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誰も教えてくれないスタートアップのマネジメント手法の話

みなさま、こんにちは。ログラスでBizdev・セールスマネージャーをさせていただいている竹内です。
「外に情報発信するなど滅相もない」という精神でこれまで歩んできた私ですが、所属するログラスは多くのメンバーが外部発信を行う会社です。
私もその勢いを借り、みなさまに取って少しでもお役立ちできる情報があればと思い筆を執りました。


本日は、「スタートアップにおけるマネジメントとリーダーシップ」について。この記事を読むことで、以下がわかります。

  • 市場を創るマネジメントと市場のシェアを取るマネジメントの違い

  • スタートアップに適しているマネジメント手法

  • メンバーのGrit力を引き出し、自立自走状態で成果につなげる手法


私について

ベンチャー・スタートアップと呼ばれる会社のキャリアが長くここまで歩んできました。そのため、良くも悪くも何をするにもリソースやアセットが無い事が普通だったためか、都度知恵と時間を振り絞り、関わる周りの方のおチカラをお借りし運よくここまで来れたと思っています。感謝感謝です。

そんな運良き私ですが、マネジメントを担う期間が比較的長く、マネジメント手法も会社やステージによって変わってきたなと気付き、その整理を込めてnoteを書くことにしました。

■略歴
1983年 東京葛飾区生まれ

2006年 新卒で当時設立3年目のベンチャーの広告代理店に入社
テレアポ・飛び込み営業から始まり、入社2年目に所属部署を分社化させ教育系に特化した広告代理店マンになりました。その会社では大阪拠点の責任者や新規事業開発を経験させていただきました。

2015年 ココン株式会社(現 GMOサイバーセキュリティ by イエラエ株式会社)に入社
結果5年間で約10社のM&Aを実施することになり、私は主にM&A後のPMIを主担当とし、途中から取締役COOとしてグループ会社10社の経営に携わらせていただきました。ココンはその後、2022年1月にGMOインターネットグループ株式会社との資本業務提携を行い、GMOグループ入り。

2022年 株式会社ログラスに入社 現在に至ります。

マネジメント=リーダーシップではない

そもそもマネジメントとはなにか?
私は、組織で成果をあげる手段と解釈しています。

「マネジメント」の概念は、アメリカの経営学者、ピーター・ファーディナンド・ドラッカー(P.H.ドラッカー)が、1973年に刊行した著書『マネジメント』の中で提唱した言葉だとされている。

ドラッカーが著書の中で定義した「マネジメント」と、マネジメントの遂行者である「マネージャー」とは、以下のような内容である。

・マネジメント組織に成果を上げさせるための道具・機能・機関
・マネージャー組織の成果に責任を持つ人物
引用:「マネジメント」の意味や方法とは? 4つのスキルや階層、業務別マネジメントの種類も徹底解説!|人事のプロを支援するHRプロ

また、マネジメントとリーダーシップを混在するケースがあるのですが、両者には下記の違いがあると思っています。

●「マネジメント」と「リーダーシップ」の違い
「マネジメント」と同じような意味として使用されがちな言葉に「リーダーシップ」がある。本来は別の意味をもつため、ここできちんと確認しておこう。

リーダーシップ:具体的な「方向性を示す」ことが目的
マネジメント:「設定した目標に沿って組織を運営する」ための手段を示すことが目的


つまり、「どんなサービスを作るか」について方針を出すのがリーダーシップで、「そのサービスの具体的な内容」を考案し、実施へと導くのがマネジメント、ということになる。
引用:「マネジメント」の意味や方法とは? 4つのスキルや階層、業務別マネジメントの種類も徹底解説!|人事のプロを支援するHRプロ


この違いが結構重要なのですが、マネジメント=リーダーシップと捉えマネジメントされる方が結構数多いなと。。。。。(自戒を込めて記載しています。)

結果、マネジメントではなくリーダーシップだけ取り、組織の行動チューニングをせず、組織が成果に向け実行できず、最終的に自分自身が実行し成果の帳尻を合わせる。このループに入ることで、組織が自身の器以上に成長しないジレンマに陥るケースをよく見てきました。(逆も然りで、リーダーシップを取らずにマネジメントをし続けるとマイクロマネジメントに陥りやすく、組織がどんどんしぼんでしまいます)


大企業であってもこの状態は成長鈍化に繋がりやすいですが、スタートアップでこれが起きると不満が溜まり組織崩壊や事業の成長鈍化が起こりリビングデッドの会社が出来上がってしまいます。

