酒井政人

箱根駅伝出場経験を持つスポーツライターです。著書に『ナイキシューズ革命〝厚底〟が世界に…

酒井政人

箱根駅伝出場経験を持つスポーツライターです。著書に『ナイキシューズ革命〝厚底〟が世界にかけた魔法』『箱根駅伝ノート』『東京五輪マラソンで日本がメダルを取るために必要なこと』『箱根駅伝監督 人とチームを育てる、勝利のマネジメント術』など。masatosakai.biz

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箱根駅伝を描くスポーツライターの1月3日

箱根駅伝を追いかけるスポーツライターとしては、12月と1月が〝稼ぎ時〟になる。 12月は13媒体に合計42本の記事を寄稿(箱根駅伝以外の記事も含む)。 1月は2日~14日の13日間で11媒体、合計24本の原稿を書いて、ようやく僕の箱根駅伝が幕を閉じた。文字数にしてザッと6万4000w(1月分)を書いたことになる。 そのなかでも怒涛の一日になったのが1月3日だ。 朝8時からテレビ観戦をして、昼前に大手町にある読売新聞社のメディアルームに移動。ミックスゾーンで選手や監督た

    • WEBメディアにおける〝煽りタイトル〟の9割は編集者がつけている

      好き勝手に書きやがって……。 フリーランスのライターは、こう思われているところがある。 しかし、実際は違う。 各メディアの編集部から「〇〇について書いていただけませんか?」というオファーがあって、原稿を書くというパターンがほとんどだ(ライターから企画を持ち込むこともあるが、さほど多くない)。 そして依頼された内容が編集部のイメージと違えば、書き直すこともある。 書籍や雑誌の場合はライターが担当ページをチェックすることが多い。 しかし、WEBの場合は少し異なる。 ライターが編

      • 月に100万円を稼いだスポーツライターの現実と未来予想図

        フリーランスのライターは月によって収入に大きな違いがある。仕事の多い月があれば、仕事の少ない月もあり、さらに原稿料の支払いスパンが会社によって異なるからだ。 先の読めない状況が続くだけに、稼げるときにガッポリと稼いでおきたい。陸上競技をメインにしているスポーツライターとしては、「駅伝」関連の仕事が殺到する12月が稼ぎ時になる。 昨年12月は「仕事本数」が過去最多になった(執筆量は「書籍」の仕事をしているときの方が多い)。そこで、6冊の著書を持つスポーツライターのリアルな現

        • 6冊の著書を持つスポーツライターはどんな1週間を過ごしているのか!?

          スポーツライターがどんな日々を過ごしているのか。一体どれぐらいの原稿量を書いているのか。全日本大学駅伝が行われた1週間(11月2~8日)を切り取り、ちょっと解説してみたい。 ■11月2日(土) 06時『ムックA』(約1000w)の原稿を送信 ・全日本大学駅伝の開会式前に有力校の監督を取材するために東京から名古屋へ移動。 18時『ムックA』(約1000w)の原稿を送信 ・夕方は大学時代の後輩と飲んで、終電で伊勢のホテルに移動。 ■11月3日(日) ・全日本大学駅伝のスタート

        箱根駅伝を描くスポーツライターの1月3日

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          ライターは月にいくら稼ぐことができるのか? 5冊の著書を持つスポーツライターのリアル

          出版不況が続くなか、フリーランスのライターはいくら稼ぐことができるのか。ライター歴20年弱、5冊の著書を持つ42歳の筆者が、リアルな現状を伝えたいと思う。陸上競技の長距離を得意とするスポーツライターとしては、12月が〝稼ぎ時〟となる。箱根駅伝を中心に「駅伝」関連の執筆依頼が多くなるからだ。例年同様、いくつもの締め切りをくぐり抜けてきた。2018年12月に書いた記事は以下の通りだ。 『THE PAGE』約3000w×5本 『webスポルティーバ』約2600w×5本 『VICT

          ライターは月にいくら稼ぐことができるのか? 5冊の著書を持つスポーツライターのリアル

          スポーツライターが2000w書くと、いくら稼ぐことできるのか?

          前回の投稿「ネットの原稿料は安くていのか? ライターという職業はもうダメかもしれない。」で書いた通り、最近はネット媒体の仕事が増えている。そして、オンラインの原稿料は安い。では、紙媒体の原稿料は具体的にどうなのか。 ネット媒体と比べて、紙媒体の仕事は千差万別。書店やコンビニで販売されている雑誌以外にも実はいろいろとある。顧客のサービスとして印刷物を提供している会社(わかりやすいところでいうと航空会社の機内誌)もあるし、会社や学校なども広報誌を制作しており、関係者に配布してい

          スポーツライターが2000w書くと、いくら稼ぐことできるのか?

