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タレントマネジメントのフレームワーク

今やHRに関わる人々にとっては、一般的な言葉として定着した「タレントマネジメント」ですが、日本ではマッキンゼー&カンパニー社がまとめた「War for talent」という著書がきっかけで、注目を浴び始めたと言われています。この頃から、「人材」を「人財」と置き換えるような企業も増え始め
たのが印象的でした。

ただ、実際には、タレントマネジメントをいわゆる「(IT)システム」として捉えているケースも多いようで、基本的なフレームワークというか考え方なくして、真の「タレントマネジメント」は実現できない、ということもよく言われています。
そんな中で、人材開発・パフォーマンスに関するグローバルな組織であるATD(The Associaton for Talent Development)では、タレントマネジメントを以下の8要素に定義しています。(出所:月刊 人材教育(現:Learning Design))

FireShot Capture 025 - ATDの風 HR Global Wind from ATD<第7回> タレントマネジメントの潮流と日本における展開/月刊 人材教育/201_ - jhclub.jmam.co.jp

それぞれを具体的に見てみると、こんな内容です。

Organization Development (組織開発)
簡単に言うと「組織の活性化」のこと
Succession Planning (後継者育成計画)
「重要なポジション」の後継者育成のこと。
Performance Management (パフォーマンス管理)
単なる業績結果にとどまらず、日々の業務活動、業務プロセス、その能力を伸ばす行動等のこと
Acquisition(人材の獲得)
採用等による外部からの人材獲得のこと
Team & Individual Development(人材開発)
組織や個人の能力を高めること
Assessment(能力評価)
専門性や対人関係能力等、総合的な能力評価のこと
Career Planning(キャリアプラン)
主に社内でのキャリア形成のこと
Retention(人材の保持)
いかに社員を引き付けておけるかのこと

日本において、人材マネジメントを考える場合は、
採用 → 育成 → 評価/処遇 → 異動 → 代謝(退職)
といった人事機能のフローで考えることが多いですが、ATDの整理のような目的をベースに整理することで、また違った観点でアプローチすることもできます。
ちなみに、私ががメンバーにもなっているATDの日本支部(ATDインターナショナルメンバーネットワーク・ジャパン)のスタディグループの一つである「HPIスタディグループ」(HPIとはパフォーマンス・コンサルティングのATDモデルであるHuman Performance Improvementの略です)では、毎年様々なHRのテーマをHPIという切り口で整理し、提言する活動を行っていて、今年の研究テーマは、この「タレントマネジメント」です。

上述したように、タレントマネジメントに取り組み、システムも導入したものの、効果的な人材のマネジメントが実現できていないなどの課題をお持ちの企業も多いのでは?という課題認識の下で、日本企業のタレントマネジメントの現状の調査し、その結果を踏まえて、HPIの持つシステマチックで、データ・ドリブンなアプローチにより、課題解決の糸口になる提言を行う予定です。

今日ご紹介したフレームワークをもっと深く理解したい、という方は、今、実施している以下のアンケートに回答頂くと、自社のタレントマネジメントの取り組み状況のチェックにもなりますので、よろしければご協力ください。よろしくお願いいたします。
※お伺いした内容については、慎重に取り扱い、貴社の個別情報が公開されることはございません。また、本趣旨以外の使用もいたしません。
※最終的な集計データおよび分析結果につきましては、12 月10 日、11 日(予定)に開催されるATDジャパンサミットにて公開させて頂く予定です。またアンケートのご協力頂いた企業様には調査発表後に報告書をお送りいたします。
https://forms.gle/2uLHpvhpmLWSi6Ht8


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