今日は「おでん」の日:人は黒歴史から学ぶ
酒が好きと言うよりも、色々な人や食べ物と出会えるのが嬉しかった。II型糖尿病という余り尊敬されない病気になりはしたが、こんなに美味しいものを家にいながら食べる事のできる幸運をまずは喜ぼう。
大根は冬の大根が美味しい。組織がシッカリしていて、水分を細胞がしっかり持ってきてくれる。僕のレシピでは食材の持っている水分をいかに美味しく食べるかということが一番のルールだ。
田舎で母の料理しカッ食べたことがなかった。多分オデンは食べたことがなかった。似たようなものは食べていたが、オデンではなかった。
東京に出てきて驚いたのは、「焼鳥とオデンと牛丼と立ち食い蕎麦」だ。黒歴史から学んだものは多いが、美味しいおでんは家族も喜んでくれる。
中野サンモールの手前に当時、おでんの屋台さんが出ていた。ホーローのでかいバット2つに「おでん種」と大根が満載なのだ。この屋台の奥さんに習ったのが、ゆっくりと長く煮るということであった。大根は組織がシッカリしているので下茹でしなければならないとも知った。そして様々な食材の味が一つになるのだ。
屋台は人と人との距離が近く嬉しい。
今日は蒸してみた。レンコンを一緒に蒸した。レンコンは揚げるときでも蒸したほうが美味しい。味が中に入っていくし、柔らかい。
次に僕が好きなのはゆで卵だ。硬めが嬉しい。ラーメンには半熟がいいが、オデンには固茹でが好きだ。これは議論の的になる。
厚揚げは地元の豆腐屋さんの揚げたものだ。少し気を抜くとすぐに痛む。それだけ美味しいということである。大量生産のものはいくら煮ても周りの揚げた部分が「ホゲホゲ」にならない。半日煮たこの厚揚げは味を吸って美味しくなる。「The」を付けたくなる美味しさである。
牛肉は「シャブシャブに湯がいてから」入れる。脂の少ない部分がいい。肉の旨味がオデンに入り込んでくる。
今日の新人は鶏手羽の昆布巻きである。先日作った昆布巻きの時に思いついた。骨を一緒に煮込むのだからまずいわけがない。じっくりと長く煮ると最高だろうなと思い巻昆布で巻いてツマようじを刺した。先端はマユのご飯になる。
昆布巻きは魚を巻いてじっくりと茹でるものである。今回は手羽先を半分にわってまいた。昆布の旨味が出るし、鶏の生臭さが外に出ないから美味しい。はじめてやった。
料理に破ってはならないルールはない。美味しさこそが重要だ。
今日は練り物が入っていない。それもそれでいい。
4時間位煮るだろうか、味が一つになって嬉しい。
正月用にタコの足を妻が買ってきていたので端っこを入れた。五反田のオデン屋台では一番値段の高い具であった。友と一緒に飲みに行った時(僕のおごり)にタコの足が食べてみたいとお願いされたのをよく覚えている。それまで食べた事などなかったのでおそろいたことを覚えている。
五反田の屋台のことは忘れられない。駅の両側に幾つでていただろうか?ラーメンを一緒に出すところやすごかったなあ。今はどうなっているのだろうか、あそこは「この世の天国」であった。
ベースは100円で売っているオデンのだしの素である。少し薄めに初めて何度か水を足しながら味を決めていく。最後には醤油が入ることもあるしその時時で違った味になる。
朝10時に作りはじめて、4時間がたった。夜はおでんである。ビールもほしいところである。
家で出来る仕事は嬉しいものだ。料理作りながら一日を過ごせる。
また少し頑張ろう。ん、何を?
コンビニのおでんは、美味しすぎる。誰もが美味しいと感じる味を作るのは人工的な感じがする。どうも気に入らないが、あれ食べながら花見するのが毎年の花の季節の散歩メニューだ。
ああ、「ちくわぶ」買ってくればよかった。「こんにゃく」もなかった事が心残りだ。まあ、これが人生最後のオデンということもない。
厨房研究に使います。世界の人々の食事の価値を変えたいのです。