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採用担当は何に向き合う?

こんにちは! キャスターさんが主催されている「採用 Advent Calendar 2021」の21日目を担当するマネーフォワード 富田(@TMTMSTK)です!
2018年9月にマネフォへ入社してからは一貫して採用業務に携わっており、現在は採用部の部長をしています。
【わたしたちの職務経歴書】シリーズもぜひご覧ください!

この度は、日頃お世話になっているキャスターさん(森数さんはJACの大先輩!)から貴重な機会を頂きました。ありがとうございます!

私はマネーフォワードが約300名の時に未経験ながら人事としてジョインし、入社後の3年間で組織規模が4倍近くに(2021年12月時点でグループ全体1,200名超)成長する過程を間近で見てきました。
個人的にも転職というチャレンジをして満3年と一つの区切りのようなタイミングなので、今回は私がこの3年間採用担当として何に向き合ってきたかを書き起こしたいと思います。

※「採用担当って何に向き合うんだ?」という一つの疑問から感じてきたことをただただ言語化した内容なので、タイトルからイメージされた期待には応えられないかもしれません、ごめんなさい。
※また、内容についてはすべてが私のストーリーという訳ではなく、社内外の人事担当の皆さんと関わる中で感じたことも含んでいます。

それでは、年末のお忙しい中かと思いますが、ご笑覧いただけますと幸いです!

・・・・・

採用担当が対峙する課題①

採用担当を経験されている皆さまであれば、一度は(いえ何度も)実感されてると思います。

ふえええええええええ、採用担当ってやること多すぎないですか〜〜〜

・募集要件の整理
・求人票の作成
・パートナー企業との打ち合わせ
・媒体への求人掲載
・スカウトメールの作成や送付
・リファラル活動の活性化
・採用PR記事の作成、発信
・面談/面接の実施
・採用進捗管理、定例MTG
・・・

等々、1人で抱えると非常にボリューミーです。

また、採用担当の仕事は上記のような業務を日常的に繰り返すだけではありません。
ポジション毎の採用課題と向き合いながらそれぞれの解決(≒採用)に向けて、日々確実に前進させることが求められる職種です。

さらに、ポジション毎の採用課題を深掘ると様々な課題と出会います。

・自社は他社に勝る魅力を持っているのだろうか?それは何だろうか?
・事業は成長するのか?この先中長期的な展望を持って戦えるのか?
・組織力を最大化させることはできているのか?
・個人の働きがい/成長/キャリア実現を応援できる環境なのか?
・経営/事業フェーズ毎で異なる採用マーケットとどう向き合えばいいか?
・採用に関わる社員全員が会社の顔として、応募者やパートナー企業と適切に向き合えているのか?
・・・

次から次へと課題が見えてきて、

何を優先して何に取り組むべきだろう・・・?

と、今どの課題に向き合うべきか判断するのが難しくなります。
(採用担当が対峙する課題①=どの課題に対処すれば良いのか分からなくなってしまうこと)

採用担当が対峙する課題②

加えて、採用に限らず人事担当者は責任感の強い人が多いです。(ソースは富田が知っている人事の皆さん)

私が解決しなくては・・・!!!
採用できなければ私の責任だ・・・!!!

と課題を自分事化し、解決に向けたアクションを取るうちに段々と自分のキャパシティが埋まっていき、次第に課題に埋もれそうになってしまいます。
それでも会社やチームのためにと思って踏ん張るものの、様々なステークホルダーとやり取りする中でなんだか言葉に表しづらい重苦しさが残ります。

そこに、変化スピードが掛け合わさります。
特にスタートアップ・ベンチャーは、事業環境や組織環境の変化が目まぐるしく、変化と共に課題が増え、種類も増します。
つい先日までは通用していたことがある日突然通用しなくなっていて、「あれ、いつの間に変化してたんだ?」という感覚に陥ります。

一所懸命働いているのに、なんだか自分のバリューを感じない。
一体自分は何に向き合っているんだろう・・・?
目の前の課題に対して身動きが取れず無力さを感じる。

知らない間に好きだった会社や仕事にネガティブな感情が生まれてしまっている、そんな自分に気付き余計に落ち込んでしまう。そんな経験をしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

