BtoBコンテンツマーケティングを成功させるための課題と考察

直近も含めてSaaS事業のBtoB事業マーケティングのコンテンツマーケの責任者として色々な経験をしてみて上手く行った、いかなかったケースについてまとめてみました。

最近、新たなチャレンジをした知人にも勇気をもらって、メモっていつでもリリースできるのに放置していたこれを整理してみました。

※一時期掲載内容に指摘があったので、特定情報の公開は控えております。
あくまでも客観的なこれまでの経験上の感想になります。

【BtoBマーケティングにおける重要な考え方】

特にBtoBやSaaS事業会社においてのコンテンツマーケティングの仕事は、セールス側のビジネス訴求が優先されることが多く、マーケティング全体の有効リードの獲得効率をどう再現するかなどの、事業やプロダクトの価値を市場に訴求するための戦略やコピーなどのグランドデザインから、ザモデル型のようなマーケティングからCSのオンボーディングやアップセル(顧客満足度の解約防止も含む)になりづらいケースが多いと感じる。

僕の例で言えば、オウンドメディアで数値10倍以上に改善したのに、事業ではよくある方針変更でいつの間にかナーチャリング向け記事やホワイトペーパーの編集者をするなど、本来のマーケ責任者としてミッションを果たせない中でも、セッションなどの底上げや事業としてファネルが遠いから施策でOrganicを大幅に増加させても結果として有効な商談獲得の成果にはならず、常に稼働が炎上し続けて体調を崩す(リタイヤする人が出るなど)ケースがよくある。

真剣にビジネスと向き合って仕事している人の方が社会で働く上で損をする傾向があると思います。

短い人生の中で、社会に対して中途半端な仕事をして何の意味があるのか、ただ毎日言われたことや決められた数字をこなすだけで事業が成功するのか、ということが分からない人が多い。

自社の事業を愛着を持つ、お客様に選ばれる、事業の成長(各社員や外部も含めた関係者)に対してコミットできなくて、何を持って自身の価値を証明するのか、仕事をしていて何が面白いのか、など真剣にビジネスと向き合っている人は少ない印象があります。

これはあくまでも成功していた頃の複数の案件や事例も交えたものなので、様々な業種・業態や用途に全て当てはまるものではないです。しかし、法人取引においては共通する部分が多いと思います。

【よくあるBtoBマーケティングの前提課題】

1)前提課題例

・顧客ニーズ・課題を客観的に理解せずに施策を進めようとする。
進め方のカルチャーや携わるメンバーの共通認識に大きく影響する。

・法人向け又は特に顧客単価が高いビジネスは、購買プロセスに対するオン/オフに限定にない施策が最重要だということを理解していない。
正解も手段に制限はなく、重要なのは自社のお客様となり得るチャネルを考えられるか、どう接触するか、が重要。泥臭い方がいいケースによってはマーケティングは不要かもしれない。

・上手く行かなくても自立性を優先して各メンバーのアクションに任せる。

マーケティングは特に少ないリソースの中で、有効リードの確度を上げるための優先順位やタスクコントロールが重要であること。

・マネジメントの定型通りに進めようとする。
個人コミット、1on1などが主体でチーム連携と勘違いしたコミュニケーションでは相乗効果が生まれづらい。現場の課題は複雑であり、自社サービスと購買プロセスに合わせて、事業やチーム全体で真剣にビジネスと向き合うことが重要だと考えられます。

・縦割で部署間の共有や協力関係がない。
(実施した施策の資料共有もない)
人数が多いほど情報共有や同じ数値分析や施策をバラバラに行うなどの二重コストが発生しやすく、事業全体として機能しづらい。

2)マーケティング部門における課題例

・間接的な指標になることが多いため、短期的な成果が見えづらい。

・業務兼用が多く、顧客ニーズ・課題と向き合える時間がない。
クリエイティブの訴求(コンテンツコピーがずさんなど)が弱く、広告コストが無駄になりやすい。

・顧客の行動プロセスやナーチャリングが分かる人、会話できる人がいないといった特にtoBは真剣にビジネスと向き合っている人が少ない。
具体的にどのようなユーザーが主要な顧客化すぐに答えられますか?と言われてすぐに明確に出てこない。

・投資したコストに対して、短期間で判断する。
データの振り返りや仮説も含めて、短期方針であるほど信憑性が下がる

・既存顧客×プロダクト開発がファーストになっていて、新規顧客市場を見ていない。
SaaS事業のビジネス特にその傾向が多く、市場や事業変化が前提の中で新規お客様を見ていないケースが相当多い。将来のニーズを見ておらず、新しい顧客は増えづらい、既存顧客マターの事業展開になるなどが考えられます。

【BtoB向けオウンドメディアのコンテンツ品質を重視した新規及びリライトを実施した例】

BtoBにおけるコンテンツマーケティングは、必ずしも「Organic・SEOを獲得するだけが目的ではない」です。但し、以下のようにOrganicでも選ばれる記事は商談や受注を獲得をするためのセールス武器やナーチャリングのコンテンツとしての再リードやウェビナー獲得の接客の受け皿としても有効に活用することが重要です。

