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タイでのエピソード・その3
ーその2の続きー
「頼む、全てが上手く行ってくれ...」
私はそう思いながら、ターミナルの中を歩いていた。
今までの人生で飛行機自体、そこまで乗ってきたわけじゃない。数えるくらいしか無かった。久しぶりもいいとこ。
チェックインすらままならない、どこからどう見ても「田舎者」丸出しの私は、遅れながらも何とかチェックインカウンターへと辿り着いた。
そして、荷物の検査を受ける。
...「18kgオーバーしておりますので...」
「...え?おーばー??」
今思えば失笑ものだが...その頃の私は、「重量制限」ってやつを全く知らなかった。
置いていけば良いものを、アコギやらゲーム機やら服やら靴やら...未練タラタラで持ってきたそいつらは、私の荷物の重量をムダに重くした。
「重量オーバーですので...追加料金として9万円になります」
「きゅ...!!」
...やられた、としか言いようが無い。チケット代より高い金額に、私は耳を疑った。
「ちょ、ちょっと待ってて下さい」
私はターミナルの公衆電話から、さっきまで話していた親に「泣きの電話」を入れた。
事情を説明すると、「払え。仕方ないじゃん。後で助けてやるから」と言ってくれた。
しかし...親から10万円受け取ったし、確かに払うには払えるが...ここで9万円を失うのは、今後の事を考えるとあまりにも痛すぎる。
今思えば、私はPlusマーク付きのVISAカードを持っていたので、後で指定口座に入れて貰えば、現在の為替レートで普通に現地ATM引き落としも出来た。
...が、その時の私はパニックで、そこまで冷静に物事を判断出来なかった。と言うか、そんな知識も無い、世間知らずだったのだ。
じっくりと考えたいところだが、時間は容赦なく過ぎて行く。ただでさえチェックインが遅れた私に、残された時間はそれほど多く無かった。
あぁ、どうしよう...
......と、私が困っていると、恐らくはタイ航空の偉い人...であろう人物がチェックインカウンターまでトコトコと歩いてきた。
手は、後ろに組んでいる。今思えば、あの「余裕」と言うか...その雰囲気自体が不思議に思えた。
彼は私ではなく、カウンターの女性に話し掛けた。
「...どした?」
「あ、いえ...」
カウンターの女性が口を開こうとしたところに、私が横から入った。
「実は僕、海外初めてなんです。でも重量オーバーしちゃって...でもどうしても行かなきゃいけなくて...それで困っていて...」
辿々しく私が説明すると、彼はまたカウンターを見て、受付女性に質問した。
「...いくらになったの?」
女性が答える。
「9万円です。」
それを聞いた彼は、優しい笑顔で受付の女性にこう言った。
「...2万円だけ、頂戴して。」
...私は泣きそうになりながら、全力でお礼をした。
「あ、ありがとうございます!」
彼は大きく頭を下げた私に対し、「いいから」と言う意味合いでふっと手をかざし、静かにその場を去った。私に対しては終始、無言だった。
...色々あったが、何とか飛行機に乗る事が出来た...。
飛行機の中で私は、カウンターで会った男性の事を思い出した。
「誰だったんだろう...?まぁでも、もういいや...何とかなった...」
身も心も大いに疲れていた私は、その後ぐっすりと眠った。
——ちなみにこのエピソードは、結構な確率で信じてもらえない。要はそれだけ、他の人が聞いても「出来過ぎのタイミングだった」と言う事だ。だが誓って、本当の事である。
...こうして文章を書いている今でも、彼が何者だったのか分からない。当然、タイ航空の関係者だったはずだ。
だが...あのタイミング。
確かに、都合が良すぎる。
あの出来事は間違いなく、「特別な何か」だった。
イルミナティ...?
まさか。
「9」万円...。
2+9=11。
11は私の数字だ。11/11生まれ。
はは...なーんてね。今となっては、分からない。
ーその4へ続くー
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