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糠漬けの研究:「土を食う」=マイクロバイオームを食べるということ、『輪廻転生=食物連鎖』

土を食う人がいるという(注)。「異常食欲」の例として土壁を食べる人が紹介される。しかし、そもそも「土」というのは「葉や枝」が積み重なり腐葉土となり、それを細菌が分解しながら水とともに根から吸い上げられて実となり葉となり枝となる。私達はそれを食べているのである(注)。

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土とは生命の始まりの場所なのだ。

最初は真菌が「リグニン」と言われる食物繊維を分解して脂質とタンパク質の高分子化合物にする。それらのコロニーを小さな虫たちが様々に利用する。ナメクジや様々な虫たちである。段々大きな生物が食べていき、やがて僕らにまでつながる。そして生命はそれぞれに死んだ後に土に帰る。マイクロバイオームは引越し先を探す。

同時にマイクロバイオームは様々な代謝物とともに幹を上がり葉に入って生命の一部となる。そして世界は生命で溢れていく。神様がそうしろといったからだ。責任取れよな(笑)。

今日はリンゴを食べてみた。ものすごく旨くなっていた。びっくりである。柿は駄目だった。そして重要なことは、美味しいと僕が感じたということである。美味しさは身体が求めているからなのだ(嗜好品を除く)。

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この長い道のりの間に生命は様々な仕掛けを獲得していった。他の生命を取り込むことで新たな機能(代謝系)を受け取り、より上手く環境に適応してった。そして代謝系にはそれ独特の「物質」が必要になる。それこそが代謝ミネラルである(注)。

食物連鎖というのは、食物の内側の様々な生命を取り込み、その生命が作り出し、「使っているミネラル=代謝ミネラル」を受け取っていくのだ。

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一生懸命実験している。

土に野菜を埋めた時代があった。

僕の母は、いつも冬になるとダイコンやネギをたくさん買ってきて、庭の隅の砂山に埋めた。漬物をよく作っていた。スーパーに行けばいつでも買える時代が来ていても自分で作っていた。

大根はもちろんタクワンにした。

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味噌なども田舎で作ってもらって桶で買っていた。さすがに醤油はもう市販品を使っていた。

商品として発酵食品も多く売られている。漬物やキムチ、ヨーグルトやザワークラフト、梅干、魚や肉も干し系や麹や糠につけて売られてもいる。しかし、発酵は止められている。もうマイクロバイオームは死んでいるのだ。

無論手作りすれば良いのだ。手作りした食品は美味しい。紅茶キノコってまだ何処かに生きているだろうか?カスピ海のヨーグルトとか続けている人いるかなあ。ぼくの友人は洋食なのでザウワークラフトである。おしゃれである(笑)。

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糠はミネラルの材料である。根菜はマイクロバイオームを運ぶ。

そして根菜は糠の中に漬けられるのだ。葉との結びつきを失った根菜は、デンプンを「根菜」に送れない。根菜は死んだのだ、そしてそこから抜け出したマイクロバイオームは新たな場所で生きるためにコロニーを作るのである。それが糠床の「僕流の意味」だ。

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糠に漬けられた野菜たちは数日の内に「代謝ミネラル」に溢れた水を取り込んでいく。もちろんマイクロバイオームも込みである。

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様々な野菜や根菜が入り、糠壷は地球の人口を遥かに超える生命に満ち溢れる。そして大量の代謝ミネラルを作っているのだ。

糠漬けを作りははじめて一ヶ月である。明らかな変化がある。僕の内部から変わってきているのだ。

寿司や、春雨サラダ(すっぱい味)、南蛮漬け、を食べたくないのだ。

半額になっている寿司売り場の前を通っても買いたくならないのだ。「味覚=欲望の変化」は身体の中で何かが起こっているのだ。

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セロリの葉を入れている。セロリは美味しくなる。今日は月桂樹の葉(ローレル)を入れた。どうなるか勉強である。

僕は「酸っぱさがほしい」といういうのはミネラルが不足しているサインだと考えている。妊娠中に「酸っぱいもの」を欲しがるというが、これも身体がミネラルを必要としているのでははいかと思う。酸っぱい果物を食べたいのはミネラル不足かもしれない。しかし、糠漬けほど代謝ミネラルを果物は持たない。これは困った(笑)。