          ネット原稿は安くていいのか? ライターという職業はもうダメかもしれない。

          原稿料の価格破壊が止まらない。その理由は明確だ。雑誌が売れない。すべての根源はそこにある。では、「雑誌が売れない」と、ライターにどう影響するのか。 ①制作予算が削られる→原稿料が下がる ②雑誌が休刊・廃刊→ライターの仕事も消滅する ③雑誌がオンラインに移行→原稿料がネット価格になる 主に上記に挙げた3つの理由で、原稿料はどんどんと下がっている。出版科学研究所の調査によれば、雑誌の販売冊数は1995年がピーク。39億1,060万冊だったが、2016年には13億5,990万冊

          ネット原稿は安くていいのか? ライターという職業はもうダメかもしれない。

          フリーランスが〝自由〟でいられることの意味。

          『東洋経済オンライン』の連載コラムが打ち切られた顛末は前回の投稿に書いた通りだが、僕がネットメディアに進出しようと考えた理由を説明したい。それは5年ほど前にさかのぼる。 スポーツライターとして、主に「陸上競技」の分野で仕事をしてきたわけだけど、〝行き詰まり感〟に苦しむようになったからだ。30代前半もそれなりに忙しく、特に駅伝シーズンの11~1月は、普段あまりお付き合いのない雑誌から声をかけられ、〝先生〟のように頼りにされることもあった。しかし、駅伝シーズンが終わると、潮が引

          フリーランスが〝自由〟でいられることの意味。

          東洋経済オンラインの連載コラムが打ち切られた衝撃の理由。

          東洋経済オンライの連載コラム『「走り」を制する者は仕事を制す』をお読みいただいた皆さま、どうも有難うございました。2013年5月から執筆してきましたが、もう更新されることはないと思います。その理由は昨年7月に「高校野球報道」の原稿が掲載拒否されたことから始まります。 http://toyokeizai.net/category/run-management 東洋経済オンラインの担当者からは、「スポーツに限らず、どんなテーマを書いていただいても構いません」と言われていました。

          東洋経済オンラインの連載コラムが打ち切られた衝撃の理由。

          収益は-25万円? ロンドン世界陸上を取材したスポーツライターの現実

          仕事で2週間ほどロンドンに行くんです、そう言うと、ほとんどの人が「いいですね!」とうらやましそうな顔をする。でも自費ですよ、と付け加えたところで、たいていの場合はピンと来ていない。自費で海外取材に出かける、ということをうまく理解することができないからだ。 そこで、スポーツライターが海外取材をするとどうなるのか? を、ロンドン世界陸上での〝収支〟とともに、きちんと説明したいと思う。 海外取材といえども、新聞社、出版社の社員は、当然「会社」が取材費の全額を負担してくれる。なか

          収益は-25万円? ロンドン世界陸上を取材したスポーツライターの現実

          創刊時から執筆してきたフリーペーパー『R25』のライター事情

          またひとつの時代が終わる。かつて首都圏で社会現象を巻き起こした『R25』が完全終了することになったからだ。 『R25』は2004年7月1日にリクルートが創刊したフリーペーパーで、30歳以上の方はお世話になった人も多いだろう。2015年9月24日号で休刊して、その後はWEB版に移行するも、2017年3月31日で更新を停止。4月28日にサービス終了を予定しているという。創刊号から記事を書いてきたライターとしては、ちょっと寂しい気持ちだ。 そんなわけで、過去に執筆した『R25』

          創刊時から執筆してきたフリーペーパー『R25』のライター事情

          ライターはいくら稼ぐことができるのか? 4冊の著書を持つスポーツライターのリアル

          出版不況が続くなか、フリーランスのライターはいくら稼いでいるのか。昨今は「1記事500円」という格安の仕事を引き受けている者もいるというが、ライター歴15年以上の筆者が、リアルな現状を伝えたいと思う。 陸上競技の長距離を得意とするスポーツライターとしては、12月が〝稼ぎ時〟となる。箱根駅伝を筆頭に「駅伝」関連の執筆依頼が多くなるからだ。例年同様、いくつもの締め切りをくぐり抜けてきたが、2016年12月の仕事とギャラについて明かしたい。まずは執筆した媒体と分量(文字数)から。

          ライターはいくら稼ぐことができるのか? 4冊の著書を持つスポーツライターのリアル