- 運営しているクリエイター
#グライム
労働者階級の家庭で育ったパンセクシュアルの女性は、グライムに救われた〜Debris Stevenson ft. Jammz『Poet In Da Corner』
2018年、とある劇がイギリスのロイヤル・コート・シアターで上演された。劇のタイトルは、『Poet In Da Corner』。ディジー・ラスカルによるグライム・クラシック『Boy In Da Corner』(2003)がモチーフの作品で、劇作家やダンサーなど多くの表情を持つデブリス・スティーヴンソンという女性が作りあげた。
強いて形容するなら、『Poet In Da Corner』はグラ
Mercston『Top Tier』
イーストロンドンが輩出したラッパー、メルクストンの歩みは少々奇妙だ。2000年代初頭からグライム・シーンで活躍し、盟友のゲッツといったさまざまなラッパーと共演もしている。2006年の『Da End Of Da Beginning』など、音源をまとめた作品も多い。ただ、そうした根強い人気があるにもかかわらず、正式なスタジオ・アルバムは1度もリリースしていない。そのせいか、メルクストンをカルト的
Cassie Rytz『Starts Here』
1年ほど前、グライム・シーンのMCを紹介するYouTubeチャンネルCrescoSMGにアクセスした。3分程度の動画を再生しては、次の動画に進むの繰りかえし。正直、そのときは大した収穫を得られなかった。キャシー・ライツというMCを除いて。
ライツはサウス・ロンドンを拠点に活動するラッパー。男性支配が根強いグライム・シーンに迫ったBBCのプログラム、『Galdem Sugar』に参加するなど
Novelist「Reload King」
サウス・ロンドン出身のラッパー、ノヴェリストが2018年にリリースしたファースト・アルバム『Novelist Guy』は、彼にとって特異な作品だったのかもしれない。デビュー当初の無鉄砲な姿は影を潜め、ひとつひとつの言葉を噛みしめるようにラップしていた。もともと定評のあったストーリーテリング能力が際立ち、音よりも言葉が耳に残る内容だった。
しかし彼は、マムダンスとコラボしたりと、ダンス・ミュ
Novelist『Novelist Guy』
サウス・ロンドン出身のノヴェリストは、グライム・シーンの中でも孤高の立ち位置にいるラッパーだ。スケプタ、マムダンス、スポルティング・ライフといった多くのアーティストとコラボして知名度を高めつつ、自主レーベルMMMYEHを設立し、いわゆるメジャーとは距離を置いて活動してきた。
J・ハスやストームジーが世界的に注目を集めたりと、いまイギリスのラップ・シーンは目まぐるしく変化している。そうした状