医者や栄養学者は鼻で笑うだろうが、構わない。僕は自分の人生のために食事で身体と向き合っている。

私達は恐らく長い「進化=(適応)」の道の中で「酸っぱさ」を得てきた。それは「発酵」と言うプロセスから生まれた。「ワインビネガー」であり、「糠漬け」であった。そして、そのプロセスが生んだ代謝ミネラルとの結びつくが身体という記憶する装置に残されているのだ。

そして、寿司や春雨サラダのように酢の強い食材はフェイクな心地よさをもたらすのだ。だから売れる。

商品化された食事が私達をそれなりの人生のお終わりに向かわせる。

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昆布はでかいまま奥に入れておくと、汁を含んで食べることが出来るようになる。僕はとても好きだ。海から昆布は様々なミネラルを持ってくるから壺の中にそれを持っていってくれる。

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リンゴ最高である。びっくりした。柿は駄目だったから、余り期待していなかったが、とろけるように甘くなっている。高価な梨のようであった(褒めすぎか)。半分糠に戻した。どうなるだろうか。今日はゆずを入れた。今度はレモン入れたり楽しんで行こう。まあ、命取られることはあるまい。

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トンデモなく美味い朝食である。

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食事を作るというのは難しい。糠漬けはまっさきに絶滅して今では「好事家」の道楽のような扱いである。

しかし考えてもらいたい。私達は冷蔵庫を持っていなかった。農家の収穫物を貯蔵する方法もなかった。食材は、各家で取っておく他なかったのだ。そして、家族の食事を毎日作ったのだ。家庭と言うコロニーは「調理」と言うプロセスを保持して、いたのだ。

その家庭というシェルターは『グローバリズムという「獣」』が全て食い散らかしたのだ。


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調理というプロセスを持たない石器時代の生活は、食事を土に近いところから手に入れて食べていた。採集狩猟の生活は保存が効かず食物の生体系の一部だったのだ。日本では火葬が多いが僕は土葬が良いなあ。桶に入れて、庭に埋めてもらいたい(笑)。

我死なば 焼くな埋むな 野にさらせ 痩せたる犬の 腹を肥やせよ 小野小町

平安飢饉2
平安飢饉

このお話の続きというか兄弟話です。

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注)土を食う人がいるという。

僕の本を読んでいただいて、身体の問題に関してやり取りしている友人とのメールで出た話題だ。この記事の中で、土を食べている老人の話が出たのだ。しかし、食べているのはどうも単なる無機物としての土ではないように見える。腐葉土なのではないかと思う。

僕が驚くのは、それを食べたいという渇望が身体の中にあるということだ。その渇望をわからない人間は「病気」と呼ぶが、それはその人の内に理由があるのだ。

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せっかくなので引用することにした。これだけで一つ記事になりそうである(笑)。

そもそも土といっても、枯れ葉や枝を積んでおいて腐葉土という形に変えるでしょう。その腐葉土には多くのマイクロバイオームが住んでいて、植物が作った炭水化物を代謝しています。マイクロバイオーム(粘菌や通常の細菌)も生命ですから、その内側ではATP<=>ADPの代謝を行っています。
そして、人や多細胞動物とは違い細胞膜の外側で糖質(や多くの代謝物)を作ります。それを僕らは「カビ」というのです(笑)。
僕が毎日飲んでいるお酒は「カビ」が作ってくれた汁です。
こう言うと気持ちが悪ので、「酵母」と読んでいますが欺瞞です(笑)。

しかし、カビは安定した環境でしか生きれません。風が吹いてもおひさま照ってもすぐにそのコロニーは破壊されます。乾燥が一番の苦手です。
なので、多細胞生命という加湿器の粘膜の部分やその皮膚の内側に住処を求めます。
地面の深いところの砂なんか食べても胃の中でジャリジャリするだけでしょうね。食べるなら、腐葉土がいいと思います。実際植物はそれを食べていますから。正確には植物というのは、マイクロバイオームが乾燥から身を守りながら有機物の代謝のスタートになる物質(=炭水化物・繊維+糖)を合成しているのです。
まさに、「土と内臓」の世界ですね。あの本では、土壌の中にいるマイクロバイオームと腸内のマイクロバイオームを連続して考えています。牛などの反芻を行う動物だけではないのです。