(採用担当が対峙する課題②=採用課題への対処をきっかけに、いつの間にか自分の無力さを感じ落ち込んでしまう現象)

会社は誰か1人だけのものではない

ここまでの内容に激しく共感してくださった方がいらっしゃれば、ぜひ立ち止まって落ち着いてください。なんなら仕事すべて放り出して自然に囲まれてリフレッシュしてください。

・・・

採用担当(人事)の皆さんは、おそらく多くの方が、自分が好きな会社をより良くしたいという気持ちを持って、人事職を志したのではないかと思います。
会社のMissionを実現させたい、事業を成長させたい、最高なチームをつくりたい、一緒に働く仲間が働きがいを持てる環境にしたい、みんなハッピーであってほしい、そんな想いを実現させるのが人事だと考えています。(だから、マネーフォワードは人事組織を「People Forward」と呼んでいます。)

でも、その志は採用担当者の力だけで実現するでしょうか?個人1人の力だけで実現するでしょうか?
(そして、いつの間にか上記①②の課題を抱えて苦しくなってしまっていませんか?)

私は実現する訳がないと考えています。
その理由は明白で、会社は人事や個人1人だけのものではないからです。

ただ、振り返ると、私も気付かない内に自分の役割や成長に変に捉われてしまい1人で目の前の課題に取り組んでいた時期がありました。(会社が自分のためのものとは思っていませんでしたが。)

その時のアウトプットがとても低かったという訳ではないかもしれませんが、もう少し高い視座で目の前のコトに取り組んでいたら、より良いアウトプットに繋がっていたのではないかと反省する出来事でした。(詳細に触れると脱線してしまうのでこちらでは割愛します。)

この出来事があってからは、

マネーフォワードがより良くなるために、会社自体がどう変化すると良いのか?
そのために、どういったステップが必要で、今の自分に何ができて・何ができないのか?
自分にできない課題をどう乗り越えていくのか?

という自問自答を意識的に繰り返し、自分が本当に実現したいと思っているコトからブレてしまわないよう心掛けるようになりました。

つまり何が言いたいかというと、より良い会社を作りたいという想いが採用(人事)担当者の実現したいことだとするならば、採用(人事)担当者は対峙している課題を1人で抱え込んではいけないということです。

最初は少し抵抗がある方もいらっしゃるかもしれませんが、「1人だけで課題に取り組むことがダメで、チーム(会社全体)で解決に向かうのが望ましい」という世界だったら、自分の無力さに過度に落ち込む必要は無いと思いませんか?

会社のMission・Visionの実現と自分のキャリアアンカーに向き合う

話がどんどん拡大してしまっているので、まとめにかかります。

まず、とてもシンプルに考えた時に最高な会社には最高な人が集まります。
したがって、採用担当として何に向き合うべきか?という問いについてですが、答えは「採用担当は会社作りに向き合う」ということだと考えています。
(色々飛躍してる感は否めないのですが、何度も何度も考えて最終的にシンプルにまとめた時にこの考えに腹落ちました。w)

そして、こちらの考えは多くの採用(人事)担当者が同じ意見をお持ちなのではないかと思います。

ただ、いつもこんなシンプルに考えられる訳ではないと思いますし、課題が重なれば脳内は複雑化します。会社作りを自分事化し、脇目も振らずフォーカスし続けることは決して簡単なことでないと思います。
だから、多くの人がこのシンプルな考えを忘れがちだと感じています。

そこで、私の中で「採用=会社作り」という考えがブレないよう、考えを支えてくれているもう一つの大事なポイントを紹介します。

それは、会社のMission・Visionの実現と自分のキャリアアンカーに向き合うことです。

“キャリアアンカーとは、個人が自らのキャリアや働き方を選択する際に、どうしても譲れない「価値観」や「欲求」「コアコンピタンス(能力)」のこと”

キャリアアンカーとは?8つの分類と適職を知るメリット

実際に私がMission・Visionの実現とキャリアアンカーにどのように向き合ってきたか、そのプロセスを文字にしてみます。

(富田の心の声)

「まず、採用担当のメインミッションは仲間を集めることだよな?」
「単に人を集めるだけじゃなくて、会社が掲げるMission・Visionの実現のために仲間を集めるよな?」
 - 「じゃあ、採用担当もMission・Visionの実現を自分事化して目の前のミッションと向き合えてる状態が好ましいな!

