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UKガールズ・グループはなぜ凄いか?

今回は好きな「UKガールズ・グループ」を10組紹介します。

2021年9月5日、UKの人気ガールズ・グループのガールズ・アラウド(Girls Aloud)のメンバー、サラ・ハーディング(Sarah Harding)が39歳の若さで残念ながら他界。

このニュースは日本でもyahooやNHK、スポーツ系のネット・ニュースでも取り上げられていました。 てっきりこの辺りって日本ではマイナーかなと思っていたので少し驚き。

ということで、少しでも何かのきっかけでUKガールズ・グループが注目されたらいいな、と思い紹介記事を書くことにしました。


ここで、「UK」と絞っているのにはワケがあります。
同じガールズ・グループでもUSとUKでは結構違います。

【USガールズ・グループ】
1940年代からたくさんのグループが存在する中、ダイアナ・ロスが在籍したスプリームスから90年代のTLCやデスティニーズ・チャイルドまで、R&Bやソウル系が中心。 メンバーは黒人だけで組まれる場合がほとんど。
【UKガールズ・グループ】
こちらはUSほど歴史がなく、グループ数が多くなってきたのはスパイス・ガールズが台頭し始めた1996年以降と90年代後半から一気に盛り上がりました。 曲調はダンス・ポップが中心でメンバーは人種が混じることも多い。

それでは、今回は時系列でいきましょう。
アーティスト名(アルバム・デビュー年月日)の表記です。

話は1980年代前半から始まります。

Bananarama(1983/3/7)

UKのアイドル・ガールズ・グループのはしりではないでしょうか。
ネットの記事によるとUSのガールズ・ロック・バンドのパイオニアである
The Go-Go'sから影響を受けたとのこと。
このショッキング・ブルーのカバー曲から大ブレイクしました。
この時期って他にこういうガールズ・グループはいなかった気がします。


ここから一気に90年代に飛びます!
UKの80年代はニュー・ウェイブやインディーバンド系が盛り上がったので
アイドルってオーストラリアのカイリー・ミノーグなど限られていましたね。 ソロだとデビー・ギブソンやティファニーなどUSの方が盛り上がっていました。

Eternal(1993/11/28)

90年代後半のダンス・ポップ中心になる少し前にR&Bベースのエターナルがヒット。 タイトルも「Power of Woman(1995 UK:5)」です。

なんかこの辺りからシンクロニシティが起きてUSでもアラニス・モリセットサラ・マクラクランシェリル・クロウなど強い女性が盛り上がってきましたね。
女性だけのフェス「リリス・フェア」が1997年始動。

エターナルには初期に唯一の白人であるルイーズがいて、割と初期に脱退したのですがソロとしてもヒットしました。
個人的にはこの曲が一番好きだったなぁ。

Louise - Let's Go Round Again(1997 UK:10)

1990年前半はUSでも女性によるパンクの「ライオット・ガール」ムーブメントがワシントンを中心に起きています。
色々ジェンダー関連で動き出してきた時代かもしれません。

エターナルの「Power of Woman」が1995年。
そして、翌年の1996年に最強のグループがデビューします。

Spice Girls(1996/9/19)

それまで、どちらかというとグループのイメージにメンバーのキャラを合わせる事が多かったUKでもメンバーの個性重視になりました。
日本では80年代よりおニャン子クラブなどで、様々な個性のメンバーを揃えて「誰かのファンになる」ことで、グループのファンを増やす作戦がありましたが、まさにそれですね。

カワイイ系、元気系、クール系など、キャラ立ちも見事。
あとは、5人全員ソロでヒットしたのも大きな功績ですね。


このスパイス・ガールズから一気にガールズ・グループが増えてきたと思います。 次に紹介するグループもヒット曲が多かったですね。

ALL Saints(1997/11/24)

このグループはちょっと静かでクールな感じでしたね。
バックのエレクトロっぽさも当時のテクノ、アンビエントの影響もあったのでしょうか。


この時期、日本ではあまりヒットしませんでしたが次の曲も名曲だと思います。 しっかりUKで1位になっているのも、この時期のガール・パワー。

B*Witched(1998/10/12)