僕は最近では、口腔内や肺胞内といった粘膜部分からの身体への取り込みも研究されたらいいんと思います。と言うか、免疫学の研究者は少しそのアタリのことを発表しています。でも、僕に言わせれば全く弱いです。
疾患が発生することばかり論じていますが、その逆のことをもっと考えねばならないですよね。
善玉菌という表現は大嫌いなのですが、それなりの調和が生まれているのですから。ピロリ菌の虐殺も分子生物学的な根拠ないと思っているのですが、あれって結構医学業界のドル箱だからなあ(笑)。ピロリ菌死んだ後には何がその扶翼な大地を占領するのかなあ(自然は真空を嫌う)。コロリ菌とか有るのかしら。


「土と内臓」にかかれているのもまさにそのことです。

糠漬けなんかも考えてみれば、野菜を土に埋めて腐らせるわけですからね。
僕はタクワンつけるのだけで、あれはまさに糠漬けなんですよね。
いま、ツボに入れて漬け始めていますが、楽しみです。
ネットに書かかれているマニュアル的レシピでは水と合わせますけど、タクワンはそんな事しない(水を使わないで重しで押す)のでそうすることにしました。
やっぱへそ曲がりです。

父が実家で亡くなった時のこと

土壁って、わらを赤土で練り込んでいるのです。そして家の中には私達(皮膚とともにマイクロバイオームを滑落させています)が住んでいます。きっと壁の中には多くの生命が潜んでいます。

父が亡くなった部屋にはしばらく気配が残っていました。その気配も、初七日を過ぎ四十九日を終わる頃には分からなくなっていきました。
ベッドに寝たきりで、おしめかえてあげていました。
まさに「人」というのはマイクロバイオームのすみかだと実感しました。

無機質のこと

土は非常に多くのマイクロバイオームのすみかで、植物は根から水を吸い上げるといいますが、実際には多くのマイクロバイオームを受け入れています。ここでのマイクロバイオームというのは、「有機物が無機物をカプセル化」しているのです。

僕はミネラルを特にサプリメントでとる必要はないと思っています。
食物連鎖の中ですでに菌類から始まって長い道のりを通り受け継がれているのです。身体の内側を満たす海の中に溶け込んでいる代謝物に組み込まれえています。

赤血球は一つの細胞の中に1億個のヘモグロビンを閉じ込めています。
一つのヘモグロビンは4つの鉄分子を閉じ込めています。
毎秒120万個の赤血球は脾臓で破壊されてバラバラになったヘモグロビンは(恐らくですが)コルステロールのような運搬タンパクに入り骨髄に運ばれます。恐ろしくダイナミックな動きが身体の中では起こっています。単純に鉄のサプリなどとっても余り意味がないと思っています。

伝統的な調理方法の中にこそ、食物連鎖からミネラルを受け取る秘密が込められていると思っています。あんまり「貧血に鉄食え」て聞かないでしょう。一生懸命鉄食わせても効果がないと分かってきているのではないかなあ。



彼女にインスパイアされて糠漬けを始めた。

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注)代謝ミネラルである。

僕の作った言葉だ、どこにも出てこない。マイクロバイオームがその代謝系の中で利用しているミネラれである。分離抽出したら単なるミネラルであるが、生体の中では機能するものを指す。

鉄の分子はヘモグロビンの中に組み込まれてはじめて意味を持つ。そしてその生成と破壊そして再利用のプロセスは全く分かられていない。僅かな代謝の一瞬を捉えて世紀の大発見だという。鉄不足で貧血になるという。鉄のサプリメントを飲めばなおるというが、これだけ飲ませても治らないのは効果がないからである。食事からとればいいと言うが、鉄鍋で米調理すれば鉄が取れるわけがない。

ミネラルは、小さく精密なタンパク質と結びついてはじめて意味を持つ。そして、その結びつきを助ける数限りない数の代謝物が必要になる。その代謝物の関係は毎瞬間ごとに変わり同じ状況は起こらない。これを複雑系という。学者たちは計算できると言うが、そもそも無理な話である。専門家は解析できると言わなければ給料が出ないから大変だ。

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出来たらこれも読んどいて下さい。

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厨房研究に使います。世界の人々の食事の価値を変えたいのです。