罪のありか

我々ヒトは、数十兆個の細胞から出来ている（誰が数えたのか知らんが）。

その細胞が一定数壊れたり、錆びたりすると当然、異常をきたす。風邪をひいたり、ガンなどの重たい病気になったりする。

このメカニズムはそのまま、国にも当てはまる。

以前も言ったが、国家とは生き物である。

国をある程度細分化しても同じ。都道府県、それぞれの市町村もそうだ。そこに住む一人一人が、地域の「細胞」。だからこそ、住んでいる人たちの活気が無ければ、国もやはり病気になる。

そう...今の日本の様に、ね。

私の地元である北海道釧路市は、人にもよるが、大体の人たちがこの地域の状況に納得していない。

「不景気すぎる」

「活気がない」

...などなど。口を開けば、大体がこれ。

だがそのセリフを聞くたび、私は心の中で「お前らのせいだけどね」と思っている。だって、そうじゃんか。釧路市を形成しているのは建物じゃない。お前らヒトなんだよ。

釧路市が不景気で活気が無いのは、お前らが不景気で活気が無い存在だからに他ならん。

ん？市長も悪いとな？そうかそうか。まー、確かにね。

でもさ、彼を選んだのもあんたらなんだよ。

「自分が望んだ人とは違う人が選ばれた」と主張するかもしれない。だが、「選挙は多数決であり、一番票が多かった人が選ばれる決まりになっていますよ」というルールを理解した上で参加したんだよね？なら、その結果自体に文句は言えないはずだ。

格闘家を始めとしたアスリートもそう。誰しもルールに則って、それに同意して戦うが、負けた後でルールにいちゃもん付ける選手なんていないでしょう？もしいたら、大ブーイングだよ。

選挙に参加しなかった人は論外。「好きにして」って事になるし、文句を言う権利は無い。

そう、私の様に、ね！（笑）

——以上の理屈に少しでも同意してくれるなら、以下の理屈にも、あなたは同意しなければならない。

我々は毎日、人を殺している。

その理由は単純だ。

「死刑執行に同意しているから」。

人を何人も殺した人が、ニュースで「死刑判決となりました」と報道されたら、みんなどう思うだろうか。

多分、「アホだなぁ」とか、「まー、当然だよねw」とか思うだろう。

その時点で、あなたは殺人に加担している。

「罪とは？」

......私の考察を追いかけてきた人なら、それを一度は考えただろうし、その答えを出すにも慎重になるはず。

「罪」なんてのは所詮、何かしらの基準があってこそ。というか、国、そして法律があるからこそ存在するものだ。

「人を殺す事＝悪い事」と単純に言えるか？と言うと、私はそう思わない（当然、殺人を擁護するつもりはないので誤解せぬよう）。

死刑の判決を言い渡す裁判官たち。そこへと導く検事側も、判決を黙って見ていた裁判員たちも、最後に「いっせーのーで！」で「トドメ」のボタンを押して手当を貰う刑務官たちも...

言葉を選ばずに言ってしまえば、みんな、人殺しだ。

そして、その現状を我々は理解し、容認している。なら、やはり同じ事。彼らと一緒になって、死刑になった人が殺されていくのを、認めているのだ。日本という国家の、いち細胞として。

選挙のルールに同意し、この国の国民として過ごしている以上、そこは否定出来ないでしょう？

しかし...それでも言わせてもらうが、「罪」など所詮、人間が都合良く決めたルールの一環に過ぎない。

それこそ、「〇〇に比べて××は良い事だ、でも△△は悪い事だ」という単純な「決めつけ」が無ければ成立しない。当然、そんな善悪二元的考えが真理であるはずもない。

私的にはむしろ、「人殺しは絶対ダメ」なんて事を簡単に、そして感情的に言う人はあまりにも低劣だし、受け入れ難い。

だが、聖書の神は、明らかに殺人を否定している。

有名なのはやはり、アベルを殺したカインのエピソードだろう。

カインは、世界で最初の殺人犯とか言われている。

どう見ても、神は明らかにカインが行った殺人行為を否定しているし、実際に「罪」と表現している。ていうか、聖書には「罪」って言葉がたくさん出てくるよね...。その時点で、胡散臭い書物だって気付かないといかん。

クリスチャンは、「神が罪と言えば、罪なんです」と言う。はいはい、ご苦労さん。

そんなあんたらも毎日、人を殺してるんだよ。それについては、どう釈明するんだろうね。

それに、神もヒトを殺すじゃん。しかも「自分以外の偶像を崇拝したから」という、幼稚園児並みのカッコ悪い理由でね。さすが、全知全能でらっしゃる。どっかの田舎ヤンキーかよ。

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...ただね、そこで終わってしまうのも、まずいのかなーって思ったのさ。

下手すると「罪」ってのは、存在する可能性もある。

——なら、「真の罪」とは？——

何度も言うが、「罪」と言うのは元々「何らかのルール」があり、それに反したからこそ浮き彫りになる概念だ。

と考えると、「罪」と言う概念そのものが二元的だし、やはり本質的には「罪」自体が存在しない可能性も考えられる。

この世の真理は中庸にあり...。これは私の研究でもベースとなる考えだからね。（恐らく）最もピュアであり、隠蔽出来ないもの。

罪＝悪い事？

まぁ、単純に言えばそうだ。

でも、何を基準として？

......我々は、本当に「罪」の意味を理解しているのだろうか。

今はまだ...ハッキリとした答えは無い。

私自身にすら、この手のヒントが存在している（第二十七章 : 「コキュートス」参照のこと）。それもあり、簡単に答えを出してはいけない...様な気もする。

確かに善悪二元...メイソンが提唱するグノーシス主義にハマると、究極的には間違った方へ行ってしまいそうだ。

だが、何を以って「間違った方」と言うのだ？

いや...「間違った方」はあるはずだ。でなくては、死後に選択肢がある事の説明がつかない。

しかし、それだと結局は二元的であって...

あぁ...またしても、堂々巡りじゃないか。

「進化」には「二元的選択」は欠かせない（逃れられない）、とでも言うのか？

...ここはまだまだ、難しい。

ちなみに、「罪」は英語でも色々な解釈の仕方がある。crime、blame、そしてguiltなど。

だが、ここでは「sin（罪、不善）」として解釈したい。

69法で近い単語を探し、変換を試みる。

第一の変換先は...「son」。簡単だ。iからoまでの距離を見る。その距離は...6。

第二の変換先は...「sun」。iからuまでの距離は...12。

sonとsun...いずれも「INRI＝人々」（第十四章 : 「イエス・キリスト」参照のこと）。

ヒトの存在そのものが罪だとでも言うのか？

故に、単なるこの世を存続させる為の燃料（Sacrifice、生贄）に相応しい、と？

なら私とは...何なんだ。

仮にそれが真実だとして...この舞台で何をすればいい？

「罪」とは？...そして「裁き」とは？

......誰一人として、その真の答えを知らないのかもしれん。