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【中編】〜ブランディングで金儲けを諦めるな!〜『ブランド論/デビット・アーカー』書評と考察

今回は、ブランドデザインを実際に行う人向けです。
パートでいうと、第二章〜第三章の考察になります。

この辺りを改めて読んでいると、これブランディングの経験ない人だとほんとわかりにくい本かもなと、思い始めてしまいました、、、笑
あとは、表現や専門用語が日本語的に理解しにくいかなと思います

それでもこの本にはかなりの重要な頃が書かれていることには間違えがありません。特に一章のブランドの価値については、前回見てない人は読んでみてください。>前回


この章の構成は、ブランドビジョン自体の説明、そして作り方
と、作るときに強みをどのように考えながら詰めていくかという構成です。

正直、中盤以降は、専門用語連発と時代背景の異なるTIPSが多いので、なかなか難しい、理解できないパートになっているのではないかと思います。

ここで私からの助言としては、ブランドはオーダーメイドなので、再現性を求めてなんでもメソッドで解決できると思うのはやめる、です。
これを胸にとめられれば、この本の正しい部分を抽出し、時代背景の異なるTIPSに頭を悩まされることも減るのではないかと思います。

では、重要要素へ

①ブランド・ビジョン(38P)
『我々はこうなりたい』、『これを目指す』と内外に、明言すること
内側も含めるというところが非常に重要です。ブランド=外向け=売りを作るための包装ぐらいに思ってしまうと失敗は免れないと思います。
しかし、国内だと用意されているが、社員が知らない、機能していないケースが多い
私が考える原因のは、
1:社長などが属人的に作っているので、何を言っているかわからない。難しい
2:社員の目に触れる場所にない。
3:日本人同士だと知識などが似通って意志の一致の重要性を感じていない。
4:人事評価、組織などと関係性が薄い

などなどかなりのバリエーションがありメソッドだけで捉えるのは難しいです。ブランドに情熱を持ち、同化し観察するしかないでしょう。

さらに、今は表現の時代。
会社が自身を広げるために、より誰にでもわかりやすい、誰でも見れる場所に設置するのが常識となりつつある
その方法の一つがメディアキットだ。スタートアップなんかは真似してみるのも良さそうだ。
例:twitterブランドリソース
私の見た中では世界的にもかなり良くできている。そして、デザイナーから見ても硬派左さが残るデザイン性、他者から見ても読みやすいレイアウトなどが同居しているのも渋い。
日本企業でここまでできているところはないはず。

②ビジョンを作るプロセス(43P)
ビジョンの作り方を知っている人は少ないし、第一歩としては、参考になります

私も何回か試しましたが、使えなくはないと思いました。
しかし、私の取組む事業はIT、ハイテクなどのスタートアップも多いため、独特の遅さ、古さは、感じざるを得ませんでした
そのため今は、頭の片隅に置きながらも実際に使うことは少なくなりました
大変に大きい会社、歴史のある会社に適応する場合には有効である可能性はあります
一度は絶対に読んで理解をおすすめ!


その他注目のワードとしては、ブランド・パーソナリティ(57P)
ブランドの擬人化した時のイメージ。擬人化することで、そのブランドがどういったい人格=特徴を持つのかをより具体的に考えることができる

UXで言う所のペルソナのような感じで、補助としては悪くない

しかし毎回律儀に考えるのかと言われると、大きな組織、合意形成のためのおおきな準備運動のような非効率性も感じる。

また、そもそもやり方はトリッキーなので、すべての人にとってすぐ参考にならない手法ようにも思える。
ブランド価値が大きな%を締める趣味趣向品、高級品、ファッション、食品、エンタメは大変に参考になりそうでもある。

その後も続く、絶妙にわかりにくいカタカナ英語は、一回日本語にするか、英単語にするかで理解しやすくなりました
マストハブ=must have / 必須要件
イレレバント=irrelevant / 無関係
エグザンプラー=exemplar / 手本 = わかりやすくいうとマーケットリーダー的存在
などなど。


ここまで改めて見ていて、なんとなくの私の違和感をまとめると
1章は、ブランドの価値をクリアにする
=誰でも読むべき素晴らしいパート
ただし少し書き順が混沌としている。

2−3章は、実際にブランドを創り始める重要なパート
しかしその大半が日本語と英語、日本市場と外国市場の差や専門用語の多さでわかりにくいかなと思いました。
あとは、ブランドの話をするときに、市場適性(アウター)の話から始めていますが、私は社内(インナー)から始めた方がいいと思います。
実際に順序としてそうならざるを得ないです。
社長がなんでも売るわけでなく、必ず、製造、営業、カスタマーサービスなど役員でない人たちこそが、ブランドの重要なタッチポイントとして形成されるからです。

割かれているページや順序が、後ろの方にあるので、インナー(社内)パート(202P〜)は皆様に確認をしていただきたいところです。

この本の順序を書き換えるとするなら
・ブランドの明確な価値の話
・ブランドビジョンの作り方の話
・インナーブランディングの話
・アウターブランディングの話
とすべきかなと思いました。本ではアウターから始まってます。というかアウターがちりばめられ過ぎています

この章は、大手のマーケターの読む本かなという様相は強く、なかなか理解しにくい部分も多かったかなという印象です。デザイナーでも、経営者でも新規や外国経験があれば、経験で読めるとも思います。

そしてこれらは、まだ日本のスタートアップ、新規事業に適応するには、時間的にも無理がある
この本はここまでで既に価格を超える十分な価値がありますが、やはりこれをこのままやる本でなく基礎の知識としての一助というのが私のここまでの見解です。
故に1冊目に紹介をしますが、それだけでは全く終わらないのがブランディングへの取り組みかなと思います。

こちらは、本をよんでいただきながら読んでいただくという斬新な?blogですが、皆様などう思われますか?

では、また次回(=最終回):)