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インディーズアーティストが低予算でMVを制作する際の重要なポイント。

まず初めに、私は映画専門学校を卒業してから7年間にわたってフリーランスの映像制作者として活動をしてきました。ここではその7年間の経験からお伝えできる、MV制作をお考えの際に知っておいていただきたい内容について書かせていただきます。特に低予算で高品質のMVを作りたいとお考えの方には、この記事を読んでいただいてからクリエイターや制作会社を選定していただきたいです。

まず、約7年前から映画監督を目指していた私がMV事業に興味を持った最大の理由からお話させていただきます。一言でいうと、「クオリティの低い作品が多過ぎる」この印象があまりにも大きかったです。もちろん、予算をかけたメジャーアーティストのMVはカッコ良くて手の込んだものが大半ですが、おそらく低予算で制作されたであろうインディーズアーティストのMVは見るに耐えない素人クオリティのものが過半数を占めていると感じました。

先に断っておきますが言いたいことは山ほどあります。

まず私がなによりも大事だと思うことは、ふざけた遊びではなく真面目に音楽活動をする気があるならちゃんとしたMVを制作すべきだということです。

素人のようなクリエイターに依頼して作られてしまった作品をSNSで拡散することは自分たちの音楽活動を破滅させることなのに何故そんなことが起きてしまうのでしょうか?

それは、ろくな経験も専門的な知識もない「自称MV作れます」的なカメラ好き人間たちが存在しているからではないでしょうか。

私は別に自分がMVを作りたいから他人の悪口を言って案件をかき集めようとしているわけではありません。純粋に思うのです。現代はそこそこのお金をかければ絶対にかっこいい映像を作れる環境が整っている。インディーズアーティストもメジャーに負けないようなMVは絶対に作れるはずだと。


よくこんな話を聞きます。

友達で映像を作れる人がいて、焼肉を奢るだけでMVを作ってくれる。

友達の友達でカメラをやってる人がいて3万円で編集までやってくれる。

知り合いに映像クリエイターがいて安くMVを制作してくれる。

大体こんなような話を聞くと、私の中の何かが反応します。「それ本当に大丈夫ですか?お金の無駄になりませんか?」


たしかに知らない人に制作を依頼するよりは知り合いに頼んだ方がなんとなく安心するのかもしれませんが、依頼を受けた制作者がきちんと納品をするのは当たり前の話なので安心も不安も無いと思います。支払いの約束事だけ完成した後に納品と同時に支払いというようにすれば制作費の持ち逃げ等も起こらないと思いますし…


とにかく、以上のことをふまえて「クリエイター選びはちゃんとしよう!」と考えていただきたいです。


確認していただきたい2つのポイント

・使用可能な機材は何を持っているのか?

・映像制作について多くを語れるのか?


私はこの2つを確認して制作費の面で納得が出来れば、制作を依頼しても良いと思います。過去の制作実績を確認するのも大事ですが、そこには微妙な落とし穴もあると思いますので…


まず1つ目、アーティストの皆さんが使用可能な機材を確認しなければいけない理由についてですが、そもそもどんなに才能や実力があったとしても良い機材がなければ撮れる画は限られてしまうからです。重ねてお伝えさせていただきますが素人クリエイターにはご注意ください。昨日今日動画が撮れるカメラを買っただけの人間はクリエイターでもなんでもないです。誰にでも、どんなクリエイターにも初めてはありますが、かと言ってそういう方に制作を依頼して良いのかどうかとは全く別の話だと私は思います。

機材について具体的な名前を出します。まずはカメラですがSONYのα7シリーズ、LUMIXのGH5、GH5S、ブラックマジック社のシネマカメラシリーズ。この辺りのカメラを使用しているクリエイターであれば撮影機材に関しては優秀だと思います。説明すると長くなるので私を信用出来ない方は自分で少し調べてみてください。より良い映像を撮るために勉強をするとこの辺りの機材に辿り着くはずだとしか言いようがありません。

CanonやNikonのカメラを使ってるクリエイターにはご注意ください。もしかしたらその方々は良くて写真の人間。最悪の場合MVに関しては素人です。(もちろんCanonやNikonユーザーの方にも優秀なクリエイターもいますが、私が過去に出会ってきた胸糞悪い自称クリエイターたちは大抵がCanonユーザーでした。)ヨドバシカメラに行くとCanonかNikonを店員さんにオススメされるし値段的にもエントリーモデルとか手に入り安いのが理由だと思いますが、「なんでその機材を選んだんですか?」と質問することをオススメします。その答えが納得できる内容であればあとは自己責任なので…

