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タイでのエピソード・その82

【note運営ならびに読者さんへ】
当記事は、私のタイ国内における大麻の体験談を含みます。2023年9月、そして記事を書いている同年11月現段階でのタイ国内における大麻の使用は「合法」です。故に、現地における使用に関しては当然、罪に問われません。しかしながら周知の通り、日本国内における大麻の「所持」は違法です。又、「使用」につきましても近々違法になる見込みとのこと。当記事は大麻の使用を推奨するものでは決してありません。又、やましい意図や他意を当記事に含めるつもりも全くありません。そこをどうか誤解なきよう、宜しくお願い致します。

Sさんとの会食を済ませ、私とカナヤンは二人、夜の街に繰り出した。

さぁ、バンコクの楽しい楽しい、本格的な観光の始まりである。

カナヤンはゴーゴーバーってやつを一度、経験してみたいとのこと。であれば、ここはアソーク…

ソイ・カウボーイの出番だ。ここに来れば、その願望は思う存分、叶える事が出来るだろう。

もちろん、ナナプラザのほうがゴーゴーバーの種類も数も充実しているのだが…まぁ、夜は長い。焦らずとも、まずはソイ・カウボーイから経験していこうじゃないか。

というわけで、私は彼をソイ・カウボーイまで案内しようとした。

…と、その時…

「Thai Cannabis Club」の看板が目に入った。

そうそう。タイでは大麻の使用が合法化し、今では当たり前の様に観光客や市民に愛されている。

良い機会という事で、私とカナヤンは一度、試してみる事にした。

お店の中のお姉さんに「おすすめを巻いて」とお願いすると、彼女は「マンゴー・クッシュ」という種類の葉をジョイントしてくれた。どうやらマンゴーの香りを楽しむ事が出来るらしい。

価格は一本800THB。日本円にしておよそ3,200円くらい。作ってもらって分かったが、思った以上にすごい量の葉巻になった。これを全部吸ってしまって大丈夫なのだろうか…。

私とカナヤンは、カウンター席の近くにある椅子に座って吸う事にした。

この店はどうやらゆっくりくつろげる空間がない。他の店だと座って楽しむ部屋が別に用意されていて、そこにはソファーなんかもあったりするのだが…ここでそのサービスはやっていないみたいだ。

まぁいいだろう…ちょいとイタズラするだけだからね。

背が高く座りづらいスツールに我々は座り、葉巻に火を付け、煙を吸い込んだ。

うん、美味しいね。普段喫煙しない私でも、問題なく吸える。

そこまで「キック」を感じなかった私は、調子に乗って大量の煙を思い切り吸い込み、肺を充満させ、息を止めた。

数秒息を止めてから、ゆっくりと吐き出す。

それを数回繰り返すと…すぐに変化に気付いた。

世界が歪んでいる。何とも心地よい。周りの喧騒すら、まるで私を包む子守唄のようだ。

私が「もう、いいかな…」と言うと、カナヤンが「マサヤンさん、まだ半分も減ってませんけど(笑)」と言った。

自分の葉巻を見てみる。

ほんとだ…まだ1/3ほどしか消化していない。こんなにも量があるのか…。

うーん、気持ちいい…でも、ちょっとダルいな…このまま眠ってしまいたい…。

なんとなく勿体無いと思った私は、さらに数回、思い切り吸い込んで息を止め、吐き出す行為を繰り返した。

そして…その瞬間は突然、訪れた。

後のカナヤン曰く、私は突然「カクン!」と事切れた人形のように天を仰いだとのこと。

世界の全てが、ブラックアウトした。

……闇?

あぁ、心地良い…

そうか…私は疲れていたのだな…

光は?無いのか?

あれ?…というか…どこに向かっている?

降りている…いや、昇っているのか…?

こ、これは…

バベルの塔じゃないか…

暗闇のなかにぼんやりと見えるリング状の輪郭…

その円形のリングが幾重にも重なっている…

ぼんやりしているのは、そのリングが砂のような粒の集合で出来ているからか…

私は今、その「トンネル」を進んでいる…

これは…「バベルの塔内部」だ…

この先は?どうなっているのだろう…

もう少し、先に進んでみようか…

……おや…?何か見えてきたぞ…

白?それとも光?

…分からないが、どちらの表現も当てはまりそうだ…

あの白い物体は一体、何なのだろう…?

もっと先に行ってみるか…

……

……….お…見えてきた。

これは…

「X」だ…

どうして…?

いや、やっぱり…?

