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夢見モグラは空を待ち侘びて 15日目

モグラが通っていた図書館の入り口には、
大きな置き時計が飾られていた。
モグラはその前を通るたび、
小さくお辞儀をした後に振り子のリズムに合わせて、
チクタクチクタクと左右に揺れてみせた。
しかし今日は、どうにも針の音が聞こえてこない。
どうやらこの前の地震のせいで止まってしまったみたいだ。
モグラは思いつく限り、
その時計をきれいに拭いたり、逆さにしたり、
横に振ったり、水で洗ったり
いろんな方法を試してみたけれど、
時計は長針と短針をちょうど口髭の角度で止めたまま、ピクリとも動かなかった。
誰かが言っていた。
「すべてのものには終わりがあるんだよ。」
モグラは自分の心臓の音がいつまで音が鳴り続けるのか、
とても不安になった。


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タイムリミットの話。

1日中パソコンの前でボケっとしていると、
あっという間に24時。
言葉は無限に組み合わせがあるし、
昨今の音楽製作ソフトもアホほど無限に音の種類があったりもして(褒めてます)、
作詞や作曲をしていると、どう見繕っても1日が24時間あっても足りない計算なのである。
楽器を取っ替え引っ替え、永遠にパソコンの画面と睨めっこ。
合間に刻んで入ってくるような連絡や仕事もあって、
後回しにすると、夏休み最終日の小学生みたいになるので、
そちらはなるべく反射神経でレスポンスをするようにも心がけている。
僕の中で、
文字を書く自分、
音楽を作る自分、
ライブをする自分
というのは違うチャンネルで行われている出来事で、
それらを全うするためには自分をチューニングするという作業が必要なのだけれど、一度それを怠ってしまえば、
一行も歌詞が進まなかったり、
出来上がった曲が全然ピンとこなかったり、
びっくりするくらい何も進まない日もあって、
そんな日は、クソして寝るだけ(しかも圧倒的に可愛くもない)、
お前赤子以下やんけ!と自分のことをえい!えい!と足蹴にしたくなる日もある。
今日もどちらかと言えば前述のように自分を虐めたくなるような生産性の日だった気もするが、
とりあえず今日の作業画面を記念にここに貼っておく(きちんと整理しましょう)。

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「美しき我が人生を!」
という歌詞が、
今度は主人公の最期の台詞になる(ネタバレ万歳)。
そんなオチでバラードに挑戦しているところ。

タイムリミット、締め切りというのはとても大切なもので、
終わりがあるからこそ美しいし、宿題もみんな頑張るし、曲も仕上がるのである。人生だってそう。
僕らはきっと飛び切りのハッピーエンドを描くために生きている、のかもしれない。それではまた明日。

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本日はyousuke_dreamさんの表紙を使わせていただいております。



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