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訪問看護ステーションで働く新卒理学療法士の話 vol.6〜だんだん楽しくなってきた。それは仮説を立てられるようになったからかな?〜

どうも、在宅理学療法士ささきです。


僕は、毎月1回、新卒で在宅分野に飛び込んだ理学療法士の話を聴く機会を設けている。
なぜなら、僕が新卒で在宅分野に飛び込んだ時、同僚も先輩も居なかったからだ。
理学療法は先輩が教えてくれた。
しかし、在宅リハビリテーションはどうだったろう……。
だったら僕、そう成ればいい。そんな感じだ。
困っている人がいれば連絡ください。一緒に話しましょう。

ー*ー*ー*ー*ー

さて、新卒在宅セラピストの彼は言った。

だんだんと楽しくなってきました。
仮説を立てて、検証していくことでやっている意味が少しずつ分かってきました。

知っているのと、できるっていうのは、やっぱり違うようだ。

仮説を立てて、検証しよう!
というのは、学生の時に学ぶからだ。
でも、すぐにはできないのだ。

仮説とは何なのか?

1980年代にWHOに採択されたICIDH(International Classification of Impairments, Disabilities and Handicaps)(国際障害分類)

疾患があるから、機能障害があって、能力障害につながって、社会的不利につながる…というもの。

例えば、変形性膝関節症→膝の痛み→階段昇降ができない→近所の駅に階段しかないので電車乗れない。
みたいなことだ。

その時の仮説となると…。

「階段昇降ができない」(能力障害)を生んでいると、考えられる機能障害をひたすら列挙するということだ。

理学療法プロセス

その時の仮説も同様だ。
・動作・活動の分析→動作障害の特定→機能障害の推定・仮説…→

更に、統合と解釈後の問題点抽出・理学療法プログラム立案も、「おそらく」問題はこれだろうってことなので、仮説だ。

仮説が立つと何が楽しいのか?

彼は言った。

悩みに輪郭ができてきている感じで、モヤモヤしていたものの形が見えるようになった感じです。

僕:そしたらどうなの?

以前は、申し送りができなくって、自分が見てきた状態が伝えられなくって…しんどかったんです。
仮説を立てるということがわかってきたことで、情報交換やディスカッションにも参加できるようになってきました。
そうすると、自分の考えを少しずつ持てるようになってきました。

当事者意識が芽生えてきたということではないだろうか。

仮説というと難しいかもしれないが、問いが立つかどうかってこと。


・いつ/どこが/どんなふうに痛いのかな?
・どうしてこの人は◯◯なのだろうか?
・なんでできないのかなぁ?
・日中はできるけど、夜は同じようにできるのかな?

その程度でいいのだ。

ただ、彼と話していて、気づいたことがある。

仮説が、個人のものなのだ。
1つ
仮説に自信がないから、利用者さんと共有するのが怖い・不安だ…ということだ。
2つ
彼の視点には、生活というのがまだまだかけているように思う。
ICF(International Classification of Functioning, Disability and Health,)(国際生活機能分類)で、利用者さんの生活を捉える練習が足りていないのだろう。


利用者さんの生活の見通しが立たないのだろう。

なので、その仮説や問いは、身体のことに偏り、生活に影響が及ばないということだろう。(これは愚痴みたいになる。在宅の視点を教えることのできる人がすごく少ないように思う。病院で培われた理学療法で在宅でも通用するようだ…。詳しくは通用していないのだが、市場経済にさらされていないからか、まかり通っていると言った方が適切だろう。彼は自分で得て行くしかない。)

ただ、一歩踏み出した。
すばらしい一歩だ。
仮説を立てないといけないのは知っているが、それをできる状態になるには、やっていくしかないのだ。

行動の壁をこえて、わかる状態にいくことが、本当に尊い行為だ。
そして、彼は気づきも得たようだ。

次のモヤモヤはこれだ。

病院で経験を積んできた先輩たちは、やらせるのがうまいんですよね。
リハビリしてあげるのがうまい…っていったらいいんでしょうか?
リハビリってやらせるものなんでしょうかね?

次回はこれについて書こう。


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訪問リハ・訪問看護・通所介護に配属になってどうしたらいいかわからない人がいれば、話しかけてみて欲しい。
一緒に考えよう。

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