これはどんな意味が…

と、私がバベルの塔内部を通り、「X」に辿り着いた瞬間…怒号と共に私の意識は「この世」に戻された。

「マサヤンまだよ!まだ寝るの早いよ!まだ早いよ!」

「ミスターーーー!!Are you OKーーーー!?」

カナヤンと店の女の子が、この180cm85kgの巨体がスツールから倒れるのを必死で抑えてくれている。

む…いかん、どうやら意識が飛んでいたようだ。

「あ、あぁ…大丈夫、大丈夫…」

そう言いつつ、私は椅子まで自分の体を戻した。

そしてその時、全然大丈夫ではない事に気付いた。

体が重い。というか、いつもの運動神経のタイミングで動いてくれない。

例えば「腕を動かそう!」と相当意識してようやく動く。それも、動き始めるのは数秒後だ。むむ…これはやばい。

はっきり言って、死ぬほど心地よい。なるほど…これは毎晩、寝る前に吸引すれば最高の睡眠効率が得られそうだ。

だが残念な事に、ここは店先である。しかも運悪く、休めるスペースなどない、単なるカウンター席だ。ここで倒れるのは、まずい。

ふと見ると、カナヤンも相当にキマッっていた。うーん、どうしようか。

カナヤンはこの時、家族のことを思い出し、全力でその場を何とかしようとしていたらしい。後ほどその話を聞いて、死ぬほど笑った(笑)。

彼はここで厄介ごとを起こし、警察を呼ばれることを懸念していたらしい。この辺は私に比べても、割とビビリだったりする。

何も悪いことをしていないので、警察を呼ばれていても問題ない。そもそも問題になる事自体をよく思わない店員からすれば、ポリスなんぞ呼ぶわけもない。

まぁ100歩譲って警察沙汰になったとしても、Sさんがいるので大丈夫だ。彼はこういう時、100%助けてくれるからね。無敵。

そんな私とは違い、自分もキマってるくせに焦りまくっている彼は、「マサヤン!なんとか復活してくれぇ〜!ここで倒れたら本当にまずい!」と何度も私に訴えかけた。

そうだな…友人に心配かけるのも私としては不本意だし…早く復活しないと…。

とはいえ、何せ体が言うことを聞いてくれない。

大麻は体を「今、あるべきところ」へと持っていってくれる。例えば音楽を聴いている時はその周波に集中し、とても心地よく聞こえる。食べ物を食べる時は味覚が研ぎ澄まされ、本当に美味しく感じるようになる。

考えてみれば、我々は長時間の飛行機での移動に加え、その後のホテルでも3時間足らずしか寝ていない。さらにSさんと相当な量の酒を飲み…体は悲鳴を上げていたに違いない。

恐らくそんな体に、大麻が「休め!」と信号を発したのだろう。

ありがたい話だが、残念ながらここは寝室ではない(泣)

あぁ…ここがホテルだったら、どんなに良かったことか。

カナヤンの後日談では、お店の雰囲気が「あいつらやばいよ!早く帰したほうが…」的な感じになっていたらしい。

大事を起こさぬよう、カナヤンは定期的にチップを店員に渡していた。その総額はおよそ800THBほどになったという。いや、ホントすまん(笑)。

私は「カナヤンごめーん!」と何度も詫びながら、体の復活を待った。

彼も彼で「ええよ!ゆっくり!ゆっくり休んで!復活してから行こう!」と言ってくれた。今思い出しても、ここは本当に笑えるポイント(笑)。

店員の女性もなんだかんだで我々を気遣ってくれた。「甘いものがいいのよ。そして、水分も多めに摂るといいわ」と言い、水とコーラなどを提供してくれた。

ホテルまでは歩いて5、6分ほど。しかし、今の我々にとってその5、6分の距離すら、あまりにも遠すぎた。

私は少しこのカウンター席で仮眠を取り、この酩酊状態を少しでも覚ます作戦に出た。

店員に「本当にごめんね…ちょっと休んでいい?」と言うと、彼女は快く「もちろんよ!焦らなくて良いから、ゆっくり回復させて!」と言ってくれた。

お言葉に甘え、カウンターに突っ伏して私は少しの眠りについた…。

……

…………

…ハッ!!

い、いかん…これは間違いなく寝過ぎた…!

どれくらい経った?

2、3時間は経った感覚がある…

???

でも、カナヤンは隣にいるし、店員も特に怒っている様子は無いな…

私はカナヤンに「今、何時?」と聞いた。

すると彼は私の先ほどの記憶から、わずか4分後の時間を言った。

…は?

冗談だろ?

まだ4分しか経ってない…のか…?

そのやりとりを何度か繰り返した。

その度に私は数時間ほど眠った感覚になり、焦っていたのだが…それでもやはり、時間は数分ずつしか進まなかった。

そうこうしているうち、私の運動神経は徐々に回復し、「この世」とのコネクトに成功しつつあった。水の入ったコップを手で掴み、何とか飲む事に成功した。しかし、持ったコップを口まで持っていけない。頭の方をコップへと近付けないと飲む事ができなかった。

でも、感覚的に「もう歩ける」と分かった私は、思い切ってスツールから降りて歩き始めた。

カナヤンが「おっ!大丈夫か!?行けそう!?」と問う。それに対して私が「大丈夫、大丈夫」と答える。彼はホテルまでずっと、私が倒れないように支えてくれた。でもまぁ、この時点で実は自立出来ていたのだけどね。

お店の女の子が「歩ける!?大丈夫!?ホテル、どこか分かる!?」と聞いてきた。

私はホテル名を言わず、「ソイ7だよ」と言った。女の子は「ソイ7?本当!?本当にそこで大丈夫!?分かった、私がタクシー呼んであげる!」と言い、店のすぐ前の道路でタクシーを停めてくれた。タイ人の優しさに感謝、である。

そして…我々二人はそのタクシーに乗り、何とかホテルまで帰って来れた。

タクシーから降りてもずっと、カナヤンは私を支えようと必死だった。何とも優しい奴だ。でも彼も彼でフラッフラだから正直、もう自立出来ていた私としては歩きづらかった(笑)。

私は「もういいよ、大丈夫。ありがとう」と言い、それぞれの部屋へと戻った。

ちなみにその後、夜中の23時頃に目が覚めたのだが…その頃にはもう、街を歩き回れるくらいに回復していた。ちょっとフラフラしていたが、ちょうど心地よいくらいの感覚だった。とにかく、睡眠効率が爆上がりしているのが分かった。

翌朝…我々は日本でも経験したことのないくらい、スッキリとした気分で目が覚める事になる。

カナヤン曰く「むしろ、日本にいる時より調子良かった」とのこと。

ははは…こりゃあ、日本では合法にはなりませんわな。お医者さん、困っちゃうからね。

何にせよ…お互い無事でよかった。

貴重な経験をしましたとさ。


その83へ続く—

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