30年後の同窓会

俺の大好きな「さらば冬のかもめ」の続編ってことは知りつつも映画館ではなぜか観に行く気になれなかった。(ストーリーは違うけどね)

なんでかっていうと、あらゆる映画の中でもあの3人に勝る映画を探すのがまず難しい。
てなわけで、この映画は必然的にハードルが上がってしまっている。
ハサミ跳びで2mの高跳びをしろと言われているみたいなもんや。

でも今日、Amazon primeでやっているのを発見。なぜだか気合を入れて鑑賞しようと思った。
ようは山が動いたわけや。
それくらい俺は「さらば冬のかもめ」が大好き。

で、感想はというと、この映画はキャストもストーリーも違うけど、めちゃくちゃいいね。
あのさらば冬のかもめの3人を感じれるというのがどれだけ素晴らしいことか。
これは俳優がまずすごい。

俺の妄想やと、さらばの3人は「素」を活かした表現で、演技を通り越してあれはほぼ私生活のライブ映像やろう。本来のその人の人柄が出ちゃってるんよあれは。
だからあれを演じろと言われても無理やねん。

でもあの3人を感じちゃうのよ。いろんな場面で。

ストーリーも俺は好きやな。
特に大佐とのやりとりはおもしろい。自分たちの職場でも同じことが起こってるやろう。
上司が間違ったことを言っているときに自分はどうするのかと。

本音と建前という言葉が日本にはあるけど、
俺はそれが大っ嫌い。
この映画でもそれが一つのテーマになってて、戦争と政府の建前に反抗するカウンターではあるものの、自らその建前を受け入れるシーンもあるから面白い。

ロードムービーとはこういうところがあるからグッとくる。

あの現役の兵士をしていた青年はこの3人と行動したことで、自分の仕事の情けなさを感じたやろうし、だからこそ素晴らしさも気付いたやろうな。
これは誰にでも共通することやと思う。

自分の仕事は大きな組織で、その中に属している自分もすごいんだと思っていても、じっくりよく見ると案外ちっさいんだなと思う時が来る。
それでも仕事をしていくというのは勇気がいることやし、やめることも勇気がいる。
あの青年が見る景色は今までと違っているのは間違いないね。

この映画はストーリーもキャストも違うし、さらば冬のかもめの正式な続編ではないけど、こういう映画はこれからも受け継いで行って欲しいね。とくに邦画に。

この映画をジャックニコルソン、オーティスヤング、ランディクエイドが演じていたらどうなっていたのかという気持ちは無くならないけど、それは夢であるから叶わなくていいねん。
そんなドリームが叶うはずがないねん。
夢は叶わないことに憧れるもので、決してお金を払えば叶えられるものなんか夢じゃないからね。

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