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山谷の「大林」が閉店



西荻の酒房高井さんのtweetで閉店を知る。山谷「大林」。コロナ禍前に浅草以北歩きが好きで何度か経験しておいて良かった。酒気帯び客や複数人連れ、スマホ、禁止。神棚があり、大正、昭和初期に迷い込んだような。2015年に絵を描いていました。種類豊富なおつまみ、牛乳割り。そうかまだ頑張っておられたのか。

「大林」の周辺には有名な吉原遊廓跡がある。そこには今も天ぷらの「土手の伊勢屋」、遊び代を工面するために乗って来た馬を置いていったことから端を発するといわれる馬肉料理屋の最後の一軒「中江」が盛況だ。北に向かい南千住にも「魔女」の愛称で有名な女将の「大坪屋」など古き良き酒場がある。

こういった酒場の中には大将や女将による厳然たるルールがある場合があり、詳しく書かれるでも説明するでもなく無自覚に法に触れれば叱責や退場宣告もあり、スリリングである。大概無事に済めば会計時には微笑んでくれる。こういうお店で鍛えればどこの店に行っても嫌な思いをせずにすむようになる。

憤慨してしまう前に、クリアした喜びを味わい、回を重ねるごとに酒場を自由に遊べるようになる方が楽しい。私は以下を守れば嫌な思いをすることはあまりないと感じている。

①入店後はなるべく店主(中心人物)と目を合わせて挨拶し、着席指示を待ち、なさそうなら様子を見て着席。
②メニューをゆっくり見ながら他の客や店員を観察
③店員の手が空き、かつ目が合った時に手を挙げて注文する。注文時に料理について質問してみるのも良い
④無事注文できたらあとはひとまず黙って楽しむ。スマホ禁止は稀だが撮影は様子見て、出来れば許可をとるのが無難。「人は写さないで」という場合は結構ある
⑤印象を悪くすることは以下
・初訪の場合勝手に席に座る
・店員の動きに構わず呼ぶ→反応ない場合も呼び続ける
・無遠慮に撮影
・いきなりはしゃいだり大声で話す
⑥一度目は余計なことはせずに静かに飲むのが無難だが、皿を下げる時や再注文時に雰囲気や料理の感想を伝えると打ち解けることが多い。また、質問でもよし。会計時も同様。途中で追い出されることがないならば、これは重要。
⑦終始無愛想な店主もいるが、常連客と打ち解けることが出来ればお店のルールがわかる。
⑧合わないと思ったらふてくされず一杯で出ればよし。潔く「ご馳走様」といえば出るときは丁重に「ありがとうございました」ということもある。悪気はなく、その土地で生き抜くために葛藤の積み重ねの中で生まれたキャラクターなのだから。

最後に、これは酒場のみならず純喫茶、洋食店などでも同様で、個人的に大切にしているポイントだ。飲食店にはサービスを受けに行くというよりも、「料理や雰囲気の味わいを楽しみにいく」。ずっと店員と関わらずに通うこともある。西荻窪「それいゆは通って20年くらいになるが、5年は黙っていたと思う。基本、黙っていればトラブルにはならない。


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