メンバーのエディルとキーヴィ・リンチは双子。
そして兄は当時人気だったボーイズ・グループのボーイゾーンのメンバー
シェーン・リンチでした。
アイルランドのグループなので、ケルト・ポップが異色。

B*Witched - C'est la vie(1998 UK:1 US:9)
今回、ネットで見てみたら割と今の評価も高かったので嬉しかったです。
USで9位というのは凄い。


世紀が変わって2000年。
ここから更にシーンは充実していきます。

Atomic Kitten(2000/3/16)

このグループは3年くらいしか活動しませんでしたが、ブロンディーバングルスのカバーもヒットしました。
カバー曲を足掛かりにするグループ多かったですね。
この曲はちょっとまったりとした個人的にも大好きな曲。

Atomic Kitten - Whole Again(2001 UK:1)


そして次に紹介するのは、個人的にも特に大好きなグループ。

Sugababes(2000/11/27)

3人組ですが、なんと3人全員が途中で入れ替わっています。

最初にこのデビュー曲を聴いた時は衝撃を受けましたね。
トラック、コーラスなど異彩を放っていました。

Sugababes - Overload(2000 UK:6)

この後も次の曲を含む、実に6曲がUK1位を獲得しています。
Sugababes - Push The Button(2005 UK:1)


そして少し経ち、今回の記事の冒頭で取り上げたサラ・ハーディング(Sarah Harding)も在籍したガールズ・アラウド(Girls Aloud)がオーディション番組からデビューします。

先のシュガーベイブスや次のガールズ・アラウドもそうですが、この時期のUKダンス・ポップはブライアン・ヒギンズ率いる作曲チームのゼノマニアが手掛けていることが多いです。

Girls Aloud(2003/5/23)

ゼノマニアが手掛けた中でも特に評価が高い1曲。

Girls Aloud - The Promise(2008 UK:1)
今回紹介する曲の中でも特におすすめ。
1960年代の雰囲気を上手く現代風にアレンジ。


そのガールズ・アラウドの妹分としてデビューしたのが
次に紹介するグループ。

The Saturdays(2008/10/27)

デビュー曲からヤズーのサンプリングをしたり、デペッシュ・モードの初期曲をカバーしてましたが、なぜだか今もわかってません(^^;
自分達世代リスナーへのアピールだったのでしょうか。

The Saturdays - Just Can't Get Enough(2009 UK:2)


さて、次がラストです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

最後はこれまた強力なグループです。

Little Mix(2012/11/16)

近年では最強のガールズ・グループではないでしょうか。
そして、「ガール・パワー」にふさわしい力強さ。

この曲はブリット・アワードのライブで紹介します。
めちゃめちゃカッコイイです。
ダンサーの服がタケモト・ピアノみたいですが気にしない。


以上、UKガールズ・グループを10組紹介しました。

振り返ってみましょう。(カッコ内はアルバムデビューの年月日)

Bananarama(1983/3/7)
Eternal(1993/11/28)
Spice Girls(1996/9/19)
ALL Saints(1997/11/24)
B*Witched(1998/10/12)
Atomic Kitten(2000/3/16)
Sugababes(2000/11/27)
Girls Aloud(2003/5/23)
The Saturdays(2008/10/27)
Little Mix(2012/11/16)

他にもまだ紹介しきれないグループもいるし、StepsS Club 7など男女混合グループもいるので、ほんと盛り上がってましたね。

そこで、タイトルに戻ります。

「UKガールズ・グループはなぜ凄いか?」


USでは、このようなダンス系ポップスのガールズ・グループってかなり少ないと思います。(プッシーキャット・ドールズ(2005)やフィフス・ハーモニー(2012)くらい??)
TLC、En Vogueやデスティニーズ・チャイルドのようなR&B中心。

その理由は、個人の勝手な憶測ですが
ABBAの存在が大きかったのではないか、と思っています。

アバはスウェーデンですが、ヨーロッパの根付き方が桁違いです。
ベストアルバムは現在も売れて通算チャートイン1000週超を達成。

このメロディ・ラインやコーラスが脈々と受け継がれているような気がします。

結論としては、「やはりABBAは偉大」となります(^^


最後に、UKガールズグループのプレイリストを紹介して終わります。
自分としては長文なので、お付き合いありがとうございました。


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