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「デパ地下」が最強な3つの理由

全ての小売は「デパ地下」にヒントがある。


先日、JRで札幌駅周辺に行った。
用事を済ませ、帰るため駅に行く途中デパ地下を通り抜ける。

その際、感じたのが
「デパ地下って、今のAI時代だろうが、何だろうが変わらなそうだな」
という感覚。

普段は特に自分に関係ないデパ地下だが、それでも行くとワクワクする。
その理由を改めて考えてみたのでここに書いておこう。


①五感を刺激する数少ない販売モデル

デパ地下は人間の五感を刺激していること。

【視覚】
「にぎわい」を見る安心感。 人間は群れで生き残ってきた存在。
人が多い中に行くと、どこか安心するのだろう。
調理の過程を見られるのも面白いポイント。

【聴覚】
これも、「にぎわい」による安心感だと思う。
色んな音が交差する空間はお祭りみたいで、ある意味うるさいのが心地よい。

【味覚】
多種多様な総菜などは見るだけで味を想像してしまう。
レモンを想像すると唾液だが出るように、直接食べなくても想像で楽しめる。

【触覚】
これは、今のところ思いつかない(^^;
でも、歩き回るのが楽しいことも触覚に繋がるのだろうか?

【臭覚】
一番凄いのはこの「臭覚」に訴えていることだろう。
小さめの店舗が並んでいると和食、中華、サラダ、お菓子などどんどん臭いが変わり買う前からワクワクしてしまう。
そして、その「臭覚」だけが人間の「感情・本能」を司る大脳辺縁系に直結するという。
そここそがデパ地下が「ネット通販」の時代でも人を集める理由だろう。


②「臭覚」が「感情・本能」に直接刺激を与える

人間の脳は図のような三層構造となっており、
より深いところへ届く刺激が行動に影響を与える。

普段、何かを買うときは「これは○○だから良い」という理屈の大脳新皮質よりも(はっきり理由は分からないけど)「買ったら良さそう」という第二層の「大脳辺縁系」に刺激を与えた方が購入に繋がる。
ちなみに、その方法は「買って使ったシーンを想像させる」こと。

「人は感情でモノを買い、後からそれらしい理由をつける」のだ。

というように、第二層の「大脳辺縁系」を刺激することが小売りにとってもポイントとなってくる。

そこで先ほどの「臭覚」だ。
実は五感(視覚・聴覚・味覚・触覚・臭覚)の中で臭覚だけが大脳辺縁系に直接届くらしい。

改めて考えると、デパ地下ほど「臭覚」を刺激する販売モデルは少ないだろう。 だからこんなに人気が衰えないのか。
ちなみに、臭覚でいえば屋台村やマーケットにも通じるものがあるかもしれない。
しかし、「デパ地下」だけが持つ要素が1つだけある。

③「地下」という魅惑のワード

上記、屋台村やマーケットにはないもの。
それがデパ地下もつ「地下」という武器だろう。

この閉鎖された、ある意味守られた空間に加え、にぎわい、人との触れ合いこそが、おそらく石器時代から変わらない「人は群れで生き残ってきた」本能に直結するため、どんな時代でもデパ地下は楽しいのだろう。
おそらく、地上2階にあったらそこまで盛り上がらない気もする。

「地下帝国」「グラップラー刃牙の地下格闘技」「地下アイドル」など、どこか秘密っぽい雰囲気も「地下」という言葉の魅力だ。


まとめ

デパ地下が最強な理由は
①五感を刺激する数少ない販売モデル
②「臭覚」が「感情・本能」に直接刺激を与える
③「地下」という魅惑のワード
これらを満たした、唯一の販売モデルであること。

恐らく、どんなにAIやネット通販が発達してもこれらの要素をクリアすることはまず無理だろう。

逆に言うと、今後の販売でこれらの要素を上手く取り入れると
小売りにも明るい未来があるのではないかと思う。




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