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坂口恭平との三日間(2)

到着当日、アトリエに行く前に、坂口くんが運営するmuseumに案内してもらった。それがあるのは、熊本市で一番くらいに古いというコンクリートのビル。光がよく入る穏やかな空間。ここで、初めてパステル画の実物を見ることになる。

サイズ感が予想外だった。ツイッターで見ていた印象では、もっと大きい「画面」を想像していたが、思ったより小振りで、絵なのだが、イメージを提示するというより物質的に「物」としてある、オブジェ性を持っている何か。ちょっとかわいらしいような存在感で、離れてみると色が馴染んでイメージになるのだが、近づくと、パステルの粉末が見えてきて、物質的な存在を主張する。離れて見るのと近づいて見るのでは異なる鑑賞体験がある。

オブジェ、物。生活のなかでの物作り。ということに、建築家としての坂口くんの特徴があるようにも思われる。

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