ちなみに被写界深度を操れないパンフォーカスになるようなビデオカメラを使うテレビ業界出身の人間たちは論外なので、例え見た目は高そうな業務用カメラだとしても要注意です。被写界深度やパンフォーカスと言ったワードについては是非お調べください。


次に周辺機器についてですが、今はドローンやジンバルも比較的お求めやすい価格で売られていますので、持っていないクリエイターをあえて選ぶ方がリスクがあると思います。

DJI社のドローンやジンバルが有名かと思いますが、別に他のメーカーのものでも問題はないかと思いますがその場合撮った映像の確認はした方がいいかと思います…

ドローンで言えばDJIのMavicシリーズ。あるいは上位モデルのPhantomシリーズ等であれば予算的に折り合いがつけば使用してもらうことをオススメします。一昔前では考えられなかった空撮映像が皆さんのMVに使用出来るかと思います。

ジンバルについても同じくDJI社のRoninシリーズが優秀な機材と言えるでしょう。価格的にも10数万円なので、真面目に仕事しているクリエイターなら持っていて当然です。

ちなみに私の場合ですと、Libec社のALXという三脚の上に乗せるスライダーも個人的に大好きな画が撮れるので持っています。この他にもクリエイターによってはこだわりがあって使用する特殊機材等があるかと思いますが、絶対にその辺りについても依頼前に確認をして下調べすることを強くオススメします。ただカメラだけを手に持って「これが私の個性、特徴」などと言うクリエイターにはお気をつけください。ただお客様の制作費を自分の利益にしているだけの偽物クリエイターとしか思えません。


機材については最後になりますが編集ソフトはAdobe社のプレミアを使ってる、もしくは百歩譲ってファイナルカット。Adobe社のプレミアは月額3000円以下で使用できて使用可能なエフェクトも多く世界的にも最もポピュラーな編集ソフトだと思います。逆にこれを使ってないクリエイターにはその理由を聞いてみていただきたいです…


少し長くなってしまい申し訳ありませんが、ちゃんとしたMVを作るためにはそれなりに勉強する必要があるのだと思ってください…これでも一生懸命今までの経験を短く伝えられるように努力しております。笑


2つ目のポイント、

・映像制作について多くを語れるのか?

についてですが、上記の機材を全部所持していたとしても実家がお金持ちだから金にものを言わせて買っただけで、実際はへっぽこクリエイターかもしれないので、少し映像制作についてお話をしていただきたいです。

好きなMVを教えてもらって確認してみるとか、逆に作りたいイメージに近いMVを見てもらって撮り方を聞くとか、好きな映画についてお互い話すとかが有効かと思います。ここで納得できなければ他のクリエイターを探すことも視野に入れるべきです。

例えば私の場合ですと、好きなMV、好きな映画、またその映画監督、撮影監督、カメラマンについてそれぞれ理由と併せて説明するので打ち合わせの時間が足りなくなります。さらにその上で予算を考えつつお客様のイメージを実際にどこのロケ地でどのような技法で、限られたタイムスケジュールの中でどう配分して作品を完成させるのかと…


もうこれ以上は読むのもお疲れかと思いますのでまとめますが、ただ動画が撮れるカメラとMacBookを買っただけの友達にはちゃんとしたMVが作れないことが伝わりましたでしょうか。この他にも1つの画を撮るために専門学校や映画大学で教わったことや、数百本の映画を見て自分で学んだ様々な知識が要されます。それが本当の映像制作だと私は思います。動画をみるファンやお客様は思っているよりもシビアです。


高いお金を払ってクソなMVを SNSで拡散させることが減ることを心からお祈り申し上げます。ちなみにお金と言えばですが、上記のような私が考える条件をほぼほぼ満たしたクリエイターや制作会社が見つかったとしても制作費が高かったらそれは当たり前のお話ですよね。


私が考える適正価格は、上記のカメラ、特殊機材、編集ソフトを持っていて、専門的な知識と経験があったとしても1日の撮影と完成までの編集でフリーのクリエイターなら7万円程度から、経費のかかる制作会社であったとしても10万円程度から。

だと思います。これを高いと思う方は少し計算してみてください。2年制の専門学校の学費が約250万円、カメラとレンズで30万円以上、特殊機材が安いと言ってもドローンとジンバルと動画用三脚で約30万円、編集用のパソコンが15万円以上、機材に関しては全て消耗品。打ち合わせに1日。下調べや音源を何度も聴いてイメージを考える時間と労力。必要であればロケハン。そして撮影と編集。


すいませんあとはもう文字で説明するのが難しいし疲れたので、何か質問がある方は私に電話かメールしてください。

深山将也 

089-1053-7913

masaya.04211008@gmail.com


というわけで、こんな長い文章を読んでいただき誠にありがとうございました。

みんなでちゃんとしたかっこいいMVを作ろう!