1ヶ月以上経って結果の出ていないパートナーから、まだ配信して期間が短いので様子見ですって言われたら、その契約はすぐにやめた方がいいです。

※数日から数週間で大体のコンテンツのポテンシャルは分かります、何もしなければそれ以上の改善はありません。

1)新規配信例(配信後、3時間くらいでゼロから評価)

2)リライト配信例(上記同様にユーザーにとって品質の良いものはすぐ評価される)

※いづれも有効商談ベースで言うとすぐに成果が出るわけではないので、SFAやMAと紐付けて有効なリスト獲得や商談に繋がっているかを常に見極めながら、継続的に対策することが重要。

3)ファネルや購買プロセスに合わせたコンテンツを用意すること

事業ターゲットのペルソナが明確であるほど、コンテンツのブレがなく各ファネルや購買プロセスの提案がしやすくなります。またコンテンツの編集、執筆をする際も自社サービスやプロダクト価値の訴求もしやすくなるため、リード獲得の可能性が高くなると考えられます。

4)業務における課題例

・方針転換や体制変更に伴う対応が多いほど、正確な振り返りや検証の議論ができない。
これまで取り組んでいた業務と兼務になりやすく、曖昧に施策を進めるカルチャーほどリソースが炎上しやすい。

・対策する業界や用途が多いほど、各セールスやカスタマーメンバーの理解や提案力が追いつかない。
その結果、受注や継続取引などのオンボーディングが難しくなる。
(特にザモデル型に似た縦割りにでよくある例)

・ナーチャリングも含めて、各主要なペルソナに対する購買プロセスと契約までのオンボーディングに近い製品のシナリオができてない。
自社製品・サービスが購買検討時から運用検討、トライアルまでにおいて、顧客体験が最適化されてないなど。(運用イメージ、導入コスト創出など)

・購買プロセスに合わせて、適切なアプローチの設計やホワイトペーパーや運用マニュアルが用意できていない。
セールス提案時の対応が属人化しやすく、提案書を使って説明する学習コストもかかる。

4)部署間のコミュニケーションの問題

・ザモデル型の勘違いで完全な縦割りの指標になるケースが多い。
例えばマーケティングとインサイドセールスは密に共有しているようでリードの受け渡し程度で獲得した顧客のリードの動機や質が把握しづらい。

・リードの質を確かめるためのリード項目や会話履歴などがCRM上で確認できない。
毎回口頭で確認する必要がある、各人が属人的に活動して、関連のある重要な情報や部署内外で参考になりそうな情報を共有しない。

【成功する可能性がある例】

1)顧客ニーズ・課題ときちんと向き合う(ビジネスやその領域における課題と真剣に向き合う)

・既存の顧客だけでは市場ニーズを拾えきれないので、新規顧客ニーズもプロダクト側にフィードバックする。又は自発的にインプットしたり、データ調査した上で施策の判断をすること。(既存顧客の母数の課題・ニーズだけで事業は、事業は拡大しない)

2)ペルソナの共有と事業全体で共通認識を持つ

・事業方針からマーケティング、セールス、カスタマーサポートなどまで一貫したプロセスに合わせて、各メンバーに絞り込んだペルソナ(顧客課題・ニーズ、既存顧客の成功例)などの情報をしっかりインプットさせる。

・SFAやCRMなどから1番受注になりやすい成功パターンをデーや上で共有できるようにする。(複雑でなければ、1番分かりやすいパターンでマニュアル化することで、個人スキルに依存しないよう学習できる仕組みを作る)

3)まずはアクションして振り返る

・対象ユーザーを絞らない(ホリゾンタルって表現する人が多い)な訴求であったとして、ペルソナを幾つかはしっかり定義して、各メンバーにきちんとインプットとする。

・上記の定義したプロセスに合わせてアプローチする、振り返りや改善を繰り返す。

4)オペレーションを見直す

・課題やオペレーションに合わせて、システムや運用ツールを見直しをする。(正確な施策結果の分析や運用に合わせた効率化やコストカット)

・MAはサービスによって様々な機能やデータ連携はできるものコンテンツやホワイトペーパー、ウェビナーなどのメールマーケティングを中心とした分析ツールになるケースが想定されるため、ペルソナに合わせたリストの絞り込みの細分化と正確なユーザーの反応を分析できることが望ましいと考えられる。
(見込みのないリストも含めた顧客に一斉送信して、配信結果や平均値とか見るのは無駄です)

【まとめ】

・真剣に社会や業界だけでも顧客課題・ニーズ課題と向き合っている事業会社やマーケティングに携わっている人が少ないように思える。

「自社の製品・サービスを購入してくれる担当者の人物像・ペルソナを明確言えますか?」と言われてどれだけひとが即答できるのか。

・実際の事業成果に対して従業員数(固定費)などのリソースが多過ぎる、少な過ぎる状況とより効率的にリードが獲得できる優先度とコストをしっかり理解しているか。

BtoBマーケティングは、ただ業務を実行するのが目的ではない。商談も契約も取れなかったらやる必要もないか、対策も最小限でいい。
(間接効果も含めて数字を意識することが重要)

これらが正しいわけではなく、各事業環境によって複雑だと思われるので、現状課題としっかり向き合って対策や改善を繰り返して行くことが良いと思われます。

真剣にビジネスに向き合っていて、試行錯誤している人に何かしらの参考になれば幸いです。