求められる成長速度が自社のリソース上限やアセット許容度を常に超えている事が多いスタートアップこそ、マネジメントとリーダーシップの概念をしっかり分離させること。そして、組織に対して「マネジメントが必要なのか?リーダーシップが必要なのか?」を常に問いかけ、必要に応じて組織の行動チューニング(運営)を行い、組織全体で成果に辿り着かせる事が求められると私は考えています。
今回は、個人的にスタートアップに適していると感じるマネジメント手法・リーダーシップ手法をご紹介します。


スタートアップの成長を加速する「サーバント・リーダーシップ」

あくまで個人的な見解ですが、スタートアップが向き合う市場は大なり小なり黎明期の場合が多く、顧客の市場認知もまだ十分で無いです。そんな中、課題を定義し解決法を世界観とともに提示していきます。また既存市場でビジネスをする際も、市場でカバーできていない「ニッチだが、バーニングな課題」を解消し既存市場を再定義する事を求められます。
つまり、今まである市場の中でシェアを伸ばすのではなく、新たな市場を創り(定義)、その市場を育てていく(啓蒙)必要があります。(求められるのは市場を創るマネジメント)

既に市場が出来上がっている場合は、先人たちの知恵と努力で成果がでる正解パターンが固まってきているため、知恵や工夫よりも同じ行動を取る物量が物を言います。その為、求められるマネジメントスタイルも指示型な手法が一番レバレッジがかけやすく、自ずと上長がリーダーシップも発揮し、メンバーはその指示に従うスタイルのケースが多いです。

※マネジメントとリーダーシップが混在しやすい理由の一つと思っています。市場変化が少なければ行動可変を一定数に抑えられるので、良きマネジメントスタイルだと思います。


ただ、そのやり方の場合、メンバーは指示待ちであり、そもそも指示が成果に繋がり続ける前提の為、正解が見えている領域であれば機能するのですが市場環境が激しく変化したり、市場をゼロから創り、大多数が「No」といいながらも一握りが「Yes!!!」となる答えを生み出すタイミングでは機能しづらい側面があります。
私は、正解=答えではなく、正解は大多数の人が同じ答えを選択するモノと捉えています。答えのコモディティ化とでもいうのでしょうか、学校のテストはまさにそれで、正解を求められます。(そしてビジネスは学校のテストで不正解とされる内容ほど求められる時があります。)


結果、市場をゼロから創り大多数が「No」といいながらも一握りが「Yes!!!」となる答えを生み出すタイミングでは、必ずしも経験豊富な上長の考えが答えとして一番良いとは限らないのです。
もしかしたら一番顧客と接点があるバリューゾーンにいるメンバーの方が生の情報と温度感を持ち、一番解像度高く新鮮な答えを生み出すケースも多いと思います。
もしその様な事がある場合(実際には多くありますが)、バリューゾーンにいるメンバーの声から来る新鮮な答えをストレスなく数多く発信してもらう環境を創る事がマネジメントに求められます。その発信を聴き続け、方針を示す事が、スタートアップで求められるリーダーシップではないでしょうか。
そして、そのスタイルこそ『サーバント・リーダーシップ』だと思います。


サーバント・リーダーシップとは?

サーバント・リーダーシップの概念は1977年発刊 ロバート・K.グリーンリーフ著書「サーバントリーダーシップ」で世に広まりました。


私は、自身が関わる組織で強く意識して取り組んでいる事は2つあります。

①傾聴をしながら現場の考えを反映させる。
②大方針は出しながらも、基本は一緒に働くメンバーに組織内でのリーダーシップを発揮してもらう。

マネジメントはマネジメント。リーダーシップはリーダーシップと分ける事で、組織をマネジメントする者はマネジメントに集中できます。全体を俯瞰した上で、組織内の水の流れをよくするための情報伝達強化や、ボトルネックになる部分の改善など、組織のチューニングにリソースが割けます。


個人的にサーバント・リーダーシップが良いと思う理由は、下記3点です。

①メンバー自身が考え動きながら答えを出しにいくので、スムーズに「良き答え」にたどり着ける。
②組織内で現場メンバーがリーダーシップを発揮する環境なので、組織へのオーナーシップが高まり一人ひとりが成果へのGrit力が高い状態となる(成果出しへの粘りが出てくる。)
③マネジメント側は、より長期の方針を考え大きな意思決定に思考を使える。

