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元スペインサッカー協会認定代理人が語る「日本」と「スペイン」の違い

今回は僕たちのマガジン「サッカーは夢」にスペシャルゲストとしてMovement Global Football代表であり、元RFEF(スペインサッカー連盟)認定エージェントで現在はJFA(日本サッカー協会)登録の仲介人の植松慶太さんをお呼びし、お話を聞くことができました。

植松慶太さん

サッカー代理人としてスペインサッカーに長年携わり、日本サッカーに何を思うのか。

スペインと日本の現状を知る植松慶太さんだからこそ感じる「サッカー育成」の本質を解いて頂きました。

バルセロナを中心とする🇪🇸スペイン(ヨーロッパ)と🇯🇵日本をサッカーで繋げる役割りを演じるMovement Global Footballの代表。

日本がサッカーでもっと世界で躍動する日を目指して奔走中。

MGFは、個人サッカーチャレンジ、チーム海外遠征、プロ選手のサポート等、サッカーに関するあらゆる活動を行っています。

夢は、バルサやレアル・マドリーでバリバリ活躍する選手を見出す事。

MGF: https://www.barcelona-mgf.com

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僕たちは中学生の頃に、MGFを通してスペインへチャレンジさせてもらいました。


【旅好きだった青年】

当時、大学生だった植松さんは旅をすることが好きな青年でした。

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サッカーはというと、サークル程度でやっていて、小、中、高、とバリバリサッカーをやってきて「サッカーで食っていくんだ!」というタイプではありませんでした。

趣味の延長線上で旅行代理店に就職し、色々な国に訪問することもでき満足な生活を送っていました。

ですが、次第にオフィスワークが増えていき仕事として海外を訪問する機会が減っていきました。

少しずつ不満も増えていき退社したいという気持ちも増えていくなか、決定打となる出来事が起きます。

当時会社の全ての権限を持っていたボス、専務がいました。

専務が右と言えば仮に左が正しかったとしても右になるほどの権力を会社のなかで持っていました。

専務の下にあたる部長が常に専務の顔色を伺いながら仕事をしているのを見て「この会社で出世してもボスがいる限り部長のように生きていかないといけないのか」という思いになり6年ほど勤めた会社を退社することを決意しました。


【サッカーとの再会】

2002年、ちょうど日韓ワールドカップ直後に退社した植松さんですが、世界と日本をサッカーで繋ぐ仕事をしたいという思いがありました。

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そんな中ネット検索でたまたま引っかかった会社がバルセロナにある会社でコンタクトを取ると「バルセロナに面接に来ませんか?」と言われたので人生で1番高い面接費用を払い行くことにしました。

それからバルセロナで仕事をすることを決意し、スペインで本場のサッカーや情熱に触れ、今のサッカーへの価値観、人生の一部分と言えるものになっていきました。

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【典型的な日本人だった自分】

植松さんがバルセロナで働き始めて何年か経った頃僕は2週間ほどバルセロナへ旅立ちました。

植松さんのアテンドのもとでエスパニョールのカンテラ(下部組織)の練習に参加させてもらいました。

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左下2番目、現在ヘタフェで活躍するククレジャなどと一緒に練習ができ、貴重な体験をさせていただきました。

当時12歳だった僕がエスパニョールのコーチからもらった言葉がこちらになります。

「MASATOUは高い技術、テクニックを持っている。だが、テクニックというのは単なる一要素だ。試合という戦場の中では、時にテクニックだけでは不十分な事が多々ある。メンタル、フィジカルという面では、まだまだ改善の余地がある。試合で戦えるトータルな選手という意味では、まだまだだと言うことだ。日本の少年はテクニックは持っているが、それが試合で活かし切れていないという傾向がある。つまり、試合で通用しないテクニックだけでは意味が無いということだ。日本人はテクニックの習得ばかりに時間を割いていると聞くが、スペインでは、より完成された、トータルな選手が求められる。」

