【TRAIL LOG】伊豆山稜線歩道
2024年に入ってから、山へ行っては苦しく、楽しく歩けないことが続いて、仕事の繁忙期も重なり、1年前とは比べられないほどハイキングへ行く回数が減り、さらに山から離れるというような悪循環が続いていた。
3月中旬に、ようやく大きな仕事がひと段落し、久しぶりにテントを背負って歩きたいという気持ちになった。
時期的にも、3年前にも歩いた「伊豆山稜線歩道」を歩きたいと思い、最近山にドハマりしている同郷のトモダチ、ゆーたくんを誘ってご一緒することに。
2日間で30km前後と、それほど長い距離ではないけど、楽しく歩けるのかという不安を抱えながらパッキングした。
ギアリスト
主要ギア
・バックパック/PA'LANTE joey
・テント/LOCUS GEAR Khufu(アウターのみ)
・シュラフ/HIGHLAND DESINGS TOP QUILT
・マット/山と道 minimalist Pad
夜の気温が5℃前後と踏んでいたため、自分が持ちうる最軽量のギアリストを選択し、ベースウェイトは2.7kgに。水3Lに食料を加えて、パッキングウェイトは大体6.5kg前後。
この選択が凍える夜を過ごすことになる。
DAY1
3時起きで1時間車を飛ばしてゆーたくん宅へ。
山に行くときの人のいない早朝のコンビニは、なんか好き。
伊豆の修善寺駅までは車で約3時間半。8:15の修善寺発のバスを目指す。
4時には出発したから余裕だと思ったけど、何回かSAで休憩したり、渋滞につかまったりなんかで、結局ぎりぎりの7:45に修善寺駅に到着した。
駅のコンビニで買い出しを済ませ、バス停から天城峠行きのバスに乗り込む。
寝不足でウトウトしてたらあっという間に天城峠バス停に到着。
おにぎりを一個食べ、いざ出発。
ジメ〜っとしている天城トンネルを横目に、ゆっくりと標高を上げていく。
このトレイルは最初に稜線まで一気に標高を上げ、そこからはなだらかな道を歩けるトレイル。
ただこの最初の登りがきつい。息を切らしながらほぼコースタイム通りで、天城峠に着いた。
このトレイルはピークからピークへの縦走というより、峠から峠を繋ぐ、なだらかな行程が続く。しかもちょうどいい間隔で、ベンチやテーブルが設置されているので、「ベンチがあれば休憩!」を合言葉に進んだ。
天城峠から二本杉峠、滑沢峠、つげ峠、猫越峠を経て猫越岳までは、ブナやアセビが見事な苔深い原生林が続く。
うねうねとした木々が茂る森歩きは伊豆ならではだ。
猫越岳を越えると一気に標高を下げ、牧場に背丈もある笹が多い茂ったトレイルに入る。山というより、笹の丘といった山容に登山道が続いていく感じがこのトレイルの醍醐味。
仁科峠まで来ると「西伊豆スカイライン」という車道に沿うように登山道が続く。
このあたりから強風に吹かれはじめる。
駿河湾から富士山、熱海方面と360℃見渡せるこの道は風の通り道。
風速10m近い風を受けながら、歩を進めた。
文字通り風の強い「風早峠」までくると、ビバーク地まであと少し。
目標の東屋に到着するも、あまりの風の強さに体温は奪われ、火器もろくに使えない。
予報を見ても深夜まで風がやむことはなさそうだったので、少し下った樹林帯のなかでビバークすることにした。
湯を沸かしてパンをかじって夕食を済ませる。
寒い。
極薄マットと10℃対応のキルト、防寒着のダウンも持ってきていなかったので、寒さでなかなか寝付くことができなかった。
靴下を2重履きしたり、タイツを履いたり、スタッフサックに足を突っ込んだり、考えうる対策をして、身体を丸めて眠りについた。
DAY2
気づいたら眠りについていて、アラームの音で目が覚めた。4時間ほどは眠れただろうか。
昨日の風が嘘のように収まって、無音の世界。
アルコールストーブでお湯を沸かし、カレーメシとスープを流し込む。
コーヒーを飲んで一息ついてから、撤収を開始した。
風が抜けていたおかげもあり、結露はなく、初日と同じようにバックパックに収まった。水と食料が減り、軽くなった2日目のバックパックが好きだ。
2日目のゴール「だるま山レストハウス」までは15km前後。
12時頃発の修善寺駅行きのバスに乗りたい。
薄暗い中をヘッデンを付けて先を進む。
2日目は半分舗装路歩き。
西伊豆スカイラインを数kmに渡り歩くため、足への負担も大きい。
そんな道でも話し相手がいると進みが早い。ギアや山、トレイルの話しなど尽きない話題で時間が進むのがとても早く感じた。
スタートしてから5時間。小さなアップダウンや、舗装路歩きを経て達磨山に到着した。
ここからの眺めはこのトレイルでも随一。
駐車場から15分程度で山頂に登れるので、日帰りのハイカーもたくさんいた。
風がなく、気温も20℃近くと暑く、軽くばててしまった二人はゆっくり休みをとって、先を進んだ。
最後のピーク小達磨山への階段の登りと下りにやられながらも、11時過ぎに最後の峠の戸田峠に到着。
本来はここから再度山へ入り、金冠山というピークを踏んでからレストハウスに向かうのが正規のルート。
ただ時間がギリギリだったので、迷わず舗装路でのショートカットをチョイスした。
ハイキングは自由でいいのだ。
そんなこんなで11時30分にはだるま山レストハウスに到着。
あっという間に2日間のハイキングは終わりを迎えた。
まとめ
装備がやや不足していたという反省はあったけれど、「やっぱりハイキングは楽しい」と思えたトレイルでした。
険しい山を登って、ピークを踏んで降りてというようなガチガチの山登りも嫌いではないけれど、ゆるく水平に衣食住を背負って歩くハイキングが大好きです。
体調を整え、仕事やプライベートとのバランスも大切にしてこれからも楽しんでいきたいです。
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