ただ、サーバント・リーダーシップはスタートアップのリーダーシップ&マネジメントに向いていますが、無敵な型ではなく、向かない環境も存在します。

たとえば、新卒や初めての業務(=実施業務に対してcapabilityが一定水準を超えていない)を求められる環境では、そもそも考える前にインプットに一定時間が割かれ、実行による再現度も限定的なので、成果にたどり着くまでに時間がかかってしまいます。

またサーバント・リーダーシップは意思決定に時間がかかると言われています。
全員の納得を重視しすぎるがゆえに、コミュニケーションが増え意思決定に時間がかかるのが原因です。私はマネジメントとリーダーシップを分けて接しているため、ここはリーダーシップを持つ組織メンバーの考えを尊重し、まずはトライ&エラーの精神で意思決定速度を早めるようにしています。


具体的な動き方

では、具体的に私が会社の中でどのような動きをしているのか?簡単に記載します。

1:マネジメントとして

  • 会社や組織の大方針と個人のwillを結びつける

    • 1on1

      • 入社して驚きましたがログラスでは1on1を高頻度で実施し、双方の認識を埋める場が存在していました。

      • 定期的な1on1を通じてメンバーの話をこれでもかと聞くようにしています。

  • 一次情報を皆で取得できる場を用意する(なるべくリアル開催)

    • 各組織毎の定例で会社や組織の大きな方針の共有。

    • 組織内でメンバーがリーダーシップを持ち進めているPJTの進捗共有。

  • 全体のコンディションを見ながら、情報分断が無いか、ボトルネックになっている業務が無いかを確認し、適宜チューニング。


2:リーダーシップ及びリーダーシップの委譲として

  • 部門やチーム毎のMission・Visionを明示化

    • これは組織メンバーで創るのがとっても大切です。

    • 会議が始まる前に必ずファシリテーターから発信します。

  • プロジェクトやチームに名前を付ける

    • ダサければダサいほど個人的には良いと思っています。

    • カッコイイ名前の場合、その場ではテンション高くなるのですが、平時に戻った際になかなか名前が定着せず、プロジェクト感やチーム感の醸成が遅れがち。

    • ダサい場合、暗黙的に結果への欲求が高まると勝手に信じています。

  • プロジェクトリーダーを立てる

    • 小さくても意思決定を持って自分ごと化してもらう人を増やす(ここが結構重要)

    • 次世代のリーダー育成にも繋がります。

  • まずはやってみる精神で意思決定する

    • 限定的でも良いので、意思決定権限を渡す。

    • 「◯◯の範囲はお任せしますので決めちゃってください」等

    • プロジェクトリーダーや現場が上げた物はまずはやってみる。なぜなら正解ではなく答えを創りに行くので、生茹でであっても動かすことがとても大切。

    • マネージャーが唯一やることは、やった後の振り返りポイントを創ることと、継続可否を意思決定する場を設けること。

  • 会議のオーナーを渡す。

  • 小さなユニットを創る。

もちろんバランスが重要です。なかには初めてリーダーシップを求められる方などはどうやって方針を出せばよいのか?どこまで意思決定をすれば良いのか?わからない時があります。その場合は、伴走をしながらリーダーシップの発揮の仕方を覚えてもらう様にしています。
やり過ぎるとプロジェクトがやたら増えぼんやり終わる事もあるので、マネジメントできるプロジェクト限界数も把握しながら動かすのが重要と思います。


まとめ

マネジメントとリーダーシップは別であり、リーダーシップだけでもマネジメントだけでも組織は成果を出し続けることは難しいです。マネージャーは、どちらを今必要としているのか?それとも両方なのか?を考え、組織に向き合う必要があります。

特にスタートアップは、新しい価値観を生み出すビジネスなので、自身の経験が必ずしも再現性高く一番良い意思決定になるとは限らず、現場に一番近いメンバーの生の声を聴きながら整形していくことが重要です。

そして、そうした環境ではサーバント・リーダーシップはマネジメントにおいても適しており、リーダーシップを委譲しながらマネジメントをすることにも機能していくのではないでしょうか。

メンバーの力を引き出し、まだ見ぬ未来を創ることこそビジネスの醍醐味であり、その為に組織の力をフルに活かしていくことこそ、会社の醍醐味だと思います。
組織を動かすマネジメント手法は数多あり、そのタイミングによっても正解は無いと思います。そんな組織を動かすマネジメントは、実はとってもとっても重要なお仕事だと改めて思うと共に、この内容が誰かの何かのきっかけになり、世の中がまた一つ良くなるきっかけになれば嬉しいです。


追伸:さいごに告知を少し

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