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馬でしか行けない路の村!?高知県の山奥にある「ゆずの村」馬路村の魅力に迫る!

日本らしい果樹と言われて思い浮かぶのが「ゆず」ではないだろうか?高知県には特産品である「ゆず」の6次産業化によって全国的にも有名になった馬路村がある。今回はその馬路村への訪問日記を記す。

ゆずの加工が村を支える馬路村

2023年5月9日㈫、前日に羽田空港から高知空港へ飛び高知市内で宿泊。翌朝高知市内にてレンタカーを借りて東へ約2時間かけて馬路村へ訪問した。

そもそも馬路村ってどんなところ?

馬路村は高知県東部、安芸文の山の中にある人口737人(2020年1月時点)の村である。しかし村の総面積は15,548haあり、面積の約96%が森林というまさに中山間地域である。

馬路村は馬路地区と魚梁瀬地区に分かれている。この地域は昔から林業が盛んであり、特に魚梁瀬の「千本杉」は美林としても有名。馬路村は「日本で最も美しい村」にも選出されている。

馬路村の名前の由来は「馬でしか行くことができないほど険しい路(みち)の村」と言われている(諸説あり)。実際に馬路村へ行くためには海沿いから約20kmを登っていかなければならない。

馬路村へ向かう道路にある看板

ゆずの加工に活路を見出したJA馬路村

高度経済成長期は林業で盛んだった馬路村であるが、他の地域と同様に林業が徐々に衰退していった。そんな中で、次の産業をどうするかを考えた時に着目したのが特産品であった「ゆず」である。

しかし、「ゆず」は種が多く生食ようには向かなかった。そこで馬路村農業協同組合(JA馬路村)ではJA自らがジュースやぽん酢などの加工品開発に取り組んだのである。

工場見学もできる「ゆずの森加工場」

さて、話を戻そう。高知市内から約2時間かけて馬路村に到着して向かったのは「ゆずの森加工場」。こちらはJA馬路村が建設したゆずの加工施設であり、見学もすることができる。

JA馬路村「ゆず森加工場」

工場内ではゆずの昔から使われていたゆずの搾汁機が展示されており、下に降りると機械による箱詰めの様子や出荷場の様子を見ることができる。また、研修ができる会議室もあり、筆者は以前ここで研修をさせてもらったこともある。

ゆずとはちみつと水だけで製造した「ごっくん馬路村」やぽん酢しょうゆ「ゆずの村馬路村」は全国的にも有名であり、それ以外にも柚子胡椒、ゼリー、焼き肉のタレなどのゆず関連商品、さらにはゆずの化粧品開発にもJAとして取り組んでいる。

ゆず加工品

加工場の手前には直売所があり、JA馬路村のゆずの加工品や魚梁瀬杉を使用した商品(エコアス馬路村)を購入することができる。直売所の隣には馬路村へ移住してきた方が作るパン屋もある。

郷土料理も堪能できる「馬路温泉」

この日はJA馬路村から車で3分ほど奥にある安田川沿いの馬路温泉に宿泊。泉質はナトリウム−炭酸水素塩・塩化物泉で創傷・火傷・リュウマチ性疾患などに効き、期間限定のバラ風呂も人気らしい。

馬路村の宿泊施設「馬路温泉」

馬路温泉の向かい側には「馬路森林鉄道」がある。この鉄道は実際に木材の運搬用に使用していた鉄道を利用し、蒸気機関車は2/3細部で復元。意外にスリリングで小さい子供にも人気がある。

この日は、高知県安芸市内の若手生産者と一緒に訪問し、夜は馬路温泉で会食。高知県ならではの郷土料理である「カツオのたたき」や安田川で獲れた「鮎の塩焼き」、さらには高知県の伝統食である「田舎寿司」などの料理と高知県の日本酒で楽しい時間を過ごした。

馬路温泉で味わえる郷土料理

日本の縮図である馬路村を是非体験してみて

かれこれ馬路村にはもう10年以上通い続けている。しかし、季節ごとに馬路村への道中や村の景色、そして料理も異なるので飽きることがなく毎回通うのが楽しみである。

馬路村はJAが自ら「ゆず」の生産から加工・販売まで行う「6次産業化」としても有名であるが、それ以上に約800人の村が林業とゆずを中心とした街づくりに取り組む「地方創生」としても注目されている。

日本列島も国土の約75%が山林であり、馬路村は日本全国の自治体が抱える課題の縮図のような村である。是非、その課題解決のヒントを探しに行きながら自然・料理・温泉を体験してみてはいかが?

JA馬路村の東谷元組合長と

※JA馬路村の情報

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