Peer Radioができるまでにつくったプロトタイプまとめ(後編)
株式会社Peer Lodge CEOの斎藤 雅史です。Peer Radioという本音でいられる音声コミュニティをつくっています。
α版・β版をクローズドに公開しながら開発してきたPeer Radioというアプリが、まもなくApp Storeに公開予定です。
App Store公開までに、アプリの中身や開発の裏側について、少しずつnoteで公開していくつもりです。
前回は、アプリ開発に着手するまでに作ってきたプロトタイプについて振り返ってみました。
今回は後編として、アプリの形でプロトタイプ提供をスタートした、iOSアプリα版からの学びについてまとめてみました。
ーα版ローンチで良かったことー
①最小限のシンプルな機能にした
「声を残す・声を聴く・コメントする」というコアな機能だけが利用できるシンプルな設計にして、ユーザーに使ってもらいました。
Must-have(なくてはならない機能)だけ実装、Nice-to-have(あったらうれしい機能)は実装しない、ということを強く意識しました。
コアな価値がユーザーに刺さるのか、がこれによって検証できました。
②ユーザーを増やしすぎず、身の丈に合った成長を意識した
大々的にリリースせず、知人やこれまでインタビューに協力してくれた方への招待のみで、徐々にユーザー獲得していきました。
CS体制も開発体制も整っていなかったので、多少の至らなさには目をつぶってくれ、応援してくれるユーザーに使ってもらい、フィードバックをもらいながら、機能改善をしていけたのは良かったと思っています。
ちなみに僕たちは、FirebaseのApp Distributionという、Appleに申請しなくても、テストアプリを配布できる機能を使って、テスト版を配布しました。
TestFlightなどの場合でも、Appleへの申請用の機能開発が必要になるので、それより簡単にテスター配布するために、Firebaseでのテスター配布をすることにしました。
このへんはめちゃくちゃ詳しいわけではないので、もしかしたらもっと良い手法があったのかも?
当時の僕たちは、これが良いかなと判断しました。
ーα版での失敗ー
①新規ユーザーが増えないと、ユーザーがマンネリ化してしまう
知人のみでユーザー拡大することは良いことでもあったのですが、新規ユーザーが増えなすぎると、コミュニティにマンネリ感が漂うように。
投稿者やコメント者が固定されてきて、だんだんユーザーが飽きてきてしまうようになりました。
新規ユーザーの流入は、コミュニティ系のサービスには必須だと認識しました。
毎週少しずつ新規ユーザーを増やしていくようにすると、ユーザーの満足度も高まってきました。
②新規施策を打たないと、ユーザーが飽きてしまう
単にアプリローンチしたり、機能をアップデートするだけだと、ユーザーが飽きてしまうことに気付きました。
「ソフト面の充実は、必要最低限のハードを整えてから」という気持ちになってしまっていたのですが、
「ハードが整っていない段階でも、開発を必要としない施策をどんどん打っていくべきだ」と考え直しました。
具体的には、
・おしらせ機能はないけど、FacebookメッセンジャーでユーザーにDMを送ってお知らせ
・ハッシュタグ機能はないけど、「#」をタイトルに付けてもらって、同じテーマで投稿されている投稿が分かるように
・チュートリアル画面はないけど、チュートリアル画像を作って送る
・新規ユーザーのタイムラインに過去投稿が反映される機能がないけど、データベースから手動でタイムラインに過去投稿を反映
などを実施していくと、少しずつアプリ内の数字も改善されていきました。
機能はまだ存在しない状態でも、ユーザーも施策に乗っかって「#」を使ってくれたりするようになり、
ユーザーが求めているのは「アプリを通じて得られる体験」であり、「完璧な機能」ではない、ということが分かってきました。
ーアプリリニューアルへー
上記のような多くの学びを、α版ローンチによって得ることができました。
半年ほどα版を運用する中で、1,000件を超える声がPeer Radio内でやり取りされました。
実際にユーザーから「声を残して、自分に自信が持てました!」という声が届いたりするようになったことも、チームの自信につながりました。
ここから、App Storeローンチに向けて、改善すべき点を洗い出し、アプリリニューアルに向かっていきます。
次回は、α版での学びを元に開発したリニューアル版アプリ(β版)についてまとめていきたいと思います。
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