【元祖日本語ラップ?】美空ひばり / お祭りマンボの「3つの凄さ」
以前、このnoteでは洋楽邦楽において、いつからラップを取り入れ始めたのかという記事を2つ書きました。
その中で、
「ヒップホップはいつから始まったのか」という起源を書いてます。
1973年8月11日 ヒップホップの誕生日
1974年11月12日 ヒップホップの概念提唱
そして1979年に発売されたこの曲からメジャー・シーンでのリリースが出始めました。
なので、だいたいヒップホップの歴史って1979年から扱われます。
The Sugarhill Gang - Rapper’sDelight(US:36 UK:3)
そこで、改めて考えると日本でも「あれ? あの曲ってラップっぽい」と
思ったのが今回取り上げる「美空ひばり - お祭りマンボ」です。
まずは聴いてみましょう。
今回、改めて聴いてみるとこの曲の凄さに驚いたので
3つのポイントで紹介します。
ココが凄い①「発売時期が凄い」
完全にラップというわけではありませんが、リズムに合わせてしゃべり調子という部分が非常にラップに近いと思います。
その歌い方も凄いのですが、これが、なんと発売日が1952年8月15日(なぜか終戦記念日?)なんですね。
つまり、ラップが生まれる21年も前(!)
なのでアメリカのラップはそもそも意識できないので作詞作曲の故・原六朗さんのアイデアということなのでしょうか。
どういう思いでこの曲を作ったのかが非常に気になります。
ココが凄い②
「1曲に色んな要素が詰め込まれていて凄い」
これも改めて聴いて発見でした。
この曲はたんなる「歌」というよりは美空ひばりさんを見ていると
「演劇」「お笑い」「日本舞踊」など色んな要素が含まれています。
特に表情を変えながら物語を進めていく様は「短いミュージカル」のようでもあります。
更には「お祭り済んで日が暮れて~」の辺りから一気に曲調が寂しくなったり、一気に明るくなったりと1曲の中で変わることにプログレの要素も感じます。
ココが凄い③「歌詞が凄い」
これもホント、凄い。 凄いというか、驚きです。
何が凄いって、ほぼ「日本の文化に根差していることば」で構成されているんですね。 どういう事かというと、「英語に訳せない」!
長いので、一番だけ載せましょう。
私のとなりのおじさんは
神田の生まれで チャキチャキ江戸っ子
お祭りさわぎが大好きで
ねじりはちまき そろいのゆかた
雨が降ろうが ヤリが降ろうが
朝から晩まで おみこしかついで
ワッショイワッショイ
ワッショイワッショイ
景気をつけろ 塩まいておくれ
ワッショイワッショイ
ワッショイワッショイ
ソーレ ソレソレ お祭りだ
これ、英語にできます???
特に太字の部分は他の言語に訳せないものばかり。
「チャキチャキ江戸っ子」なんて訳したらニュアンス変わります。
「東京人」じゃないんですよね、「江戸っ子」です。
ガイジンに「何で大人なのに”子”なの?」って聞かれそうw
「ワッショイ」「ソレソレ」だって、日本ならではの掛け声。
音楽というのはそれぞれの国の文化が現れる芸術なので、
歌詞が訳せないということは、それだけ土地の文化に根付いた言葉選びという事で、ほんとうに凄いと思います。
曲調こそこの時期にしてはモダンですが、歌詞はどこまで計算していたのでしょう?
そして最後の歌詞がこれまた凄い。
いくら泣いても かえらない
いくら泣いても あとの祭りよ
それまで楽しさの象徴だった「祭り」という言葉をラストで「あとの祭り」
という残念な意味合いでオチに使います。
これも訳せない! アフター・ザ・カーニバルじゃないし。
以上、「お祭りマンボ」の凄さを自分なりに書いてみました。
ココが凄い①「発売時期が凄い」
ココが凄い②「1曲に色んな要素が詰め込まれていて凄い」
ココが凄い③「歌詞が凄い」
あなたは「お祭りマンボ」にどんな凄さを見つけますか?
いやー、ホント音楽って聴くタイミング次第で色んな発見がありますね(^^
サポートしていただける方に感謝です! より皆さんに楽しんでいただけるよう更新頑張ります!