが与える絶望と希望。ティトー、ユーゴ内戦、そしてオシム。番外編

読者の皆さまへ

大変な長文、最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!
正月前から今日(1月18日)まで他の仕事もせずに、原稿料がまったく発生しない執筆作業に傾注するというのは自分でもいかがなものかと思いますが、多少なりともお楽しみいただけたようであれば幸いです。

原稿ではいろいろ記しましたが、突き詰めて考えると、俗に言う「ユーゴ問題」、「ティトー体制(&サッカー)」、そして「オシムさんが試みたこと」は、下記の5枚のスライドに要約されるのではないかと思います。

もちろん原稿をすべてお読みいただき、いいねやツイートをしていただいたり、お仕事を発注していただくに越したことはないのですが(この手のノンフィクションやルポだけでなく、戦術論やマッチレポート、インタビュー、スポーツビジネス論、広告/タイアップの仕事なども多数手がけておりますので)、デートや新年会の予定が詰まっているのでそんな暇はない、エスプレッソのように濃縮されたものだけが欲しいという方のために、スライドを抜き出してみました。大学院時代によくやっていた講義のサポートのようですが(笑)、よろしければご覧ください。


ユーゴ、ティトー、オシムを理解するための5つのスライド

ユーゴ事情の複雑さ、サッカーの位置づけ、ユーゴにおけるサッカーの実情、僕たちが深くかかわっているサッカーというスポーツが持つ、良くも悪くも巨大な力、そしてオシムさんが行ったこと(ユーゴの文脈において)は、下記の一連のスライドをご覧いただくと、比較的簡単に把握していただけるかと思います。

#1:ユーゴ事情がかくも複雑な歴史的背景
#2:ティトー体制下におけるサッカーの位置づけ、サッカーと社会主義の相性の良さ
#3:ユーゴのサッカー界が抱えていた、構造矛盾
#4:サッカーという社会装置が持つ、巨大な求心力
#5:オシムがユーゴ崩壊後、サッカーを通して試みたこと

ユーゴをさらに理解するための関連書籍

併せてですが、書籍も紹介させていただきます。ユーゴ事情やユーゴの崩壊、東欧/ヨーロッパ/世界事情、政治&社会&サッカー、オシムさんに関しては、他の方々も良質で意欲的な作品を多数出版されています。内容がかぶらないように(そして波風が立たないように)、著者名の五十音でいくつか代表的なものを記しましたので、機会がありましたら是非ご一読ください。それと『ウルトラス』も、是非、ポチっていただければ幸いです。

宇都宮轍壱氏:幻のサッカー王国―スタジアムから見た解体国家ユーゴスラヴィア

片野道郎氏:それでも世界はサッカーとともに回り続ける

木村元彦氏:終わらぬ「民族浄化」 セルビア・モンテネグロ

高木徹氏:ドキュメント 戦争広告代理店〜情報操作とボスニア紛争

千田善氏:なぜ戦争は終わらないか―ユーゴ問題で民族・紛争・国際政治を考える

田村修一氏:オシム語録 人を導く126の教え

長束恭行氏:東欧サッカークロニクル

ジェームス・モンタギュー、田邊雅之:『ウルトラス 世界最凶のゴール裏ジャーニー』 『億万長者サッカークラブ サッカー界を支配する狂気のマネーゲーム』

Richard Mills: The Politics of Football in Yugoslavia: Sport, Nationalism and the State


映像作品/資料

最後は映像資料を少々。ユーゴ崩壊、特にボスニア紛争を巡っては、すぐれた映像作品も公開されています。以下は代表的なものです。これも監督の五十音順で。

ダニス・タノヴィッチ: サラエヴォの銃声

マイケル・ウィンターボトム:ウェルカム・トゥ・サラエボ

ヤスミラ・ジュバニッチ:サラエボの花

マクシミールで勃発した「サッカーの戦争」

ちなみにクロアチアの独立戦争の前哨戦となったとされる試合、1990年にマクシミールで行われたディナモ・ザグレブ対レッドスター・ベオグラード戦については、Youtubeに下記のような動画もアップされています。

オリジナルのソースが不明なため、原稿の本記では紹介を控えました。この記事でも動画の埋め込みは避けますが、URLをコピペして是非、ご覧になってください。当時、クロアチアの人々とセルビアの人々がお互いに抱いていた憎しみの強さ、「サッカーの戦争」と呼ばれた暴動の激しさが伝わってきます。

https://www.youtube.com/watch?v=FFLWysu0ZvU

番外編は以上です。近日中に、番外編の第二弾を公開できると思いますので、どうぞお楽しみに!






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田邊雅之    彷徨の記憶 -- Thoughts and Thesis.
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