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タイでのエピソード・その83
3日目の朝…
私は早くの時間に、ホテルロビー前のレストランでコーヒーを飲んでいた。
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うむ…染み渡る。うまい…
ナナ通りの騒音の中、北海道や大阪で眠るよりもずーっとスッキリ眠ることが出来た。
恐らく、昨日散々吸引したアレが睡眠効率を高めてくれたのだろうな…。
素晴らしい。お店のお姉さんも寝る前に吸引して瞑想すると、最高の状態で眠れるようになったという。
何と言うかまぁ…日本ってのは徹底的に情報統制されているのだなぁと、改めて強く実感した。
政治経済、医療と健康、その他もろもろの「一般ジョーシキ」…
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誰もその「真実」ってやつを知らない。皆、目を開けながら眠っているようなものだ。それを果たして「生きている」と表現できるのかどうか…
そんなことをボケーっと考えながら、コーヒーをゆっくりと啜った。
うーん…やはり、旅は良い。普段考えないことを考えるし、お金に決して変えられない経験もできる。こんな良い趣味は無いよなぁ。
…そうしているうち、遅れてカナヤンが部屋から下へと降りてきた。
「うーっす」
「おう〜」
慣れた挨拶を交わし、我々は普段決して食べない「朝食」ってやつを注文した。「旅のノリ」ってやつである。こんな時くらい健康を度外視し、思う存分楽しみたいもの。
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ブロッコリーのニンニク炒め。いちいち感動するほど美味しい。恐らく昨日吸引したアレのおかげで、食べ物が美味しく感じられている。
カナヤンがニコニコしながら「めっちゃ調子良い(笑)。何なら日本にいる時より調子良い!」と言った。
やはりか…これは確かに日本では解禁にならんだろう。長年かけて壊してきた日本人の肉体と精神を回復させる「きっかけ」になってしまうからね。
大麻は「すべて」になる。食事、健康維持、衣服、燃料(ヘンプオイル)、加えて何とコンクリートの代わりにもなる(ヘンプクリートという)ため、実は大麻で家が建つ。しかもその性質上夏は涼しく、冬は暖かい、暮らしにとってベストな空間を生み出せるという。
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言うまでもなく、今の時代はその代役を石油が担っている。本来、我々の生活はあの雑草一つあれば簡単に成り立つのだ。
日本人がさらに最強になり、加えて石油の存在意義まで否定されるようなら、確かにエリート側からすりゃ〜たまったもんじゃない。
今後も、日本人が国内で所持&使用出来る日は来ないだろう。
※2023年12月6日に開かれた参議院の本会議で、改正大麻取締法が成立しました。それにより、今後日本国内では「所持」のみならず「使用」も禁止となるようです。
また、タイ国内でもちょくちょくクレイジーな事件が取り上げられ、いちいち大麻解禁と結びつけて問題にしようとするムーブメントが見られる。
時系列が前後するが、我々がこの旅から帰ってすぐ、何と東南アジア最大級のタイを代表するデパート「サイアム・パラゴン」にて、銃撃事件が起きた。ほぼ入れ違いだ。
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これにより3人が死亡。加えて、少なくとも5人の負傷者を出した。
このニュースでも、「タイでは昨今、大麻解禁における国民の行動を問題視する声も上がっており…」といった具合に、いちいち突っ込んでいる。
「娯楽」として浸透する分には問題ないにしても、やはり身体に有益であることが一般ピープルに認識されると、それはそれで厄介なんだろうなぁ。
朝食の時の我々の話は終始、昨日の事件の事だった。
「嫁の顔と息子の顔が脳裏によぎった…」というカナヤンの話を聞いて、腹を抱えて笑ってしまった(笑)。でも確かに彼の立場からすれば、ピンチの状況だと思ってしまうのも無理はないだろう。いやー、ホントに申し訳ない。
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ブロッコリーと一緒に頼んだグリーンカレー。これも辛いが美味。
大阪では韓国人のカナヤンの影響もあり、辛いものを結構食べさせてもらった。そのお陰か、明らかに昔滞在していた時よりも、辛さへの耐性が付いている。結果、全てのタイ料理が以前に比べて数倍、美味しく感じられた。
そんなこんなで2日目の夜、ナナ界隈を満喫できなかった我々は、本日の観光に全力を出す事にした。
と、その前に…私には今日も会うべき人がいた。
数年前、滞在していた時にお世話になった駐在員のご家族…その奥さんだ。私が勤めていた会社の友人繋がりで知り合った。
以前のエピソード中でも述べたと思うが、私がそこの娘さんに家庭教師をしていたのだ。
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ちょっとだけ知恵遅れな所がある子だったが、私と彼女の努力の甲斐あって、その後英検3級に合格することが出来た。
お宅を訪れた際にはたくさんご飯を頂いたし、何より孤独を感じていた私にとって、その存在そのものが大きな心の支えになっていたのだ。
改めてその時のお礼を言いたく、会う約束を私の方から取り付けた。
会うのは実に7、8年ぶりになる…メッセージでやり取りしただけだが、お元気なのだろうか。
今回は私の教え子だった子ではなく、その妹さんと一緒にお会いできる事になった。姉妹共に日本に住んでいるらしいが、タイミング良く、たまたま妹さんがタイに遊びに来ているらしい。何というラッキーだろう。
あの頃…バンコクの辛さを経験しつつも、このご家族の所にお邪魔するのが本当に楽しみだったっけ…。
当時、妹さんは12歳の小学生だった。
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タイの学校に通っていた彼女は、女子ながら男子顔負けのサッカー選手で、「将来のなでしこジャパン代表」とまで言われていた。
今は…何をしているのだろう。
まぁ、いいか…会えば分かる事さ。
ホテルの喫煙所で再び合流した我々は、早速その人との待ち合わせ場所である、アソーク通りのスターバックスへと向かった。
—その84へ続く—
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