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コーヒーショップにカナリアはいるのか?

千葉U子ちゃんのNoteを、懐かしさを胸に、楽しく読んだ。彼女も書いているとおり、思春期に感じた感覚の影響は強く、私には一生ついてまわっていて、現在5リズムのクラスをする時にDJする基盤となっている。郷ひろみは別よ。DJには関係ない。

当時はレコードだったけど、私も「君は天然色」をはじめ、大瀧詠一や山下達郎サウンド(EPOなども含む)に、なんだか異国の新しさを感じたものだった。矢野顕子も捨てがたいのだけど、、、その中でいちばん震えたのは笠井喜美子だった。バイブレーションは山下達郎が曲を書いている。

その音楽たちを思い出すと、実家を建て替える前の私の秘密の基地だった部屋のオレンジのカーテンとともに蘇る。そこに小さな石油ストーブを入れてヴァン・ホーテンのココアを部屋で作る、その喜びはハンパない、案外ニートな子供だった。そしてレコードに針を落として流れてくる音は、私の全てだった。ちょっとしたセブンスとか、転調とか、その小さな音の移動に、胸がときめく。

その中で一番やられた音の移動は、郷ひろみの「小さな経験」
「コーヒーショップにカナリアがいーたーねー」の「コ」の部分。

各タイトルにリンクしてあるので、見てみて、聞いてみて。

★)学園天国 (フィンガー5)
アキラくんと結婚したいと思うほど、フィンガー5が好きだった。なぜあんなに大好きスイッチが入ったのかはわからなかったけど、ファッションが突き抜けていたのだろう。思わずストライプのベルボトムのジーンズを買ってもらった小学校の高学年。その15年ほど後に小泉今日子によるカバーの時には、夜のヒットスタジオという番組で、アタシはバックで踊った。

★)帰って欲しいの I want you back(ジャクソン5)
フィンガー5のアルバムに入っていたABCやI want you backが、深夜放送のラジオから流れてきた時、コイツらフィンガー5の真似してる!と、若干怒りながら翌朝レコード屋へ自転車を飛ばした中学1年性のアタシ。「この曲が欲しいんですけど!」って、レコード屋でラララで歌うと、たまたま問屋のお兄さんがいて、「ジャクソン5ですね。真似してるのはフィンガー5のほうですよ」と教えてくれた。

★)小さな体験(郷ひろみ)
この曲のAメロからBメロへの煽り感に続き、サビの「コーヒーショップにカナリアがい〜た〜ね〜」で私の意識、今でいうコンシャスネスは完全に宙を飛ぶ。ある意味、エクスタティック状態。そっか、コーヒーショップにカナリアはいるのか。。すごいコーヒーショップだな、と。そのコーヒーショップはサイフォンじゃなきゃダメだった。

★)Sir Duke (Stevie Wonder)
上記、ジャクソン5のアルバムの中に、サポートアーティストとして、スティービーワンダーとダイアナロス、コモドアーズなどがいて、彼らがジャクソン5の事を褒めちぎる文章がアルバムのブックレットに入っていた。そこから私はモータウンのファンクが大好きになった。ってか、肌とか魂ににあったんだと思う。ズコンと来たもの。幼い妹たちを集めて、これらを日本語に変えて、一緒に替え歌をして歌うという日々が続いた。

★)バイブレーション(笠井紀美子)
高校生だったかな。ここへくるともはや妹たちとは関係なく、私一人の世界。こんな曲があるんだ!こんな歌手がいるんだ!という自分ならではの発見と、心を揺り動かされた。大橋純子も好きだったけど、笠井喜美子のジャズっぽさとシャドーがなんとも言えず、背伸びした自分にぴったりと来た。今でもこの曲は大人な雰囲気がするけれど、この頃の笠井喜美子は今の私から見ると、孫ほど若い。でも大人な感じはいまだにするんだよねー。

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