12歳になるまで日本でサッカーをしてきた僕ですが、この言葉を聞いてスペインと日本の育成の違いがあることがわかります。


 【スペインと日本の育成システムの違い】 

植松さんに日本とスペインの育成の違いを聞いてみたところ、いくつもの違いがあることがわかりました。

一つは、スペインでは毎週リーグ戦があり公式戦を戦えるということです。

このリーグ戦について「アウェイに行けば相手チームのお父さん、お母さんたちがうるさいくらいに応援してる」と言っていてこの動画を見るとよくわかると思います。

小学生の時から観客がいて、昇格、降格のあるリーグ戦を毎週戦うというのがスペインがサッカーが強い秘訣だと言っています。

僕がエスパニョールのコーチに言われたように、日本では技術練習を行い、週末は練習試合が多く1日に3試合、4試合やるのが当たり前でした。

技術の面では、評価をしてもらえたがサッカー選手としてはまだまだと言われてしまったのです。

つまり12歳の時点で、技術ではなくサッカー選手として差があったのです。

そして植松さんはこんなことも語ってくれました。

「日本ではリフティングの練習とかもよくやるけど子供たちが数を競い合っているのとかをよく見かける。その時に誰かがリフティングしているのを邪魔していたりすると「邪魔すんなよ」って言ってるのをよく見るけど本来なら試合で使える技術をつけるのが目的だし少しの邪魔くらいに耐えられるようになって意味があるのにな」

リフティングを否定しているわけではないしリフティングなどの基本的な技術練習は大切なことだけどスペインの方が根本的にサッカーの本質を捉えているとも語ってくれました。

日本人の方がスペイン人より練習しているとも言っていましたが短い時間でもスペイン人のほうがうまい選手が多いのはこういったところの差なのかもしれません。

 【プロの代理人から見た良い選手の定義】

各国の1部リーグを基準に考えると、心、技、体、(メンタル、テクニック、フィジカル)にプラスしてサッカーIQすなわちサッカーの理解度が必要だと言います。

例えば、テクニックもそこそこあってフィジカルもある選手がいたとします。そのような選手がドリブルで目の前の相手を抜くのはうまいけど、状況判断が悪かったり、選択肢がドリブルだけになりがちだったりすると各国の1部リーグを基準にして、決して良い選手とは呼べないと言います。

ただ例外として、サッカーIQとテクニックが優れていればフィジカルがなくても活躍はできると言います。

日本人で言えば遠藤保仁のような選手で世界のスターだとイニエスタやシャビのような選手のことを指します。

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それに続いてフィジカルが優れている選手、俗に言うフィジカルモンスターについて聞いてみると「フィジカルだけの選手は結局2部、3部」と言います。

フィジカルにプラスしてサッカーIQやテクニックを持ち合わせていないと各国の1部リーグでの活躍は厳しいのかもしれません。


【最後に】

植松さんからのメッセージ

「サッカーをやっている子たちがサッカーを辞めた際に「もっと挑戦しておけばよかったな」や「海外へ行っておけばよかったな」と思い残しはして欲しくない。
自分が現役の時はJリーグもなかったし、部活では、サッカーを知らない美術の先生に教わったりしていて、環境が今とは比べものにならない程だったから当時海外を思うことなんてない時代だった。
それに比べて、今の子供たちは環境が整っていて、たくさんのチャンスを得ることができるから納得のいくチャレンジをして欲しい。」

僕たちは、今回マガジン「サッカーは夢」に参加していただいた植松さんのMGFという会社を経由して中学生の頃はじめての海外挑戦をすることができました。

選手や指導者として海外挑戦に興味をお持ちの方は是非ホームページを拝見してみてください。

植松慶太さん

サッカー代理人としてスペインサッカーに長年携わり、日本サッカーに何を思うのか。

スペインと日本の現状を知る植松慶太さんだからこそ感じる「サッカー育成」の本質を解いて頂きました。

バルセロナを中心とする🇪🇸スペイン(ヨーロッパ)と🇯🇵日本をサッカーで繋げる役割りを演じるMovement Global Footballの代表。

日本がサッカーでもっと世界で躍動する日を目指して奔走中。

MGFは、個人サッカーチャレンジ、チーム海外遠征、プロ選手のサポート等、サッカーに関するあらゆる活動を行っています。

夢は、バルサやレアル・マドリーでバリバリ活躍する選手を見出す事。

MGF: https://www.barcelona-mgf.com

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今回、伊達和輝と共にインタビューをさせてもらいましたが、インタビューの詳しい内容などはこちらに上がっているので是非ご覧ください。


【マガジン「サッカーは夢」】

僕と伊達和輝の【普通じゃない2人】が送るマガジンとなっております。
共に中学生から海外でサッカーをし、生活をしてきた経験から感じていることを発信しています。
無料公開をしている記事もありますが、記事によっては、有料会員の方にしか見れない内容もありますので、もし興味があればご覧ください。
尚、このマガジンで集まった全額を日本を含む、世界の子供たちとのサッカーを通じた支援活動の一部に使わさせていただきます。

“Una pelota cambia el mundo”
サッカーボールひとつが世界を変える。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
今後ともよろしくお願いします。

千葉真登


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