「仲間はどうやったら集まってくれるのか?」
「自分だったら慎重に選択するし、働きたいと思える会社かどうかが大事だよな?」
「でも、働きたいと思えるポイントは人それぞれだから、会社としても一緒に働きたい人を整理する必要があるな?」
 - 「じゃあ、一緒に働きたい人を言語化して、その人達に選んでもらえる会社を作ることが本質的に必要だな!

「あれ?じゃあどんな会社を作っていきたいかも分かってないと本質的な採用できないな?」
 - 「てことは、採用=会社作りだと思ってないと失敗しちゃうな!?

「ちょっと待て。採用=会社作りだ!と捉えると、結局何に向き合うべきか収拾がつかなくなりそうだ・・・何を優先したらいいんだ?」
 - 「視点を変えてみて、自分はどんな風に働きたいか?どんな暮らしをしたいか?どんな人間になりたいか?を考えてみよう!」(ここで、自分自身のキャリアアンカーを横に置き判断軸を増やすことで、今フォーカスすべきことを整理するというステップを挟みました)

「マネーフォワードで働いているというのは一旦無視して、自分がどんな人生を過ごしたいか?その時々の考えや価値観が実現するのはどんな環境なのか?まずは、自分のありのままの気持ちと向き合ってみよう。」
 - 「その上で、自分が持っている考えや価値観が今/未来のマネーフォワードと同じ方向を向いているのか?マネーフォワードにどんな風に役立てられるのか?そんな風に整理してみよう!」
 - 「おお!今自分がやりたいこと(できそうなこと)ってこれだ!マネフォにも貢献できそうだし、がんばろー!」

実際はもっと細かいですが、上記のような感じで考えを整理してきました(笑)

このプロセス(内省)を定期的に行うことで、

①どの課題に対処すれば良いのか分からない
②採用課題への対処をきっかけに、いつの間にか自分の無力さを感じ落ち込んでしまう現象

上記のような課題とも適切に向き合えるようになりましたし、悩んだり・迷ったりした時に脳内が複雑化したとしても、原点回帰することで心のモヤモヤを解消しながらパワーを発揮することができました。

・・・

ほんとかな?と思ったあなた。
ものは試しということで、年末年始の時間を使って会社のMissionとご自身のキャリアアンカーを振り返ってみてはいかがでしょうか?

最後に

さて、最後に私のキャリアアンカーと私がどうしてマネーフォワードで働いているかをお伝えして、締めにさせていただきたいと思います。

私のキャリアアンカー
・誰もが働くを通して、自分らしくハッピーに暮らせる世界をつくりたい
・自分自身も働くことを楽しみ、後世の生活を豊かにする社会的価値を生み出したい
・そのために、これまで培ってきた人材領域の知見を活かしてMission・Visionの実現や事業成長にコミットし続けたい
・(比較的飽き性なので)日々変化の渦中に身を置き、自分自身をアップデートさせ続け、人間的に豊かになりたい

私がマネーフォワードで働いている理由
・マネーフォワードのMissionである「お金を前へ。人生をもっと前へ。」は究極的には「人生をもっと前へ。」することだと思っていて、自分が目指している方向性と合致している
・お金の課題は、誰もが抱えうることで、働くこととも密接な関係にあるため、マネーフォワードの事業が成長することで自分自身が目指す世界の実現に近付くことができると感じている
・何よりも壮大なMission・Visionであり、どうすれば実現するかという確固たる答えがあるわけではないため、飽きることなく常にチャレンジし続けられるテーマだと感じている

おわり

P.S. 今回は敢えて採用担当(人事)を主語にしましたが、すべての職種に通ずる点もあっただろうと思います。この記事と出会ったことで、日々忙しく働く皆さんの今抱えている課題や苦労が少しでも軽くなると幸いです。

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