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SIerからのキャリア選択肢〜Web系企業におけるその強みとは

はじめまして。エンジニア転職を支援するFindyユーザーサクセスチームの北川(@OnigiriMa_shi)とです。大手証券系シンクタンクにてSIerを約6年半務めた後、現職にてエンジニアとのキャリア面談やエンジニア向けイベントの開催、自社メディア「Findy Engineer Lab」の運営をおこなっています。私の詳しい詳細はこちらに記載しておりますので、以下略します^^

本記事では、SIer企業で勤務をしている方々向けに、キャリアの参考となる転職の事例とTipsを私の体験談も踏まえつつ、お伝えしていきます。

<こんな人におすすめ>
・20代後半のSIer企業勤務の方々
・転職を検討し始めた、またはキャリアを考え始めた方々
・マネジメントを行っていくのかスペシャリストにいくのか悩んでいる方々
<目次>
・SIerから転職する際の3つの選択肢
・SIerからWeb系に転職する際の悩み
・SIerの強み〜何が活かせるのか?
・これからなにをやればいいのか?

SIerから転職する際の3つの選択肢

Sierから転職する際によくある選択肢としては、大きく分けて①ITコンサル、②事業会社の社内SE、③Web系の自社開発企業の3つあります。これは私が転職活動をした際に考えていたことでもあり、現職でキャリア面談をしていく中で多く相談を受ける中で多かった進路でもあります。

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①IT系コンサル会社

大手ITコンサル系ファームに始まり、最近ではDXを推進する中堅、ベンチャー企業が数多く出てきており、システム企画〜設計の上流工程に強みを持っています。

実態は上流から下流まで一貫して請け負うため、SIerの機能と大きな乖離はないものの、案件によっては顧客の課題解決のための企画フェーズから入りこみ、アーキテクチャの設計から行えもします。

よって、2-3年以上SIerとして開発工程を経験した若手層以上で、特に20代後半からステップアップと年収アップのためにITコンサルを志す人が増加しています。

ITコンサルを一時経験した上で、事業会社の社内SEとして入れば経験を高く評価されるといった話もあり、前職からはかなり多くの人がこのパターンを志しておりました。

実際に、事業ドメインが同じ分野での経験があれば、即戦力としての期待が見込めるので、かなりの需要があります。
こちらは以下の@makaibitoさんの記事でも外資系コンサルとして記載されていますね。

採用市場に中堅エンジニアがほぼ居ない/どこに行ったのか目撃情報を集めてみた


②事業会社の社内SE

こちらは、わかりやすくいうと発注側の企業にいくイメージですね。例えば私だと、銀行やリース会社が顧客だったので、そちらのシステム部門にいくといった形です。

事業会社では昨今のDXの波によって内製化を進めているところが多く、システム理解のあるSIerの需要はかなり増しています。コロナ下といえど、IT業界の求人倍率は以前として高く、業界問わずITの知見がある人は重宝されています。

したがって、受託ではなく一つの企業でシステムに携わりたい、働き方を重視したい、自分が愛着のもてる自社の業務改善やサービス向上に寄与したいといった理由で転職される方が多いです。


③Web系自社開発企業

こちらは弊社のクライアントで多い分野になりますが、エンジニアとしてスキルを高めたい、自ら手を動かしたいといった方々がこちらを選択されます。

ここでかなりネックとなるのが年収部分。SIerの方々で多く見受けられるのが、上流の設計やベンダーマネジメント業務、テスト工程が多く、コーディングや環境構築など実際に手を動かす経験が少なくなってしまうことです。
なので、経験年数の割にスキルが、、といった理由で年収が下がってしまうため、こちらの選択肢を躊躇する方がとても多いです(私もそうでした・・・)


SIerからWeb系に転職する際の悩み


上記の3選択において、①を選ぶにおいても②を選ぶにおいても圧倒的にスキルが足りないと私は考えたので、一時は③に行こうと考えました。しかし、以下のような悩みがありました。現在、キャリア面談をしていく中でもよくお伺いする点も合わせて記載します。

“運用・保守経験が長く、開発スキルが足りていないのでは?”
“ゼロからの構築をしたことが無いが、他の業務経験・スキルでも通用する?”
“実務で触ったことは無いが、モダンな言語や技術スタックの企業で働ける?”
“受託開発から自社サービス開発に変わると何が違うの?スピード感を求められて大変そう”
“そもそも自分の経験が他の企業でどう活かせるかが分からない”

つまるところ、スキル面においての心配が最も多いです。これは、基幹系システムでの保守開発、ウォーターフォール、オンプレ環境、といったクライアント側の開発環境によるものが大きく、Web系自社開発とは開発の進め方が異なる点が想像できるからでしょう。
これまた@makaibitoさんのこちらの記事も参考に。


転職理由としてのSIer転職者が言う「顧客の顔が見たい」、自社サービス転職者が言う「社内受託感」


では、そのような状態でどのように転職活動に備えていくべきなのでしょうか?

SIerの強み〜何が活かせるのか?


スキル面での課題や悩みばかり挙げてきたのですが、企業側としては以下のように経験値を高く評価しており、決して悲観するばかりではありません。大事なのは、詰まるところその案件の中でどういった役割を担い、そこに対して工夫をしてきたか、です。

加えて、最低限の開発スキルが伴っていれば、あとは入ってから次第と考えてくれる企業も多いです。以下は、SIerの方を求めるWeb系自社開発企業の声です。

・関係部署との調整や顧客とのやり取り等、社内外とのコミュニケーションに長けていること
・インフラやサーバー構築、データベース、ネットワーク周辺に従事していたのであれば、Web業界でも共通の部分が多いこと
・データ量やトラフィック量の多い大規模システム開発に携わっていた経験
・業界に関する知見、業務知識が豊富にあること
・コーディングのみを行うプログラマではなく、設計から運用まで一貫して携わった経験

これからなにをやればいいのか?


上記のような経験を持ってして、何をすればよいかでいうと、やはりモノを作るのが一番良いです。受託開発の現場では、GitHubを用いての開発はあまり認められないもの。別のソース管理のツールをつかっていたり、プライベートリポジトリでソース管理をしている企業が殆どでしょう。

もちろん、職務経歴書の開発実績から技術スキルはアピールすることもできますが、Web系エンジニアを志すにあたっては、ポートフォリオサイトを作成し、自身で作成したWebアプリなどを成果物としてアップロードすることで、スキル面、ひいては入社してからのキャッチアップの速さを見せることができます。ポートフォリオではなくても、GitHubでソースを公開し、ReadMeの記載を充実させていきましょう。

実際のスキルがどれくらいあるのか?どれくらい手を動かしてきたか?は見えづらいところ。したがって、GitHubの中身や発信を充実させて、普段からの自己研鑽に使うとともに、来たるべきときの武器として磨くのが良いかと思います。


まとめ

SIerでの経験を上手にアピールしながら、技術力を補うことで高い評価を得られるケースはとても多いです。さらには、DX化の流れとエンジニアの不足、未経験のエンジニアが大量にでてきたことから、SIerで着実に開発工程を集まれた方への需要も高まっております。普段からWeb系言語のトレンドをウォッチしつつ、自分で手を動かしてみることで、更に選択肢は広がっていくと思います。本記事が、何かしら皆様の一助になりますと幸いです!

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