見出し画像

沖縄の特産品「シークヮーサー」ってどんな場所で作られてるの!?

沖縄の特産品と聞かれると「シークヮーサー」「グァバ」「マンゴー」「パイナップル」などを思い浮ぶ。でも、実際にそれらがどのように栽培されているのかを知っている人は意外に少ないのではないか。今回は沖縄の特産品の一つ「シークヮーサー」の生産現場への訪問日記を記す。

有限会社勝山シークヮーサー

訪問したのは2023年4月18日㈫、前日に宿泊した伊江島からフェリーで本部港に戻り、その足で沖縄県名護市にある有限会社勝山シークヮーサーを訪問した。

沖縄県北部に自生するシークヮーサー

沖縄県北部では昔からシークヮーサーが自生している。生産量で言えば大宜味村が沖縄の生産量の大部分を占めており、次に名護市や本部町が続き、㈲勝山シークヮーサーでは年間300~350tの果実を取り扱っている。

シークヮーサーの6次産業化に取り組む勝山シークヮーサー

有限会社勝山シークヮーサーは2003年設立された農業法人であり、契約農家約100戸から買い取ったシークヮーサーを搾汁し、果汁やジュース、調味料などに加工して販売している。

※6次産業化(1次×2次×3次=6次産業化)
生産(1次)だけでなく加工(2次)・販売(3次)まで統合的に取り組むことで事業の付加価値を高める経営形態。

勝山シークヮーサーの入り口(沖縄県名護市字勝山9番地)

農家は山の斜面に自生するシークヮーサーを収穫

今回は生産現場と加工場を見学させてもらった。生産現場というと畑に植えられている様子をイメージする人が多いと思う。しかし、勝山地区に自生するシークヮーサーは嘉津宇岳を中心とした山の斜面(斜面と言ってもほぼ崖)に自生しているシークヮーサーを木の登って収穫しているのだ。実際に歩くだけでも大変だった・・・

崖に自生するシークヮーサー

平坦な場所での栽培も拡がり始めている

一方で、勝山地区のシークヮーサー農家の年齢は70歳以上の方が多く(全国の農家の平均年齢は68.4歳)、木に登るのが難しくなり自生するシークヮーサーを収穫しきれなくなっている。そこで、最近では山間の数少ない平らな場所でシークヮーサーを育てる農家も増えている。

平らな場所で栽培しているシークヮーサー

シークヮーサーは完熟するとオレンジ色に

ここで小話を一つ。シークヮーサーと聞くと黄緑色の実を思い浮かべる人がほとんどだろう。しかし、実はシークヮーサーは完熟するとみかんと同じようにオレンジ色になり、皮を剥いて食べると甘い。しかし、シークヮーサーは種が多いので生食としては向かない。また、皮がまだ青い状態の方がノビレチンが多く含まれているので、機能性の面でも青い実の状態で絞る方が需要が多いのである。

完熟したシークヮーサー

搾汁にも勝山シークヮーサーのこだわりが

勝山シークヮーサーでは「美味しいシークヮーサーと消費者に届けたい」という創業者の想い・こだわりがある。美味しさを追求するためにキャタピラ式の搾汁機を導入している。

また、生産者には収穫したその日に集荷場に持ってくるようにお願いしており、それを基本、翌日には搾汁することで果実の鮮度を保つようにしている。さらに誰の畑で収穫したシークヮーサーかがわかるようにトレーサビリティシステムも導入している。

直売所ではシークヮーサー商品も購入できる

帰りには勝山シークヮーサーの本社にある直売所でお土産も購入できる。青い実の搾った「青切り」や完熟した実を搾った「完熟」またノビレチンが豊富に含まれた「ゴールド」など色んな種類の商品が売っている。

勝山シークヮーサーに併設されている直売所

沖縄ならではの特産品を是非ご賞味あれ

実際にシークヮーサーの生産現場を見学したのは今回が初めて。自生するシークヮーサーは山の急斜面に生えており、木に登って収穫するのは常に危険と隣り合わせ。そのような環境下で生産されている沖縄のシークヮーサー、是非ご賞味あれ。

看板の前で集合写真


「農林漁業を夢のある食産業へ創造する」というミッションを実現するために活動を続けております!何卒よろしくお願い申し上げますm(_ _)m