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粉々に吹き飛ばしてしまいたい

誰にだって生まれゆく、怒りという感情。
その導火線は地雷の如く埋まっていたり、
センサーのような仕組みで感知されたり、
人それぞれに敏感さも危うさも、長さも太さも存在していて、
いつどこで誰の何が爆発するかはわからない。

大概の人は人知れず我慢をしている。
例えそんな感情が湧いたとしても、
せいぜいやけ食いするか、やけ酒するか、買い物でも何でも代替的な発憤で紛らわせることで、人間は何とか正気を、集団を保っている。

そこで、もっとも理不尽で厄介なのが、
全く無関係の人間がその巻き添えを食うということに尽きる。

この小説の中では、東京という街の仕掛けられた爆弾のその衝撃と余波に、人々が翻弄され、あらゆる巻き添えを生み出していく。

読み終えた時に、爆弾のようなものは、
ただでさえ街の中に、街ゆく人の心の中にも隠され、溢れていることにおそらく恐怖する。
それらを処理して、受け止めるだけの準備があるあなたに。


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Mutemath/Chaos

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