あの時の衣装が企画
いつからか洋服を作ることが、自分の習慣になりつつあります。
裁縫であったり特別な技術があるわけではないので、
正確に言えば、布を選んで、形を決めて、友人のデザイナーと相談し、
ああだこうだ言って身に纏うところまでです（それは作るに入るのか？）。
誰にどうセンスを否定されようと、
世界で１点自分のために作られた、自分が身につけるためだけの洋服というのは、
存外気分のいいものであって、いかなる時でも自分の気持ちを底上げしてくれます。
あまり忙しくないな、と、時間の余裕がある時、
またはどうしても着たい洋服が見つからないや、と言う時に、
１からオーダーして作る、と言う選択をするようになりました。
そして、それは沼でした。
日頃身につける洋服だけでなく、僕の場合ステージ衣装に及ぶようになりました。
ただ、あくまで”衣装”というものは、ステージ上で、自分を全力で映えさせるため。自己顕示欲のピークに身につけるものであって、
日頃平凡を慎ましく生きたい自分の日常において、街中で身につけるには如何せんハードルが高すぎ、それを薙ぎ倒していく勇気はどこにも見当たりません。
ひと度そのツアーや、シーズンを終えてしまうと、
箪笥の肥やしに、いや、もう少しいいものだな、
捨てられない大切な思い出がありますから、
それはクローゼットの守り神の如く、その一角を占めています。
が、しかし、年々私的スペースを圧迫していて、
その存在に頭を悩ませていました。
（どないしよう）
そこで自分の衣装の、再利用。リサイクル、リユースについて考えるようになりました。このことに限らず、一つのものを、大切に、長く使っていきたい。
SDGsについて考える。現代を生きる人間として課題に向き合う、と言うことに逸れていないといいなと思いながら、
まだまだ勉強不足が否めませんが、自分の中ではもう少し精神年齢の低いところの、初歩的入門編として。もったいないお化けと、どう対峙していくか、そんなところから始められたら。
まず、今回のターゲットは2021年のツアーのために作った、白いレザージャケット。
ステージ上の動きやすさを加味して、かなり柔らか目のフェイクレザーの生地を選んで作られています。
デザイナーと相談した結果、これをザクザクと細かく切り取って、
スマホケース的な小さなポーチにに出来たら良いのではないかということになりました。
と言うわけで、なるべくこの白い布地の空白を埋めるべく、落書き開始です。
美術に正直自信はありませんが、
センスやアイデアを仕事にしているちっぽけな意地やプライドはあります。
職業バンドマン、ロックバンドなもので、
勢いや熱量、雰囲気でなんとかするプロであるとも言えるかもしれません。
中途半端なものは逆に浅はかに見えるので、いっそ左手で書いてみたりしています（本来は右利きです）。決して飽きてきたとかそう言うことではありません。
せっかくですので、自分の書いた歌詞や曲がふんだんに盛り込まれたデザインになっております。見る人が見れば分かります、きっと。
思いのほか大変だったので、夜な夜な時間を見つけては、3日くらいに分けて夜なべしました。2日目の終了時には純白のボディがこんなあられもない姿に。
タトゥーを身体の隅々まで入れいく人の気持ちがほんの少しだけ分かった気がします（入ってませんけど）。
そして、夜なべ3日目、最終的な出来上がりがこちら。
お粗末様でした。
というものをこれからザクザクと切り刻んで貰ってですね、
春くらいに、願わくば母の日くらいまでに、
何らかの形でお届け出来れば良いなと。
ただ、これ１点だと採れ高もさほどなく、もしかしたらあまり数がつくれないやも？というところで、もう１点2017年の10周年の武道館の時のセットアップも。
こちらは汚さずに、シンプルにチェックのままでいいかな、同じようにスマホケース、小さなポーチにしてもらおうかと。
えー大事にな思い出を！とか言われてしまいそうですが、
僕らの音楽を好きな方に持っていていただいたり、大切に使っていただければ本望ですし、家のクローゼットに眠っているよりか、その方が遥か有意義だと思うので。
もう一度でも、いいや何度でも、あの舞台に立てるように頑張ればいいだけの話ですし、僕がその場所にふさわしい人間であれば、またその機会は巡ってくると信じています。
さて、明日BIGMAMAとして、新しいNEWSをお届けする予定です。
我々の本気の遊びに、挑戦に、悪ふざけに、お付き合いいただけると幸いです。
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褒められても、貶されても、どのみち良く伸びるタイプです。